発達障害の子育ての不安は、家族のアドバイスでは解消しないのです

発達障害・グレーゾーンの子どもをもつお母さんを、追い詰めてしまう家族がいます。お母さんが追い詰められているような子育て環境は、子どもにとっても良くありません。今回は、子育ての不安をこれ以上大きくしないための、家族についてのお話です。
 

【目次】

 

1.お母さんを追い詰めているのは誰?家族がお母さんを追い詰めている!?

 
 
発達障害であろうとなかろうと、お母さんの性格・態度はお子さんに影響します。
 
 
誰でも、ヒステリックなお母さんより、朗らかなお母さんの方がいいと思いますよね。
 
 
しかし、大事なのは「最初からヒステリックなお母さんはいない」と言うこと。
 
 
頑張ってないお母さんもいないし、暇なお母さんもいない!でも、子育てに不安やストレスを抱えているお母さんは、た~くさんいます。
 
 
ではなぜ、お母さんたちは、不安やストレスを溜め込んでいるのでしょうか?
 
 
私は長年の臨床経験から、その原因が何となく見えています。
 
 
子どもの将来
 
子どもの学校や進路
 
 
もちろん、こういうこともあるでしょう。
 
 
でも、これらはストレスを溜め込むよりも、1つ1つきちんと対応すればいい類のものです。
 
 
お母さんの子育ての不安やストレスは、実は、家族からもたらされている場合が多いのです。
 
 
今日は「家族からのストレス」にフォーカスしてどう対応すればいいのかについてお伝えしていきます。
 
 
 
 

2.子どもの発達は、お父さんには分からない!?

 
 
発達障害のお子さんを抱えるお母さんの、子育ての不安やストレスを倍増させているモノ。
 
 
それは残念ながら、お父さんや、子どもの祖父母であることが多いのです。
 
 
もちろん、全てのお父さんや、おじいちゃん、おばあちゃんがお母さんの敵だとは言いません。お父さんも頑張っているご家庭も多いでしょう。
 
 
しかし現実には、子どもが発達障害だと気づかなかったり、気づいていたりしても「お母さんの育て方が悪い」と言ってお母さんにプレッシャーをかける人が多いのも事実です。
 
 
おじいちゃん、おばあちゃんの場合はもっと単純で、発達障害の概念が比較的新しいモノですから、なかなか受け入れるのが難しい現実があります。
 
 
お父さんや、おじいちゃん、おばあちゃんからよく聞くのはこんな言葉です。
 
 
ちゃんと躾をしてないからだ!
 
放っておけば、いつか治るんだから、病院なんて行かなくていい!
 
お母さんがガミガミ言い過ぎなんだよ!
 
俺も小さい頃そうだったから平気だってば!
 
 
などなど。
 
 
 
 
常日頃子どもと接して発達の遅れに気づいているお母さんに比べて、その他の家族は、持論を展開するばかり。
 
 
現実に対応しようとするお母さんの心を、逆撫でするようなことを言ってしまうご家族も少なくはありません。
 
 
私が気がかりなのは、お母さんが「誰の話を聞くべきか」迷ってしまうこと。
 
 
発達の見立ては簡単ではありません。
 
 
専門家でないなら、たまにしか子どもに会ってない人が判断できるほど甘いものではないのです。
 
 
お母さんは子どものために動こうとしている。
 
 
それなのにブレーキをかけられてしまう。
 
 
その結果、しわ寄せを食うのは子どもです。
 
 
真面目なお母さんほど、子どもの将来を思って家族と対立せざるを得なくなってしまう現実。
 
 
もし、あなたのご家庭に、すごく協力的なお父さんや、おじいちゃん、おばあちゃんがいるならそれはとても恵まれたことなんです。
 
 
しかし、旦那さんへの不満がある人も多いはずです…。
 
 
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3.お子さんの発達障害がお父さんに分からない理由は、脳にあった!?

 
 
子どもが発達障害、あるいはグレーゾーンであっても、気づかないお父さんはたくさんいらっしゃいます。
 
 
発達障害の男女比は、およそ4:1で、圧倒的に男性に多く起こると言われています。
 
 
一般的に女性の脳は、マルチタスクに強く、感情に左右される処理が優勢だと言われています。
 
 
一般的に男性の脳は、専門家気質で1つのことを深く掘り下げることに向いていて、感情よりも論理で処理が進みやすいと言われています。
 
 
発達障害の主な症状は、1つのことにこだわりが強く、コミュニケーション(感情表現)が苦手。
 
 
これ、並べて見ると、気がつきませんか…?
 
 
そうです。
 
 
女性の脳よりも、男性の脳の方が、もともと発達障害の気質に近いのです。
 
 
「発達障害の脳→男性の脳→女性の脳」
 
 
という順で似ています。
 
 
お父さんから見ると、(軽度発達障害は特に)お子さんの発達障害の症状に対する親密感が高いのです。
 
 
つまり、「俺もそうだったな」と感じやすいということ。
 
 
お母さんが感じる子どもに対する違和感ほどには、お父さんは違和感を感じません。おじいちゃんも、そうかもしれません。
 
 
なので、子ども(男児)を含め、男3代に対して思うあなたの違和感は、当の男たちには届きません…。
 
 
だからこそお母さんは、「誰の話を聞くべきか」をシビアに判断し、
 
 
子どもにとって最良の選択をしなければならないのです。
 
 
だって、対応が遅れて二次障害(精神症状)になったら大変です。
 
 
 
 
男性の脳の方が、発達障害の症状になんとなく近いのは、こんなエピソードからもわかります。
 
 
仕事と家庭の両立で多忙な奥さんが、旦那さんに「忙しくて心が折れそう・・・」と相談を持ちかけたとしましょう。
 
 
旦那さんは、
 
仕事が忙しいなら、残業を増やしていいよ。俺も今月はプロジェクトが大詰めで遅くなりそうだからさ」優しく言ってくれています。
 
でもでもでもぉ~!!そーゆーことではないんですっ!
 
 
女性は、やることはやるんです!
 
ただ、気遣って欲しいんです!
 
「頑張ってるね」って言って欲しいんです!
 
「いつもアリガトな♪感謝してるから」
 
って言って欲しいだけなんです!
 
 
決して決して、事務的に、残業時間の打ち合わせとかしたいワケじゃないんです!!
 
 
共感したいのに、共感できない…。満たして欲しいのは「感情」の部分なのに…。
 
 
これって、ちょっと発達障害のケースに似てますよね。
 
 
でも仕方ない。多くの男性の脳ってこうなんです。
 
 
だからお父さんやおじいちゃんには、発達障害の意味がピンと来ない場合があるんですね。
 
 
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4.発達障害・グレーゾーンのお子さんの支援で、お母さんが絶対にしてはいけない2つのこと

 
 
発達障害の子どもをもつお母さんが絶対にしてはいけないこと2つあります。
 
 
その1
 
1人で抱え込む
 
 
発達の問題は、絶対に一人で抱え込んではいけません。
 
 
なぜなら、お子さんの発達が進まないままになってしまったり、
 
 
お母さんのメンタルが限界を迎えてしまったりするからです。
 
 
その2
 
発達障害に対して、お母さんよりも知識のない家族のアドバイスに従う
 
 
お母さんは、誰よりもお子さんと接していて、発達のことも理解しています。
 
 
なのに、子どもと接する時間が短く、発達の知識も乏しい家族主観的なアドバイスに左右されていたら、子どもにとって最良の教育環境が整わない場合もあります。
 
 
冒頭で述べたように、お母さんに不安やストレスが溜まりに溜まって、ヒステリックなお母さん自信のないお母さんになったら、子どもの発達に影響してしまうんです!
 
 
ですからお母さんにはぜひ、
 
 
信頼できる人を見つけて欲しいと思います。
 
 
学校や園の先生
 
塾や習い事の先生
 
地域の発達センターの先生
 
ママ友で発達にとても詳しい人
 
発達の専門家
 
 
こういった人々の数はそんなに多くないはずです。
 
 
ですから、信頼できる人を見つけたら、逃さずしっかりコンタクトをとること。
 
 
リアルじゃなくても、最初はSNSでもいいかもしれません。
 
 
一人で抱え込まずに、誰かに相談する勇気を持ってください!
 
 
子どもにも、お母さんにも、突破口が開けると思います!
 
 
相談する方が見つからない場合は、ぜひ個別相談にお申し込みください。
 
 
 
 
執筆者:吉野加容子
(発達科学コミュニケーショントレーナー、学術博士、臨床発達心理士)
 
 
一人でかかえこまず、誰かに相談する勇気を!

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