発達障害・グレーゾーンのお子さんはテレビやYouTubeなどの映像メディアに釘付けになってしまっていることがありますよね。受け身でぼーっと過ごす時間がもったいないと感じることも。そんなお子さんにうまく対応して、脳を発達させちゃいませんか? |
【目次】
1 YouTubeに釘付けの発達障害・グレーゾーンの子どもたち
テレビやYouTubeなど映像メディアに釘付けの子どもの対応には困りますよね。
発達障害・グレーゾーンのメディア好きな子は、学校から帰ってきてすぐにテレビやYouTubeをつけ、そのまま夜ご飯までずっと見ている状態になることがあるかもしれません。夜寝るまで見続ける子もいるかもしれません。
夏休みなどの長期休暇も、映像メディアの視聴は長くなりがちです。
なぜそこまでメディアが好きなんでしょうか?一つには、リラックス効果があるからです。
視覚優位の子には、聞くことが中心の学校の授業で疲れてしまう場面がたくさんあります。視覚を使えるメディアは嬉しいツールです。
また、想像力が弱い場合や他に好きな遊びがない場合は、テレビやYouTubeは、刺激的で興味を引きつけてくれますし、会話が苦手な子も楽しめます。
なので、決して無駄ばかりの時間とも言えません。大事なリラックス時間の一つです。
でも、お母さんから見たら、ダラダラ時間を無駄にしているように思えますよね。ぼーっとただ流れてくる情報を受け身で受け取るだけ。
テレビばかり見ていないで、宿題でもしてほしい。
そうでないなら、せめて他の遊びでもいいから、テレビから離れて有意義な時間を過ごしてほしい!という気持ちにもなりますよね。
結局、消すように言ってもなかなか消さない発達障害・グレーゾーンの子どもの対応に困り、「いい加減テレビ消しなさい!」と叱るしかないということになってしまいます。
でも、お母さんの怒りをぶるける対応は、脳の発達には良くありません。
また、低学年のうちは、お母さんに怒られてしぶしぶ言うことを聞いていたとしても、年齢を重ねる毎に、怒って言うことを聞かせるというのが難しくなります。
だから、発達障害・グレーゾーン低学年の子どもがメディアとうまく付き合えるようになるように、今から対策・対応していきたいですよね。
2 子どもがメディアとうまく付き合えるための対応策は?
子どもがメディアとうまく付き合うために、お母さんはどのような対応をすると良いか、2つの観点からお伝えします。
一つ目は、ルールとご褒美です。
先ほどのお伝えしたとおり、メディアは、視覚優位な子や他の遊びに興味の薄いタイプの発達障害・グレーゾーンの子どもの楽しみの一つ。自由に見る時間があって良いと思います。
ただやはり、そこにはルールが必要です。
例えば、
・1日何時間まで
・何時で消す
・どの番組を見る
などのルールを決めましょう。
ルールは、お母さんが一方的に決めてしまわず、お子さんと話しながら決めると良いですよ。お子さんは自分が決めたという意識が働いて、より守りやすくなります。
そのときに、ポイント制のご褒美について提案してみると良いと思います。
ルールを守るたびに、カレンダーや台紙にシールを貼っていったり〇を付けていったりして、いくつ貯まったらご褒美がもらえるという形です。
決して叱る材料にせず、シールが貯まっていくワクワク感を大切にしながらやってみてくださいね。
ルールを守れたら、その度に、言葉や態度でも思い切り褒めてあげてください。習慣付けるためには、これがとても大切です。
・消せたね!
・さっすが!
・感心だわ♪
としっかりほめてあげてくださいね!
3 メディアを利用して脳の発達を加速させよう!
メディアをうまく利用すれば、お子さんの脳の発達を加速させることもできます。
見終わったとき、または一緒に見ながら、内容について関心を示す質問をしてあげてください。
・楽しそうだね、何見てるの?
・面白かった?どんなお話だったの?
・どうしてこういう展開になったの? などなど…
子どもが口ベタであまり話してくれない、普段なかなか子どもとの会話が弾まないというご家庭でも、好きなテレビについての質問には、喜んで答えてくれることがあります。
聞いた以上にいろいろな情報を教えてくれるかもしれません。
そんなときは、お母さんが思いきり関心を示して乗ってあげてください。
・へ~、そうなんだ!
・それからそれから?
・うんうん(満面の笑顔)
関心を持って受け答えしていくと、お子さんの話をどんどん引き出せます。すると、脳が発達して会話力も伸びてきますので、おすすめです。
特に、テレビを消してすぐ後にお母さんが楽しそうに関心を示す対応をすることは、子どもにとって嬉しいご褒美にもなります。消したことをねぎらう言葉とセットで、試してみてくださいね。
子どもがうまくメディアと付き合えるように対策し、楽しく脳を発達させちゃいましょうね!
執筆者:水原沙和子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)