発達障害の子どもが遊びに夢中でお風呂に入らない。何度「お風呂に入ろう」と声を掛けても、子どもが行動を切り替えてくれない…困っていませんか?子どもが次の行動にサッと移るには、環境を変えることがポイントです!そのヒントをお伝えします!
【目次】
1.発達障害の子どもが遊びに夢中でお風呂に入らない…困っていませんか?
2.遊びに夢中の子どもの耳にはお母さんの声かけが全然入っていません
3.子どもがお風呂にサッと入れようになる環境のヒント
①子どもに近づいて!
②笑顔で目と目と合わせて!
③おもちゃを見えなくして、優しい声をかける!
1.発達障害の子どもが遊びに夢中でお風呂に入らない…困っていませんか?
発達障害の子どもに「お風呂に入ろう」と声をかけても遊びに夢中で動かない…そんなお風呂バトルに困っていませんか?
何回も声をかけているのに「わかった」と言うだけで、全くお風呂に入る気配はなし。
だんだんと声をかけているお母さんもイライラしてきますよね。ついに「何度言ったらお風呂に入るの!」と怒ってしまうこともあると思います。
我が家には発達障害・ADHD(注意欠陥多動性障害)の息子がいます。夕方になるとこのようなお風呂バトルを繰り返していました。
遊んでいる息子に「お風呂の時間だよ」と声をかけても返事がない。
その後、3回くらい同じ声かけをすると「わかった」と言うけれど遊び続けている。
お風呂に入らない息子に「お母さんの話、聞いてる?」と詰め寄ったこともあります。
なかなか遊びをやめれない息子が、どうしたらサッと動いてお風呂に入ってくれるのか、試行錯誤の毎日でした。
2.遊びに夢中の子どもの耳にはお母さんの声かけが全然入っていません
発達障害の子どもは特性から行動を切り替えることが苦手です。そのため、何度声をかけてもお風呂に入らないのです。
そのため、好きな遊びに夢中になっている時に、その行動をやめて「お風呂に入る」という行動をすることは難しいのです。
また、お母さんはキッチンから大きな声で「○○君、お風呂に入るよ!」と声をかけていると思います。
そのように声をかけて、子どもが「わかった」と返事をしたとしても、実は子どもの脳にお母さんの声は届いていないのです。
理由は、
お母さん:「お風呂に入るよ」キッチンから大きな声で話しかける
↓
子ども:遊びに夢中の子どもは聞きたくないので耳をシャットダウンしている
↓
お母さん:返事がないのでもっと大きな声で「早くお風呂に入りなさい」と言う
↓
子ども:お母さんはキッチンにいるので顔が見えずにいまいち伝わっていない
↓
お母さん:「何度言ったら入るの!」と怒鳴る
↓
子ども:お母さんが怒っているとわかり「今から行く!」と怒って反応する
子どもは自分に言われている意識があまりなく、最後は怒っているので行動に移すことが難しくなっています。目の前にあるおもちゃも気になって、切り替えることができません。
このような会話では、お母さんがいくらお風呂に入りなさいとっても、子どもの脳には全く伝わっておらず、子どもの行動が切り替わることはありません。
毎日のことですので、こんなお風呂バトルはもうやめたいですよね。
3.子どもがお風呂にサッと入れようになる環境のヒント
離れたキッチンから、遊びに夢中になっている子どもに「お風呂に入るよ」と大声を出しても、子どもには伝わりません。
お母さんの声かけが子どもの脳に伝わるためには、「伝わる環境を作る」ことが大事になってきます。
◆①子どもに近づいて!
お母さんが立っているキッチンから、子どもが遊んでいるリビングまでに距離がありますよね。
距離があるとどうしても大きな声になり、子どもの脳の処理の時間が長くなったり、聞く耳を持たなくなってしまいます。
そこで、ちょっと面倒ではありますが、子どもが遊んでいるリビングまで足を運びましょう。
そして、子どものそばに行ってから声をかけます。
◆②笑顔で目と目を合わせて!
子どものそばに行ったら、お母さんは子どもの視線までしゃがみましょう。
そして「○○ちゃん」と笑顔で声をかけます。
子どもは名前を呼ばれることで、「あ、自分に言っていることだ」と気づきます。
ここでお母さんと子どもの目と目をしっかり合わせましょう。
◆③おもちゃを見えなくして、優しい声をかける!
おもちゃに夢中になっている子どもはおもちゃが気になります。
そこで子どもの視界におもちゃが入らないように工夫します。
おもちゃをそっと隠すか、子どもの向きを変える、または「お話するからおもちゃを移動させるよ」とおもちゃを移動させます。
おもちゃが視界からなくなったら、優しい声で「お風呂の時間だから、片付けしよう」「お風呂に入ろうね」と伝えます。
すると優しいお母さんの声かけは子どもの脳にしっかり届きます。
子どもの脳に届けば「お風呂に入るんだ。片付けをしよう!」とサッと行動ができます。
忙しい夕方の時間にこの環境を作ることは、お母さんにとってちょっぴり面倒なことかもしれません。
実は私も近くまで行くことはとても面倒でした。けれど、実際に3つのことをやってみると驚くほどサッと子どもが動きました。
近寄って、目を合わせ、優しく声をかけるだけで、子どもが楽に切り替えができて、お互いにストレスがなくなりました。
結果的に短時間でお風呂に入ることができ、お風呂バトルがなくなりました。
ちょと面倒でも効果が上がる3つの環境作り!ぜひ試してみてくださいね。
発達障害の子どもを育てるお母さんが穏やかに過ごせる方法をお伝えしています。
執筆者:石井花保里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)