生きづらそうにしている、辛い思いをしている発達障害のわが子に何をしてあげたらいいの?と悩んでいませんか?大切なのは普段から親子でコミュニケーションをとることです。子どものタイプに合わせたコミュニケーションができるようになるママカルテをご紹介します。
【目次】
1.子どもが幸せかどうかはどうやって決めるの?
2.「親だから」子どものことはよくわかってる!それホント?
3.親子のコミュニケーションが発達障害の子どものQOLを上げる
4.親子コミュニケーション!がふえる声かけとは?
1.子どもが幸せかどうかはどうやって決めるの?
現役のママ小児科であり、発達障害の子どもを育てている私は、自分の対応が正しいのかどうか悩んでいました。
そこで親子が幸せになりわが子の人生の羅針盤になるような診断が欲しいと、親子の未来を創る発達診断「ママカルテ」を作りました。
そして、その企画を作り上げる過程で膨大な数の論文や書籍を読んできました。その中で、1つの疑問に突き当たったのです。
それは「子どもたちはどうなったら幸せになったって言えるんだろう?」という謎。
もちろん、幸せの定義は人それぞれだから、違って当たり前なのですが、わが子が今幸せかどうかはどうやって判断するんだろう?って疑問だったんです。
研究を進めていく中で出てきたワードが「QOL」Quality of Life(生活の質)というキーワードです。
日本は、世界有数の「子どもの自尊感情」(子どもが自分のことを大切だと思う気持ち)が低い国です。
だから、子どものQOLについては実にたくさんの研究がなされています。
そんないろいろな研究を見ていてなるほど!と納得したことがあるんです。それは、注意欠陥多動性障害(ADHD)のお子さんのQOLについての研究。
その子はお薬による治療を開始したんですが、お薬を始める前のQOLの値に比べて、お薬を飲み始めた後のQOLの値が低くなったんです。
親から見ても、学校の先生から見ても、ADHDの症状はお薬を飲み始めて改善しているのに、本人が答えた「自分自身のQOL」は下がっていた。なぜだと思いますか?
この研究では、お薬を飲み始めたことで本人が周りを見る力が育ち、集団の中での自分の価値を低く見積もるようになった結果、数値が低く出たのではないか、そう結論づけていました。
つまり、ADHDの治療をして症状は改善傾向になったのに本人の感じる生きづらさは増してしまったということ。
この結果から「ADHDの治療って誰のためにやるんだろう?」と疑問に思ってしまったのです…
そしてそれ以上に、「発達障害の診断がつかないグレーゾーンの子や年齢が上がって自分のことがわかるようになってきた子たちがよりしんどくなる」という、発達凸凹のお子さんでよく見られる現象も説明がつくなあ、と感じたのでした。
病院に行っても、相談に行っても「様子を見ましょう」と言われてしまうわが子。だけど、生きづらそうにしている辛い思いをしているわが子。
こんなわが子に何をしてあげたらいいの?と悩む多くのお母さんたちに私は出会ってきました。
特に日本は、年齢が上がれば上がるほど、診断がつかないために適切な支援を受けられないことが多い国です。
診断がつかない=生きづらさが軽いでは絶対にないはずなのに、そこをサポートする支援がすっぽりぬけています。
2.「親だから」子どものことはよくわかってる!それホント?
発達凸凹キッズではその特性の影響で家族や友達との関係や学校での過ごし方に課題を抱えることがあります。
ですが、子どものQOLって、子どもの心の中にあるもの。だから目には見えません。
わが家の小4ADHD長男にも学校トラブルがありました。
母親の私が息子に対して持っている認識と息子が置かれている現状が全然違ったことで、うまくサポートができなかったんですよね。
その、子どもが心の中に抱えて外から見えない課題を私たち母親はわかっているのかな?
悲しいすれ違いがおこってはいないかな?いかがでしょうか?
そこで、小学生・中学生が自ら回答したQOLと親が回答したQOLの違いを検証した研究をご紹介して、どうすれば、そんな悲しいすれ違いが起こらないかを考えてみたいと思います。
研究の結果を一言で言うと、「子どもが自分で回答したQOLスコアの方が親が回答した子どものQOLスコアより低い」と言う結果になった親子にはある特徴がありました。
それは何かと言うと、「子どもの回答するQOLスコアが低いこと」つまり、子ども自身が「自分はあまり幸せではない」と思っているお子さんほど親がそのことに気がついていない、と言うことなんです。
いくつかあるQOLの項目の中で特に低かったのが「自尊感情」のスコア。
QOLの全体の総得点が低いお子さんのほとんどが、学校、友人関係に悩んでいて自己評価が低かったのに比べて、親の回答では「身体症状」(頭が痛いとかお腹が痛いなど)のみを心配していることが多かったんです。
このような状態だと、「お母さんはどうせ自分のことなんかわかってくれない」と思ってしまい、さらに子どものQOLを下げてしまう可能性があります。
さらに、例えば「頭が痛い」「お腹が痛い」って学校に行き渋るわが子を小児科に連れて行っても 小児科医も、頭痛薬や整腸剤など、身体の症状を改善させる対応で解決しようとしたり、「身体は大丈夫。心配ないですよ」と言い切ってしまう。
そうなってしまうと、子どもの心の問題は、行き場がなくなってしまいますよね。
こんなしんどい想いをしたことがあるママもいるんじゃないかな?
今、まさに「しんどい」と思っているお子さんほど、そのしんどさを親がわかってあげられていない、そんな子が多いというこの事実。
3.親子のコミュニケーションが発達障害の子どものQOLを上げる
実は、「子どもが普段家で学校のことをよく話すかどうか」という保護者に対する質問に「たくさん話す」と答えたご家庭ほど子どものQOLが明らかに高いことがわかったんです。
子どものQOLは、身体の健康、心の健康、自尊感情、家族、友達、学校生活といった6項目についての質問に、子ども自身が回答することで導き出されます。
研究の結果、「子どもが学校のことを家でもたくさん話しますよ〜」というご家庭では「あまり家では話しません」というご家庭と比べて、全ての項目について子どものQOLが高く出たんです。
そう!大切なのは親子のコミュニケーション。
普段から親子でコミュニケーションをとることが子どもの心身の健康の維持のためにとっても重要である。そのことが証明された研究でした。
発達凸凹キッズは、定型発達のお子さんと比較してQOLスコアが低いことが多く、特に二次障害が起こるとさらにQOLが低下することがわかっています。
だからこそ、子どもたちと積極的にコミュニケーションしていかなくちゃ!
そう思ったママたちがやってしまいがちなのが「質問攻撃」
「今日学校どうだった?」
「今日先生と何話したの?」
「今日お昼休み何して遊んだ?」
「今日どんなお勉強したの?」
こんな風に矢継ぎ早に、しかも、喜んで答えたい!と思えないような質問を浴びせかけてしまう。
これは、子どもの言葉を余計に減らしてしまうかもしれないNG行動なんです。
私がお伝えしている発達科学コミュニケーションでは一番初めに「子どもを肯定する声かけ」を学びます。
それは、子ども自身が「自分は受け入れてもらっているんだ」と感じることができるから。
ただたくさん話すことイコールコミュニケーションではない。
まずは、子どもが「お母さんにお話聞いてほしい!」と思えるような雰囲気を作っていきたいですね。
4.親子コミュニケーション!がふえる声かけとは?
じゃあどうやったら、話してくれるようになるのか。
具体的には、子どもがやっていることに興味や関心をしめしたり、できていることに注目してほめたり、肯定の声かけをしていきます。
「〇〇くん、それなーに?」
「おもしろそうだね」
「こんなにできたんだね。」
「〜〜しているんだね」
また、子どもが話しはじめた時には、そのことを否定せず、「そうなんだねー」などと、笑顔で共感しながら聞いてあげてください。
すると、お母さんにわかってもらえたと自信がつき、「お母さんにお話を聞いてほしい!」にかわってきますよ。
私がお届けしていく「親子の未来診断」では、お子さんが本当はどんな話をお母さんとしていきたいと思っているのか。そんなお話もさせていただきます。
子どもの「ホンネ」を知ることで、お母さんが子どものタイプに合わせたコミュニケーションをとることができるようになる。
そして、親子の未来診断を受けることでお子さんに「こんな近くに、世界一の味方がいただんだ」って気がついてほしいから。
今、日本で受けることができるどんな「発達診断」よりも親子を幸せにすることができる「未来診断」をお届けしていきますね
詳しくは、電子書籍に書いてあるので、子育てに困っている方は、ぜひ読んでくださいね。
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執筆者:森博子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)