夏休みの宿題との闘い…。これは発達障害・グレーゾーンの子どもがいるご家庭では夏の風物詩的なものですよね。毎年のことなのにどうして計画的にできないのか?その理由をお伝えします。 |
【目次】
1. 夏休みの宿題、コツコツできない理由は?〜発達障害・グレーゾーンの子どもはやる気がないわけではなく、超短期決戦型!!なんです。〜
2. なんで超短期決戦型になっちゃうの!?〜実は、発達障害の特性が原因でした。〜
特性① 見通しが持てない
特性② ワーキングメモリが弱い
特性③ 集中力が持続しない
3. 特性を理解して、子どもさんにあった勉強法を研究してみよう。決め手は「〇〇〇〇力」!!
1. 夏休みの宿題、コツコツできない理由は?〜発達障害・グレーゾーンの子どもはやる気がないわけではなく、超短期決戦型!!なんです。〜
夏休みに入り、ご自身の時間が少なくなったお母さんもおられるのではないでしょうか?最近は、昔ほど宿題が多くない学校も多いようですが、夏休みの宿題との葛藤は夏の風物詩ですよね。
とはいえ、「我が家はそんなに悠長なこと言ってられないよ~」と言わんばかりに、8月末に慌てて宿題をやっつけるお子さんの姿が想像できるご家庭も多いはず。
なぜコツコツ宿題ができないの…?
最初から締切は分かってるのに、どうして期限までにやらないワケ!?
やる気がないんじゃないの!?
お母さんにとっては、発達障害の七不思議の1つかもしれませんね…。
宿題はやらない。
提出物は出さない。
そもそも連絡帳に書いてこない。
必要なものを持って帰ってこない。
提出物は出さない。
そもそも連絡帳に書いてこない。
必要なものを持って帰ってこない。
ないないづくしのフルコース…。
「明日」までにやるべきこともできないのに、1ヶ月以上も先の課題に計画的にコツコツ取り組むなんて、夢のまた夢だと思ってしまいますよね。
夏休みの宿題だけでなく、今後定期試験の勉強や、英検とか漢検などの試験や、受験でさえ、一夜漬けでやるつもりなの!?と思っちゃいますよね…。
悪夢がよぎります。
でも…そうなんです。
とても残念なお知らせですが、発達障害やグレーゾーンのお子さんや大人は、長期的にコツコツはやれない、そう、超短期決戦型なんです!!
2. なんで超短期決戦型になっちゃうの!?〜実は、発達障害の特性が原因でした。〜
では、どうして超短期決戦になるのでしょうか?それは、発達障害の特性である、
① 見通しが持てない
② ワーキングメモリが弱い
③ 集中力が持続しない
などによって、長期に渡ってコツコツと物事を仕上げていくのが苦手だからです。(もちろん、全員ではありませんが。)
簡単に1つ1つ説明しますね。
◆特性① 見通しが持てない
見通しが持てないというのは、2つの側面があります。
1つには、時間的な感覚が身についていないので、いつまでに、どういう手順で仕上げるかという計画を練ることが苦手になります。
2つ目には、全体像のイメージが持てないので、一体どのくらいの宿題の量があるのか把握しきれていないという特性もあります。
つまり、子どもの頭の中は、
「宿題って、実際にはどのくらいの量があるの?」
「それを全部やるには、どのくらいの時間がかかるの?」
「っていうか、夏休みが終わるまでに、どのくらいの時間の猶予があるの?」
ということが1つ1つきちんと分かっていない状態であることが多いんです。やることの量も時間も分かってないので、計画的にコツコツ…とは行かないはずですよね。
◆特性② ワーキングメモリが弱い
ワーキングメモリ(作動記憶とも呼びます)は、本などでよく目にする人も多いでしょう。
簡単に言ってしまうと、
「やりかけの課題の進み具合を、頭の中でキープしておく能力」とか、
「やりかけの課題を、手順よくさばく能力」
と言い換えてもいいかもしれません。やりかけの仕事があるときって、大人でも負荷がかかって嫌ですよね。
「あれって、どこまで進んでるんだっけ?」という記憶力も必要ですし、「残りをどんな手順で進めたら効率がいいか?」と考えて進める力も必要です。
発達障害の一部の人はワーキングメモリが苦手なため、時間が空いてしまうと、もう一度はじめから見直さないとどこまで進んでいたのか思い出せない場合があります。
また、同時に2つ以上のことを手際よく進めることに苦手傾向があるので、国語と算数と自由研究と…という複数の課題を同時に進行させることも難しい、という訳なんです。
◆特性③ 集中力が持続しない
ワーキングメモリとも関係するのですが、1つのことにずっと注意を向け続けることが苦手で、ムラがあるのも発達障害・グレーゾーンの子どもの特性です。
だからすぐに飽きてしまう。別のことをやりたくなる。やるならガーーーっとやって、終わらせてしまいたい!そんな気持ちが超短期決戦型へと向かわせます。
また逆に、一度やり始めると過集中気味になってでも終わらせようとする傾向もあるんです。
3.特性を理解して、子どもにあった勉強法を研究してみよう。決め手は「〇〇〇〇力」!!
発達障害・グレーゾーンの子どもが「超短期決戦型」になる代表的な理由を3つご紹介しましたが、いかがでしたか?
もちろん、この3つの理由だけとは限らないのですが、多くの場合、この3つのうちどれかは当てはまっている子が多いです。
でも、よ〜く考えたら大人にもこういう人、いますよね。
集中すればできるのにギリギリまでやらない人。締め切り間近になって周りをヒヤヒヤさせる人。締め切りを破ってももはや平気な人。
夏休みの宿題というのは、「1ヶ月以上先の締め切りに対応する」という、社会に出てから必要とされる「ダンドリ力」を試されている、と理解すればいいんです。
でも、お母さんの中でも、ダンドリが得意!!という方は少ないのではないでしょうか?
ダンドリ力は大人でも四苦八苦する能力。今のお子さんができていなくても当然、というつもりで、デ〜ンと構えましょう。
夏休みは、宿題というツールを利用して、子どもの「ダンドリ力」を鍛えるいい機会です。
お子さんをよく観察し、その特性に合った勉強法を研究してみると、お母さんのダンドリ力も鍛えられますね。
うまく子どもさんを行動させて発達させる夏にしましょう。
執筆者:吉野加容子
(発達科学コミュニケーショントレーナー、学術博士、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーショントレーナー、学術博士、臨床心理士)
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