もう園や学校に慣れている時期なのに、未だに朝だけメソメソ泣き登園や登校しぶりをしている子どもを見ると心配になりますよね。不安が強い子の脳の中ではある部位が大興奮していることも。そこで今回は、不安な気持ちを切り替える方法をお伝えします。
【目次】
１．登園・登校前の朝だけ泣く子に困っていました
もう園や学校に慣れている時期のはずなのに、朝になると泣いてしまう…そんな登園・登校しぶりの子どもに悩んでいませんか？
実はこれ、脳のある部分が“自動的に泣くスイッチ”を押している状態なんです。
この記事では、【朝だけ泣く原因】と【不安な気持ちをスッと切り替える方法】を、脳科学の視点で解説します。
わが家の息子は入園から卒園まで、登園しぶりや分離不安を繰り返していました。
登園前になると、うつうつ・メソメソ・ときにギャンギャン泣きのオンパレード。
「前は楽しく行けたのに、どうしてまた泣くの？」そう思って、「大丈夫！」「行けば楽しいよ！」と声をかけても、まったく届かない日々が続きました。
園では楽しそうに遊び、お迎えのときはニコニコしているのに、出発前の朝の時間だけがしんどい…そんな時期が長く続いたのです。
しかし、幼稚園年長のときから発達科学コミュニケーションでの学びを実践していくうちに、分離不安は少しずつ改善。小学生になった今では、落ち着いた朝時間を過ごせるようになりました。
わが家の事例を参考に、次章から出発前になると泣いてしまう子の脳の状態と、その状態から抜け出す方法を具体的に紹介していきますね。
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２．なぜ園や学校に行く前に泣くの？子どもの脳の仕組みとは
そもそも、「朝になると泣く」子どもの脳の中では何が起きているのでしょうか。
実は、不安が強い子の脳では扁桃体（へんとうたい）という部位が大興奮しています。ここは感情を司る脳のスイッチで、危険を察知すると反射的に「逃げよう！」と反応する働きがあります。
不安が強い子というのは、扁桃体の働きが特徴的で、少しの刺激でも過剰に反応しやすい傾向があるのです。
扁桃体が敏感なタイプの子は、たとえ園や学校が「楽しい場所」でも、
「今日うまくできるかな…」
「ママと離れるのが不安…」
というちょっとした刺激に防衛反応が起こりやすいのです。その結果、なんかイヤ…なんか怖い…という漠然とした不安が暴走し、涙やメソメソという形であふれ出してしまいます。
さらに、この「朝泣く」反応が習慣化してしまうと、本人も意識せずに自動的に泣いてしまうことがあります。
そのため、「頑張って！」「何がイヤなの？」と声をかけても、感情の脳が興奮している状態では、言葉が届きにくいのです。
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３．笑顔で「行ってきます」を叶える！不安を切り替える脳科学的アプローチ
そんな暴走中の感情の脳が優位な状態から抜け出すには、違う働きをする脳に意識を持っていくことが重要になります。
そう！子どもの気持ちを「切り替える」ことをしてあげたらいいのです！
わが家では、身体を動かすこと＝運動系の脳エリアに意識をスイッチしていくことで、メソメソ状態から上手く切り替えるようにしていました。
例えば、息子が幼稚園～小学校２年生の頃は
・相撲
・レスリングごっこ
など、当時息子がハマっていたこともあり、全身で思いっきり動く活動を取り入れたり。
・ゆび相撲
・にらめっこしましょあっぷっぷ
などで、思いっきり勝たせていい気分にさせてあげると気分が切り替わることがありました。
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小学校３年生の今は、「ドキドキの大きさどのくらい？ギュー（ハグ）で教えて」と言って思い切り力を出させてあげることで、緊張の気持ちを逸らすことができました。
さらに、「わぁ！こんな力が強くなったんだね！」とちょっと視点がズレたコメントをしたところ、「すごいだろう！」と言わんばかりに自信満々になり、不安な気持ちが切り替わりすんなり登校できた日がありました。
深呼吸も感情の脳を鎮める方法として知られていますが、小さな子どもには少し難しいこともあります。ですので、思いっきり力を出す行動の方が切り替えにつながりやすいと実感しました。
その点、身体を動かすことやスキンシップは、安心ホルモン（オキシトシン）を分泌し、脳に「大丈夫」という信号を届けてくれます。
感情の脳に支配されている状態を、身体を動かすことでクールダウン。
これで少し落ち着くと、こちらの声かけも脳に届きやすくなりますし、園や学校での楽しかったことを思い出せたり、今日は何をしようか前向きになる余裕が出てきますよ。
朝の涙の裏には、子ども自身もコントロールできない“脳の反応”が関わっています。無理に我慢させるよりも、「不安を切り替える」サポートで笑顔の朝をつくっていきましょう^^
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朝、学校や園に行く前に泣く子に関してよくある質問（FAQ）
Q1.朝だけ泣くのは甘えですか？
A.いいえ、甘えではなく“脳の不安反応”です。ママに甘えているのではなく、“安心したい気持ち”があふれているだけなんです。
Q2. 朝だけ泣くけど、学校では元気に過ごしているみたい。放っておいても大丈夫？
A.一時的ならOK。しかし、続くなら要注意です。“朝だけ泣く”登校しぶりは、がんばりすぎているサインかもしれません。家で泣けるのは安心の証ですが、長く続くとエネルギー切れにつながることも。少しの時間でも「安心して気持ちを整える時間」をつくってあげましょう。
Q3. 不安感が強いのは、発達障害・グレーゾーンではないかと心配です。
A. 朝だけ強く不安が出る子の中には、「変化に弱い」「感情の切り替えが苦手」といった脳の特性を持つタイプの子もいます。しかし、それは「発達障害」というより、“脳のクセ”のひとつとして考えるのがおすすめです。詳しくはメルマガでお伝えしています。
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執筆者：ひきのなつき
（発達科学コミュニケーションリサーチャー）
（発達科学コミュニケーションリサーチャー）
