ADHDキッズが「片付けしなさい!」で癇癪を起す理由
もう寝る時間だから「片付けしよう!」と声をかけると癇癪を起を起こす。
片付け始めたと思ったら「もう無理」と泣きだし全然片付けが進まない。
片付けをさせるだけなのに、どうしてこんなに大変なの?と途方にくれていませんか?
実はADHD(注意欠陥多動性障害)タイプのお子さんにとって「片付け」は「大きなハードル」です。
そしてそれは、わがままでも甘えでもありません。
片付けの声かけで突然スイッチが入ったように癇癪が始まるのには、 ちゃんと理由があります。
ADHDタイプのお子さんに多い4つの理由
1、気持ちや行動の切り替えが苦手
遊びに夢中になっている時に、突然「片付けて」と言われると、頭のスイッチがうまく切り替わりません。
まだ遊びたいモードなのに、いきなりお片付けモードに入るのは大人が思う以上に難しいのです。
2、衝動性と先延ばしにする癖
やるべきことがわかっていても、いざ片付け始めると目の前のものにすぐに気を取られてしまうという特性があります。
「ちょっとだけ遊びたい」「後でやろう」とつい先延ばしにしがちになります。
頭の中では「やらなきゃ」が消えないので、できない自分にイライラしてきて、最後は「もう無理!」と爆発してしまうこともあるんです。
3、「全部片づけて」が曖昧でわからない
ADHDタイプのお子さんは曖昧な指示が苦手です。
「どこまで?」「どうやって?」がわからず頭がパニックになってしまいます。
大人にとっては簡単でも、こどもにとってはゴールが見えない迷路のように感じられて癇癪につながります。
4、疲れて判断力が下がっている

1日の終わり、特に寝る前は脳も体もお疲れモード。
疲れていると、集中力・我慢・判断力がぐっと下がり、些細なことで爆発しやすくなります。
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完璧主義が癇癪を悪化させていたかこの私の関わり方
毎日子ども達は、色んなおもちゃを次々に出しては、思いつくままに遊びます。
だから気づけば、床一面にブロックやぬいぐるみ、おままごと用の食器などが 足の踏み場もないほど散乱していました。
その光景を見るたびに、私は正直、絶望していました。

なぜならば、夜は家事が山積みだからです。
食器も洗っていないし、洗濯物もほさなきゃいけない。
「もう寝る時間なんだから自分たちで片付け始められないの?」
「私だって忙しいのに」
そう思って「片付けなさい!」と声をかける前から、 すでに怒りモードに入ってしまっていました。
さらに私はどこかで、「出したものは全部キレイに元通りにしないといけない」「散らかしたのは子どもなんだから、最後まで自分でやらせるべき」という完璧主義な考えにとらわれていました。
でも今思えば、その考えこそが子どもにとっても私にとっても負担を増やしていたのです。
そこで、私は、子どもの脳に届く声かけを学んで、特性を理解し、 声かけを変えることから始めました。
すると、少しずつではありますが、お片付けをする際に癇癪を起すこと減っていき、私自身もイライラすることが減っていきました。
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ADHDキッズが癇癪なしで片付けをスッと始められる声かけ
片付け時の癇癪バトルを減らすために、私は声かけの仕方と目標の立て方を変えました。
1、スモールステップで、指示は具体的に
「全部片づけて」ではなく、ひとつずつ、わかりやすく伝えます。
「ブロックはこの黄色の箱に閉まってね」
「ぬいぐるみはこのかごに入れてね」
こんなふうに、どこに何を閉まったらいいかを明確にすることで、「どうしたらいいの?」と迷わずにお片付けができ、癇癪を防ぐことができます。
さらに、「自分でもできた!」という達成感が持てるので、片付け自体にも取り組みやすくなります。
2、完璧じゃなくてOK!今日は2つだけ!
全部を一度にやらせようとすると、ADHDタイプのお子さんには負担が多きすぎます。
私も以前は「全部片づけなさい!」とつい言ってしまっていましたが、できなかったことに目がいき、私自身がイライラする原因にもなっていました。
今は、こう伝えるようにしています。
「今日は2つだけお片付けしようね」
「残りは明日、一緒にお片付けしよう」
片付けのハードルをぐっと下げることで、「それならできそう」と子ども自身も思えるので、癇癪が減っていきます。
そして、実際に2つ片付けられたら、「できた」が明確に見えるので、ママもイライラせずに対応できるようになります。
3、終わったら必ず「できたね」の声かけをする
少しでも片付けができたら、すかさず肯定の声かけをかけましょう。

「わぁ、きれいになったね」
「ありがとう、助かったよ!」
「〇〇君が片付けてくれたおかげだね!ハイタッチ!」
大切なことは、「できた」という実感をさせてあげることです。
その積み重ねが、子どもの自信につながり、「またやってみよう」 という前向きな気持ちが少しづつ育っていきます。
このように指示を具体的に、小さく、肯定で終えるという3ステップを意識するだけで、片付けが「癇癪の火種」から「できた!の成功体験」に変わっていきます。
片付け時の小さな工夫で見えた息子の変化と成長
以前の私は、「どうしてちゃんと片付けられないの?」「なんで毎回癇癪を起こすの?」とイライラしては叱ってばかりでした。
しかし、ADHDタイプの子どもの特性を知り、「片付けること」がどれだけ大変なことか理解してからは声のかけ方や関わり方を変えました。
すると、少しずつですが子どもに変化がありました。
小さな工夫で見えた子どもの変化
・指示を小さく分けると、子どもが動きやすくなった。
・「2つだけね」と伝えると、「じゃあこれとこれ片付ける」と笑顔でお片付けができる日が増えた
・「できたね」の後に「ありがとう」を添えると、子どもの自信につながった
・「ママをびっくりさせよう!」と言って子ども達だけで、全部片づけをしてくれる日もあった
私自身の変化
最初は全然うまくいきませんでしたが、私自身が「完璧じゃなくていい」と思えるようになったことで、子どもにも余裕をもって接することができるようになりました。
大事なのは、「全部やる」よりも「できた!」を一緒に喜ぶこと。
癇癪の裏にあるのは、できない自分への苦しさや混乱です。
それに寄り添いながら、小さな成功体験を重ねることで、子どもも親も 少しづつ成長していけるのだと今は感じています。
もし、お子さんが片付けで癇癪が起きてしまう、そんな時は小さく具体的な「スモールステップの声かけ」でハードルを下げ、「できたね」「ありがとう」といった肯定の声かけで子どもの自信を育てる関わりに変えてみてくださいね。
執筆者:大下せいこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)


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