病院で発達障害の診断がついたことで適切な支援は受けられていますか?診断だけでは解決しないことがあります。ママ小児科による子どもへのぴったりな対応がわかるママカルテを紹介しますね。
【目次】
1.発達障害の「診断」がつくことで変わること
私は発コミュトレーナーとして、小児科医として、子育てに悩むママとお話しする機会がたくさんあります。
以前個別相談に来てくれたママがこんなことを話してくれました。
このママには2人のお子さんがいて、2人ともほぼ同時期に発達障害の診断が出ました。
学年が上がっていくにつれてしんどさが増していくお兄ちゃん。入学を控えた弟くん。
2人の理解できない行動に振り回されながら、2人分の子育てに走りまわっていたママは当時のことを振り返ってこんなことを話してくれました。
「診断がついた時、先生が『早くにわかってよかったですね』って言ったんです。本当に良かったなの?って思いました。
なんで、親は診断をすぐに受け入れられるのが前提で話すんだろう。すんなり受け止められない私がおかしいのかな、って思いました。」
「診断名」の受け取り方は、親であっても、医者であっても様々だなと感じています。
子どもにしっかり診断がついたから、理解できない行動の理由がわかってスッキリした、という方もいれば、診断がついたらわが子と診断名をセットで考えてしまって本当のわが子の姿をまっすぐ見られなくなってしまった。という方もいる。
例えば、園や学校の先生の中にも、「〜くんは注意欠陥多動性障害(ADHD)だからこんな風に対応しました」っておっしゃる方もいますが、「診断」ってそういう風に使うんじゃない!そう思うんです。
私が、医師として診断名をお伝えする時に必ず伝えていることは「診断名がついたからってお子さんが変わるわけではない」ということ。
変わってしまうのは周りにいる私たちの心です。診断名がついたお子さんに対してどう関わっていくのか。どう理解していくのか。
お子さんに診断名をつけたことが良かったのか。悪かったのか。それは周りの人の心の持ち方1つでどっちにも転ぶんです。
2.受診したら全ての問題が解決するわけではない
先日、私のところに相談に来られたのが小学4年生の男の子。小さい頃から発達がゆっくりしていて実年齢より1〜2歳ほど遅れていたんです。
就学相談で、通常級だと少し厳しいかもしれない…と支援級も検討されたのですが、家族の反対で断念。
入学後、お子さん本人はすごく頑張っていたものの、学校での勉強や活動になかなかついていけず、ちょっと気になる言動が増えてきたとのことで、小1の途中で近所のメンタルクリニックを受診されました。
知能検査をしたところIQが少し低めで「知的境界域」と言われたそうです。
ですが、そこの先生は検査結果を渡され、「発達障害じゃないですね」と具体的な支援の手立てを教えてくれなかった。
その結果、学校でも家庭でもほとんどなんの支援も入らないまま2年が過ぎたんです。
小3になったその子は、地域の工場の窓ガラスに石をぶつけて割ってしまい警察沙汰になりました。
それをきっかけに、お母さんは「やっぱりなにかあるんじゃないか」と思って、再度その病院を受診したそうです。
そしたら、話を聞いた先生が一言、
「診断はつかないって前回も言ったけど、なんでまた来たの?」
そうして、なにもせずにトボトボと帰ったんだ、ってお母さんが涙を浮かべて話してくれました。
私がお話を聞いた限り、確かに明らかな発達障害の特性は見られない。どっちかっていうと知的な発達がゆっくりめな男の子。
「発達障害」の診断はつかない。その先生の言葉は間違いじゃない。
だけど、だったらなんのために検査したの?
この子の生きづらさを2年間も放っておくことになっちゃったの?
心の中で、どうしても怒りがおさまりませんでした。
そのママは、「私、この子には期待しないって決めたんです。だって、期待してしまうとまた怒ってしまうから」そんな風におっしゃっていました。
お母さんにこんな風に言わせてしまう。診断って、検査ってなんなの?心からそう思いました。
小児科医であり、発達凸凹キッズの母親である私は、必ずしも発達の問題=受診とは思っていません。
なぜなら、受診したら全ての問題が解決するってことはないからです。
むしろ病院で自信をなくして帰っていく親子もいることを知っています。
私自身、長男の就学前に「診断がついていた方が適切な支援を受けられるはず!」と思って受診し、注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断を受けましたがな〜んにも変わりませんでした。
今思えば、あの診断はなくてもよかったな、って思うほどです。
3.子どもとママにぴったりな対応がわかる「ママカルテ」
「病院」で悩まされる親子のために、会うだけで元気が出ちゃう!自信がつく!そんなどこにもいない親子の味方のドクターが森博子です。
ママカルテを開発した今は「診断名は絶対必要なわけじゃない。それよりも、本当のこの子の姿とママの姿を見ていこう。
ぴったりあった対応ができたらお子さんも、そしてママも生きやすくなるよ!と大きな声で伝えられるようになりました。
詳しくは、電子書籍に書いてあるので、子育てに困っている方は、ぜひ読んでくださいね。
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執筆者:森博子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)