
娘は現在、小学校低学年です。 普段から完璧主義の傾向がある娘が小学校でのテストの点数にこだわるようになりました。テストの結果が何点であっても、受け入れ次へのステップに繋げていく方法はありますか?
8歳・女の子のママ

完璧主義のお子さんがテストの点数にこだわるというのはよく耳にします。100点ではないときに、良い方向で気持ちの切り替えができたら良いですよね。今回は、我が家で実践しているテストに関する緩和方法をお伝えします。
発達科学コミュニケーションリサーチャー みずおち梨絵
【目次】
1.テストの点数にこだわり続けることで懸念されること
小学校入学と同時に学習が始まり、一つの単元が終わる頃に必ずついてくるテスト。
低学年でも国語と算数のテストなどは幾度となく受けてきているのではないでしょうか?
テストは理解度を示すものなので、100点であれば理解しているもの!とみなされるのですが、内容というよりも、その100点という数字にとらわれてしまうことが多くあります。
特に完璧主義の傾向があるお子さんにとっては、100点を取ることに強い意味を見出してしまうのです。ですので、100点でなければ自分はダメなのだと落ち込んでしまうことも。
学校の先生においても、100点のお子さんには返却時に褒めながら返している場合も多いかと思います。その姿を見ていることもあり、子どもたちはどうしても100点という数字にこだわってしまう傾向があるのです。
とはいえ、点数が100点だったら誰だって嬉しいですし、こだわって当然のこととも思います。実際に、テストにおいての理解度の確認はテストをやり点数を出して示すより他、現状では難しいのかもしれません。
家庭でも、100点の答案用紙を持ち帰ったお子さんのときだけをたくさん褒めたり、認めたりとしている場合も多くはないですか?

しかし!その対応、ちょっと待って!
完璧主義の傾向があるお子さんには、100点という数字に親がこだわってはいけないのです。完璧主義の傾向を緩和させたいのであれば尚のことです。
100点ではなかったときが、完璧主義の緩和のチャンスです!
低年齢のうちから完璧主義が板についてしまうと、成長するにつれてその傾向は強くなるばかり。今後、その気質が子どもの心を苦しめてしまうことが懸念されます。
だからこそ、早めの対応が鉄則なのです。
ではどのようにしたらよいでしょうか?
今回は我が家が実践している子どもの完璧主義、特にテストの点数に注目して緩和する声がけの方法をお伝えします。
2.いつも100点の点数を取ることにこだわった娘
ここで我が家の娘の話しをさせていただきます。私にも小学校低学年の子どもがいます。
できるか?できないか?は別として、気質的にはなかなかの完璧主義の傾向の持ち主です。私も娘と同じ気質を持っている方なので、自分自身、生きづらさを多少なりとも感じて今まできました。
ある学期の終わりに差し掛かった頃、娘の学校では成績表の参考になるべくテストが多くありました。同時に返される答案の数も毎日何枚あったことでしょうか?
有難いことに、理解をしているテストに関しては100点の花丸がついた答案が何枚かありました。しかし、100点ではない答案ももちろんあります。
100点ではない答案を出したときに娘が、「100点じゃなかったら意味がないのに…」と呟いたのです。
我が家では、答案が100点だろうと、100点ではなかろうと頑張った結果には変わりありません。これまでどちらも同じように認め、誉めてきたつもりでいました。

しかし、娘にはそれが届いていなかったのです。
なんと、100点がとれなかった日は涙を流すこともありました。
娘の悔しい気持ちはわかります。しかし、これをそのまま放っておくのは、今後ますます娘自身の完璧主義の傾向が強くなるのではないかと思いました。
そこで、私の100点というものに関する気持ちを話すことにしました。この素直な気持ちの関わりが娘の完璧主義の傾向を緩和させることへ役に立ったのです。
次項で説明します。
3.点数より重要なことを教えれば完璧主義は緩和される
テストは点数で全て評価されるので、点数が重要なことはわかります。
しかし、これからの子どもの長い人生、点数なんかで縛られてほしくない。
ですので、娘が持ち帰る答案で100点でないものへの関わり方を家庭内で徹底することにしました。
例えば、60点だったとします。間違いなく完璧主義の傾向のある子なら落ち込む点数でしょう。しかし、大丈夫です。
「わからないことをそのままにするのはダメだよ!もう一度理解すれば、最初から100点だろうが、後から100点だろうが皆一緒!」
間違えたところを再度理解し直す!というところに繋げるのがテストをする本来の意味だと思うのです。
だから正直、点数なんてどうでもいい!もう一度理解すれば、結果100点です。いえ、100点以上かもしれません。ここを根気よく伝えていきます。
点数ではなく、本当に重要なことを伝えていくことで、子ども自身が点数にこだわらなくなってきます。そして、間違えても直せば良いんだ!理解するチャンスがもらえたんだ!という考え方になってくるでしょう。
ここでしっかり理解をすれば次は間違えなくなる!ここが重要です。
この考え方を作ってあげるのは、家庭での声がけに他なりません。毎回徹底して実践することで、我が家の娘も点数には本当にこだわらなくなりました。
もちろん100点だったときにはめちゃくちゃ喜んでいます。しかし、点数が低いときも、直せば良いもんね!ここが分からなかったんだよねー!などと自己分析までするようになりました。

大切なのは点数ではありません。点数より重要なことがあるということを早いうちから教えてあげてくださいね。
長い人生、この考え方ができる方がとても大切!完璧主義は疲れるし、自分を苦しめてしまう要因にもなるので、早いうちにバイバイしましょう!
こちらの記事でも、完璧主義を和らげる対応をお伝えしています。また違う視点からお伝えしていますので、あわせてチェックしてみてください。
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)