「相手の気持ちを考えて」では伝わらない!自閉症幼児の問題行動に対する適切な声掛けとは?

 

自閉症の子どもが、幼稚園や小学校で起こしがちな問題行動。ほかの生徒に手が出てしまったときに、ママや先生は「相手の気持ちを考えて」と注意しがちですが、自閉症の子には伝わりません。その理由と、効果的な話し方をお伝えします。
 

【目次】

1.すぐ手が出る自閉症の子に「相手の気持ちを考えて」と叱っていませんか?
2.「相手の気持ちを考える」ことができない発達段階かもしれません
3.心の理論獲得できていない自閉の子が手を出したらどうする?
①手を出した背景の子どもの気持ちを言語化する
②不適切な行動の注意はシンプルで手短な言葉で

 
 

1.すぐ手が出る自閉症の子に「相手の気持ちを考えて」と叱っていませんか?

 
 
自閉症のお子さんを子育てされているママたち、日々お疲れ様です。
 
 
幼稚園や小学校でお子さんがほかの子に手を出してしまって困っていることはないでしょうか?
 
 
またその時に、ママまたは先生から「〇〇さん(相手の子)の気持ちを考えて」注意を受けていることはありませんか?
 
 
 
 
そのように注意してもまた同じようなことを繰り返して、さらに同じように注意を受けることを繰り返していませんか?
 
 
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2.「相手の気持ちを考える」ことが出来ない発達段階かもしれません

 
 
「サリー・アン課題」「心の理論」をご存じでしょうか?
 
 
課題では、カゴを持っているサリーという人形と、箱を持っているアンという人形を用います。
 
 
この人形を使い、視覚的に人物や物の移動を示しながら、次のようなストーリーを子どもたちに提示します。
 
 
1.サリーはビー玉を持っています。
2.サリーはビー玉を自分のカゴに入れました。
3.サリーは外に散歩に出かけました。
4.アンは、サリーが散歩に出かけている間に、サリーのビー玉をかごから取り出し、自分の箱に入れました。
5.さて、サリーが帰ってきたら、サリーは自分のビー玉を探しにどこを調べるでしょう。
 
 
 
 
この課題では、実際にビー玉が隠されている場所ではなく、サリーが帰ってきたときに、自分のビー玉があると考えている場所を答えます。
 
 
正しい答えは「サリーは自分のかごの中を探す」となります。
 
 
他者の心の中を想像する力のことを「心の理論」といい、「サリー・アン課題」は「心の理論」が獲得されているか確かめるための課題として開発されました。
 
 
「サリー・アンの課題」はしばしば日本でも児童発達診断外来においてよく用いられる簡易検査です。
 
 
「心の理論」は定型発達の子どもは4-5歳で獲得し、この課題を正解することができます。
 
 
しかし、自閉症の子どもは心の理論の獲得が遅れるとされています。
 
 
私の現在小学1年生の息子は、保育園年長時点でこの課題は正解することができず、アンの箱の中、と答えていました。
 
 
この課題が不正解だから即、自閉症と診断されるわけではありませんが、この課題が不正解である、ということは相手の立場を考えることは難しい状態であると考えられます。
 
 
この課題が不正解の子どもであっても、一生できないわけではありません。
 
 
論理構造の理解が進む9歳ころに「心の理論」の獲得が可能になることが多いとされています。
 
 
自閉症の子、特に4~7歳ころの子どもには「〇〇さん(相手の子)の気持ちを考えて」と叱っても伝わらないのは、「心の理論」が獲得されていない可能性が大いに考えられます。
 
 
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3.心の理論獲得できていない自閉の子が手を出したらどうする?

 
 
では、「心の理論」が獲得できていない自閉症の子が、ほかの子に手を出してしまったときはどのように声かけをしたらよいでしょうか?
 
 

◆①手を出した背景の子どもの気持ちを言語化する

 
 
子どもがほかの子に手を出してしまったときには 、その背景に言語化できていないなんらかの子どもの気持ちが隠れています。
 
 
その気持ちを周囲の大人の人は言語化してあげましょう。
 
 
例えば友だちに次々と体当たりする行動が見られたときには、「待ちくたびれちゃったのかな?」「並ぶ場所がわからないのかな?」と声をかけます。
 
 
「相手の気持ち」ではなくて、「ぼく(わたし)の気持ち」に目を向けてあげること、適切に表現できていない部分を言語化してあげることは効果的です。
 
 

◆②不適切な行動の注意はシンプルで手短な言葉で

 
 
自閉症の子は、安定した精神状態で、見通しのはっきりした環境においては、適切にルールを守れます。
 
 
ほかの子をたたく、体当たりする、などの行動がよくない行動であることは、幼児以上の子であればわかっていることが多いです(ただし個人差はあります)。
 
 
こうした行為について怒られるということは、本人にとっては「わかっていることでわざわざ怒られる」という、一番気持ちの良くないことなのです。
 
 
不適切な行動の指摘は短い言葉で、シンプルに伝えて、本人の気持ちの代弁にエネルギーを注ぎましょう。
 
 
気持ちが素直になれば、やったことがまずかったことに自ら気づき、謝りに行くこともできますよ。
 
 
 
 
小学校に入学したての頃は息子はクラスメートに毎日のように手を出し、先生からは「たたかれた〇〇さんはどういう気持ちかな?」という声掛けがされていました。
 
 
授業参観などで行動観察をすると、息子の問題行動は、見通しのわからず不安が強くなった時に起こっていることがすぐにわかりました。
 
 
「心の理論」は未獲得であることと、上記の方法、見通しがわからない不安な息子の気持ちを伝え、「次に何をすればいいのかの見通しがわかるような声掛けをしてほしい」と伝えました。
 
 
担任の先生は、すぐに実践してくださり、問題行動で電話がかかることはその日以降はぴたりとなくなりました。
 
 
「心の理論」は叱って獲得できるものではありません。
 
 
自閉症の子においては、「心の理論」の獲得は気長に待たなくてはいけない部分です。
 
 
「相手の気持ちがわからない」は「不適切で減らしたい行動」ではなく、「まだできない行動」であると知るだけで、ママである私たちも適切に子どもたちに声掛けできるようになりますよ。
 
 
参考にしてみてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:いぬいまき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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