発達障害の子の行動が目について叱ることが多くお困りのママさん。何度も言い聞かせてもなかなか改善しませんよね。思い切って叱ることをやめて子どもに肯定的な関わりを増やしたら、できることが増えて、自分で考動するようになった我が家の事例を紹介します。 |
【目次】
1.発達障害を持つ子どもの問題行動を改善したくて叱るのに…
2.発達障害の子どもを叱る関わりが良くないのはなぜ?
◆そもそも「叱る」ってどういうこと?
◆叱ることが改善に繋がらない理由は脳にあった!
3. 発達障害の子に効果抜群!叱るよりも頑張らずにいつでもできる関わり方のテクニック
1. 発達障害を持つ子どもの問題行動を改善したくて叱るのに…
発達障害の有無に関わらず、子育てをするママがよく耳にするワードが、「子どもを叱らずに育てた方がいい」ではないでしょうか?
そうした方がいいのかな…そうしなきゃ…と、頭では分かってる。
しかし、実際に子どもが言うことを聞いてくれないと、叱りたくないのに日々叱ってしまうというお母さんも多いと思います。
特に注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプのお子さんを持つママの場合、衝動性の高さや不注意から、突発的にお母さんも対応しなくてはいけない場面が多いです。
そのため、うっかりきつく叱ってしまうシーンが出てきてしまいがちになります。
わが家にもそんな特性を持つADHDタイプの小5の息子がいます。
暴言が激しく、そのたびに私は
「そんな言い方しないの!」
「やめなさい!」
と叱っていました。
また、妹のものを雑に扱い、壊してしまうことがあると「そんなことしないで!」と叱る。
”間違っていることは正さないといけない。”
そう思い、叱ったり、時には諭したり、その都度言い続けてきました。
それなのに、一向に改善されることはありませんでした。
息子はいつも叱られてばかりでモチベーションは下がりますし、叱る私も楽しくないです。
日々の関わりの中でお互いに余計にイライラして終わりでした。
また年齢が上がるにつれ、「一生このままだったら…」と、将来への不安から声をかけないわけにもいかない。
しかし声をかければ親子バトルに発展していく。
こんな負のループにも陥っていました。
2. 発達障害の子どもを叱る関わりが良くないのはなぜ?
発達障害の子どもがいる家庭で、叱らず、口を出さずに関わることなんて無理なことなのでしょうか。
「叱らない育児がいい」という風潮が負担になってはいませんか?
この風潮がどこから来たものなのかを探り、解決へつながる理屈をお伝えします。
◆そもそも「叱る」ってどういうこと?
子育てをしているとよく聞く、「怒る」と「叱る」の違い。
「怒る」は感情的にぶつけるもの。
「叱る」はよりよい方向に導くために注意をしたりアドバイスをしたり、論理的に道筋をたててあげること。
そんな風に書いてあるものが多いと思います。
では、その「論理的に注意をする」ことをしない、というのが「叱らない」ということでしょうか?
注意もしなければアドバイスもしない。
そんなこと、発達障害の子どもにしたら収拾のつかないことになってしまいそう…と思いますよね。
結局叱るしかない!となり、子どもに何度も言ってしまうが子どもの行動が改善されることはない…。
これにはちゃんとした理由があるんです!
◆叱っても改善しない理由は脳にあった!
発達障害の子どもを何度も叱るのに改善されない理由は脳の特性が大きく関係しています。
発達障害の子どもはネガティブな記憶をためやすいという特性があるので、「叱られた」というネガティブな記憶だけが残ってしまいます。
何を叱られて、それについてこれからどうやったらいいか、というところに繋がっていない。
だから、次の行動に繋がりません。
だから結局改善されず、またお母さんに叱られるというループに陥ってしまいます。
また、いつも叱っているとお母さんからの声がけはすべてネガティブなものだと、子どもの脳は認識してしまいます。
改善すべきことは伝わらず、その後もお母さんの声を脳がシャットアウトしてしまうんですね…。
そうなると、いつ、どんなことを言っても、子どもには届かなくなってしまいます
まさに「聞く耳を持たない」ということが脳のレベルで起きているんです。
叱ることで改善できないのであれば、叱らないで改善できる方法にシフトしたいですね!
そのためには、お子さんを肯定する関わり方に変えていくことで、自然と叱るシーンが減っていきます!
3.発達障害の子に効果抜群!叱るよりも頑張らずにいつでもできる関わり方のテクニック
叱られてばかりだと大人でもテンションは下がってしまいますよね。
想像してみてください。
「ここ間違ってる!いつも間違いが多いんだよな~」
と言ってくる上司Aと、
「いつも仕事が丁寧だよね~。ここだけ直してもらえる?」
と言ってくれる上司B。
上司Bについていきたい!と思いますよね。
子どももいつも叱ってばかりのお母さんの言葉は素直に聞けないですが、たくさん褒めてくれるお母さんの声は届きやすくなります。
叱られず、できてることを認めてもらうだけでポジティブになれます。
ポジティブになれる時に、人の脳は発達します。
そして発達することで、自分から動けるようになるというループを作っていきたいのです!
そのためにまずやりたいのは、子どもを絶対的に肯定する、ということです。
発コミュのレクチャー1では褒めテクをマスターします。
その中でも、いつでも使えて、とっても便利なテクニックがあります!
それは実況中継 です!
まさに名前のとおりで、子どもがやっている行動をお母さんが見たまま言うだけです。
食後、ハミガキを始めたら、「おっ!ハミガキしてるんだね~」
お茶碗のお米をきれいに食べたら「ごはん、キレイに食べてる~」
宿題を始めたら「宿題やるんだね~」
これだけでお子さんを肯定していることになります!
肯定されたその行動は子どもに定着していきますので、子どものできることがどんどん増えていきます。
次第に自分で考え、動けるようになっていくと、お母さんの叱る出番がなくなっていきます!
私は、できてることを伝えるだけでいいという、この実況中継を知って、
「あぁ、もうこれからはあれこれ言わなくても済むんだな」と思えて気が楽になりました。
「叱らないぞ!」「褒めよう!」と頑張らなくてもいいことが、気持ちを楽にしてくれました。
お母さんが頑張らなくても伝わる褒めテクで、うざい口出しを減らし、叱らずに済む生活を手に入れちゃいましょう!
子どもの上手な褒め方のコツをお伝えしています!
執筆者:津森あかね
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)