学校ではくり返し字を書く宿題が出ることもありますよね。何度書いても覚えない…。やる意味があるのか分からないという親御さんもいると思います。いくらやっても効果を感じない場合、別の視点からのアプローチが必要になります。その一例をご紹介します。
【目次】
1.漢字練習が合わない子どももいる
新学期が始まり、まもなく1ヶ月が経ちますがお子さんの様子はいかがでしょうか?
新1年生のお子さんはいよいよ、ひらがな、漢字、数字をノートに書いたり、プリントに書いたりする機会も増えていきますよね。
学年が上がると、漢字はどんどん難しくなり覚える量も増えていきます。
新学年になってまだ1ヵ月ですが漢字の宿題が進まずしんどいな~と思っていらっしゃるママも多いのではないでしょうか?
学年が上がると書く量が増えるのはもちろんなんですが、ノートのマス目が小さくなったりもします。
先生によってはマス目に字が収まっていないと「枠からはみ出さないように書いてね」などの指摘をします。
子どもにとっては書き直しをさせられたり注意されることで字を書くこと自体が窮屈に感じてしまうこともあります。
しかしママはそんな子どもをよそ目に
「ちゃんとやらせなきゃ!」
「マス1つに1つの文字を書くようにさせなきゃ!」
と思ってしまい、「ちゃんとやってよ!」と親子バトルに発展することになってしまいますので注意が必要です。
新学期は新しいことを習う時期でもありますので、授業の中身に興味を持って勉強をしてもらいたいのに、余計なところで勉強する気力を削ぐようなことはしないようにしていきたいですね。
お子さんだってきれいに書けるのなら書いているはずです。
しかしそれができないから漢字を書くのが嫌になってしまう。裏を返すと困っているとも言えるのです。
2.漢字をうまく書けない理由とは?
そもそもなぜ漢字がうまく書けないのでしょうか?
漢字の学習方法というと昔から繰り返し書くことが一般的ですが、実は漢字が苦手という子どもに一番関係しているのは「見る力」です。
発達凸凹キッズはこの見る力が弱い傾向にあり、字が汚くてマスに収められない、漢字のバランスが悪い、漢字をパーツごとに捉えられないなどといった困りごとがあり、漢字の苦手につながっています。
では、この見る力とは何かというとたくさんの情報の中から大事なものを素早く見つける力のことで、簡単に言うと「見て選ぶ力」です。
この力が弱いと、
・新しく習った漢字が、過去に習った漢字の組み合わせでできていると捉えられず覚えられなれない
・板書がスムーズにできない
・文章をスラスラ読めない
・探し物ができずに自分の持ち物の管理ができない
などといった困りごととして出てきます。
では、この困りごとを減らすためには、一体どのようなことができるでしょうか?
漢字が書けないからといって漢字の練習をしていてもあまり意味がありません。
もっと手軽に、その上子どもが楽しめるようなトレーニングがあるといいですよね。
では次に楽しんでやれるトレーニング法をお伝えしますね。
3.どこでも簡単にできる「見るトレ」をやろう!
「見て選ぶ力」をつけていくために、親子で楽しみながら、ゲーム感覚でできる「見るトレ」をおすすめします。
今回はすぐにでもできる見るトレをご紹介しますので早速やってみてくださいね!
ママが特別な時間や道具を使うことなく、子どもにも負担のないように毎日の声かけで見る力を育てるトレーニングです。
ズバリ!!
「○○を探してね!」
という見るトレです。
例えば、片付けをする場面の時は、「片付けなさい!」と言いたくなりますが、そこを「○○を探してね!」に変えて声をかけるようにします。
「黄色いブロックを探してバケツに戻そう。」
「机の上にある鉛筆を筆箱に戻そう。」
たくさんある中から、お母さんが1つの物に対して指示を出し、子どもに探してもらいます。
そうすることでじっくりと注意深く見る力がついていきます。
また、スーパーなどに買い物に一緒に行った時には、「もう!うろうろしないの!」と言いたくなりますが、ゲーム感覚で探してもらう見るトレに変えちゃいましょう!
飲み物のコーナーなら、「いつも家族で飲んでいる赤いパックの牛乳を探してね」
調味料コーナーで、「こしょうを探してね」
パンコーナーでは、「ぶどうの入ったパンの袋を探してね」
など、買いたい物を探してもらうミッションを子どもに与えてみましょう。
これだと退屈になったりふざけてしまったりすることもなくなり、兄弟で協力して探してくれたりもします。
このトレーニングを継続していくと、
・じっくり集中して見る力がつく
・丁寧に字を書くことができるようになる
・学習に集中できるようになる
・落ち着いて物事を考え行動できるようになる
・忘れ物が減り、先生の話も集中して聞けるようになる
などたくさんの効果が期待できますので、是非楽しんで日々の生活の中で、見る力を鍛えてみてくださいね。
見る力で子どもの困りごとを解決していきましょう!
執筆者:こばやしひとみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)