就学相談を受けるかどうか迷っている発達障害・グレーゾーンの幼児のお母さん必読!現役スクールカウンセラーさんに、就学相談を受ける判断基準をお聞きしました。本記事を読んでいただき、ぜひヒントにしてくださいね! |
【目次】
1.「就学相談」って、何をするの?
今回インタビューをさせていただいた渡辺カナさんは、スクールカウンセラー歴7年、3人のお子さんを育てながら働くママです。発達科学も学び、専門性を高めていらっしゃる臨床心理士さんでもあります。
そんな経験豊富な渡辺さんに、就学相談について聞いてみました。
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――就学相談は、具体的にどんなことをするのでしょうか?
「まずは、保護者が申込みをして、教育委員会の方と個別で面談を行います。
面談で聞き取りをし、お医者さんに診てもらったり、心理士から検査をしてもらったりして(公的な支援を受けるのであれば、客観的な情報が必要です)、再度教育委員会で審議し、どこに入るのかを決めていくのが一般的な流れです。
自治体によって、異なる部分もあるかもしれませんので、ご自身の住む地域ではどうなのか調べてみてください。教育委員会に問い合わせるのが、確実です。」
2.就学相談を受けることのメリット・デメリット
――発達特性があっても、支援級(特別支援学級)に行くほどでもないかな?というケースでも就学相談を受けるメリットや目的はありますか?
「地域によって、情報をどう活かしていくのかは違うと思いますが、入学先の学校にお子さんの特性についての情報がいくのは、メリットだと思います。
もしかしたら、クラス決めの際や、担任の先生を配慮してもらえる可能性もあります(必ずしも配慮してもらえるわけではありません)。
また、相談をすることによって、専門家から自分の子どもを客観的に見てもらえるのもメリットですね。親が『この子は集団生活に問題ない』と思っていても、専門家から見たら『小学校での集団生活がしんどいかもしれない』というケースもあります。
たとえば、のびのび系の園だと、特性が目立たなくて苦労してこなったものの、進学先の小学校がガチガチ系だったりすると、馴染めなくて自信をなくしていくこともあり得ます。
あとは、就学相談を受けることで、自分の知らなかった自治体の支援策の情報を得られる可能性がある、というのもメリットですね。」
――逆に、就学相談を受けることのデメリットはありますか?
「とくに大きなデメリットはありませんが、面談したり専門家にみてもらったりするので、それなりの時間と労力はかかります。」
――スクールカウンセラーさんや学校の先生の立場だと、就学相談を受けている/受けていないで入学後の支援が変わってきますか?
「全く情報がない状態よりは、事前情報があったほうがいいです。療育に通っていたとか、得意・不得意がわかっていれば、対応しやすいですね。」
3.少しでも迷いがある場合は、就学相談を受けましょう
――発達凸凹の子どもたちの進学先として、普通級(普通学級)か、支援級か、通級利用か悩んでいるケースがあると思います。親の方針が決まっていなくても、就学相談を受けた方がいいでしょうか?
「少しでも支援級や通級を利用する可能性があるのであれば、受けておいたほうがいいと思います。
どうしても支援は、自治体によって差が出てきてしまいます。
ここの自治体で受けられたものが他では受けられないということもありえますし、お友達の通っている小学校での支援を自分の子も受けられると思っていたら、受けられなかったりします。
情報収集の意味でも受けるのはよいと思いますよ。」
――最後に、こういう場合は就学相談を受けなくてもいいということはありますか?
「すでにお母さんのなかで決意されていて、支援級や通級は必要ない、普通級でいく!『学校での支援は必要ない』と思っているのであれば、受けるメリットはないと思います。
グレーゾーンのお子さんはたぶん、おうちでお母さんが対応してあげるだけで、学校で楽しく過ごせる子もいると思います。
お母さんがおうちでしっかりと対応できるのであれば、必ずしも受ける必要はないのではないでしょうか。」
――なるほど。お母さんが、「私がしっかりやるので大丈夫」と決めているのであれば受けなくてもいいけれど、少しでも心配なら受けておいたほうがいいということですね。
「そうですね、支援級や通級を視野に入れていたり、少しでもお子さんの特性で学校生活に心配があるようならば、受けておいた方が安心だと思います。」
――ありがとうございました!
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私自身も来年就学を迎える子どもの母として、就学相談を受けるかどうかに迷いがありました。実際にお話を伺い、判断基準がよくわかりました。
完全に普通級でいくか、他との迷いがあるのか、この2つの選択肢でシンプルに考えるのがポイントになりそうです。
「就学相談」という選択肢を選ばない場合にも、就学前にやっておいてほしいことがあります。それは、お母さんが発達サポートのトレーニングを受けることです。
今サポートがうまくいっている、いっていないに関わらず、お母さんがきちんと発達サポートのトレーニングを受けることで、この先も家庭でしっかりとお子さんを支えていくことができますよ。
*後編、「就学準備について」のインタビューはこちらです。
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執筆者:須藤ゆかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)