人と話すことが苦手な発達障害のお子さんにお悩みのお母さんはいませんか?子どもたちが大好きなYouTubeで語彙力も会話力も伸ばすことができちゃうんです!悪役にされがちなYouTubeの活用法、我が家の秘策をお伝えします。
【目次】
1.人と話すことが苦手な子どもを心配していました
2.発達障害の子は「自然とできるようになる」はありません
3.子どもの好きなことで言葉を伸ばす!YouTubeの活用法
①共通の話題で会話を増やす
②YouTubeが先生に
4.YouTubeは悪者じゃない
1.人と話すことが苦手な子どもを心配していました
境界知能と診断がついている言語の発達がゆっくりな現在小学4年生の息子がいます。
息子は全体的に発達がゆっくりなため集団指示が苦手だったり、行動の習得に時間がかかったりといろいろな苦手さを抱えています。
息子の一番の困りごとは言葉の弱さから気持ちを伝えられないこと、周囲との会話のコミュニケーションができず人と話すことが苦手なことでした。
私はその苦手さを少しでも克服したいと考えていました。
当時、小学3年生だった息子は自分の好きな分野で覚えたことはペラペラと一方的にしゃべるものの、私や周囲の人が声をかけたり、質問をしても
「わかんない」「うん」「やだ」などとほぼ一語で答えるだけで会話になってはいませんでした。親の私が息子の話を聞こうと耳を傾けることで、やっと内容が理解できる程度でした。
月に1回、言語のリハビリに通院していてそこでの言語聴覚士の
「短い言葉でわかりやすく話をするといいですよ。」
「選択肢を出して選ばせるのもいいですよ。」
などのアドバイスを聞いて、家での会話を実践する日々でした。
私は息子の語彙を増やそうといろいろ話しかけたり、試すような質問をして答えを聞き出したり、間違った言葉や言い回しを言い直しさせるなど言葉を引き出そう、正しい言葉を覚えさせようと必死でした。
毎日のように子どもに話しかけ子どもの気持ちを聞き出そう、言葉を引き出そうとしていました。
ですが息子は私の問いかけに「わかんない」と答えることが多くなり、私が話しかけようとすると嫌がるようになってしまいました。
2.発達障害の子に「自然とできるようになる」はありません
会話って言葉を発するだけじゃなく、言葉のキャッチボールができないと意味がありません。
しかし、私がやっていたことは会話(コミュニケーション)を助ける声かけではなく、言葉を覚えさせるだけの声かけになってしまっていたんです。
発達障害・グレーゾーンの子どもたちはコミュニケーションの正解がわからないことが多いので、このコミュニケーションであっているよ。と肯定してあげることが必要なんです。
言葉の発達がゆっくりなお子さんの中には息子のように会話の仕方がわからない、言葉の使い方がわからないために会話が続かず「人と話すのが苦手」と感じているお子さんも多いのです。
正解がわからないのに、間違いばかり指摘されていたらやる気も起きないし、自信もなくしてしまって話したくなるのも無理ないですよね?
そうなんです。私の取っていたのはNGな対応だったんです。
それからは一切、「否定の声かけ」をやめました。
語彙を増やそうといろいろ話しかけたり、質問したり、間違った言葉や言い回しを指摘、言い直しさせることを一切やめました。そして会話を楽しむことを意識しました。
次項では我が家で実践した子どもが自分から話したくなる秘策をご紹介します。
3.子どもの好きなことで言葉を伸ばす!YouTubeの活用法
「苦手」を意識し克服させるより「好き」を伸ばすほうが楽に子どもの脳の発達を促すことができるんです!
そこで、私は「子どもの好きなことで言葉を伸ばす」と決めて、息子が当時大好きだったYouTubeのゲームの実況動画を親子で楽しむことに決めたんです。
①共通の話題で会話を増やす
私が実践したのは、可能な限り一緒にYouTubeの動画を観るように心がけ、動画の内容に興味関心を寄せることを意識して声かけをしてみました。
例えば
ママ 「YouTube観てるんだね。」
「今日は何観ているの?」
「〇〇さんのチャンネル?」
子ども「これは〇〇さんの***ってゲーム動画」
ママ 「このキャラは顔が怖いな〜」
子ども「このキャラは攻撃力が高いんだよ」
「得意技は〇〇って言うんだ」
などと答えてくれるようになりました。自分の好きな興味のあることをYouTubeで観ているのでインプットはバッチリです。
私が子どもの観ているYouTubeの内容に興味関心を示すことで息子の私に伝えたいと言う思いが息子の苦手な言葉のアウトプットを後押ししてくれました。
私はゲームにあまり興味がなかったのでほとんど知識は0でしたが、興味関心の声かけを使って息子に教えてもらう立場で接していると
息子が先生になっていろいろと教えてくれるようになり会話の時間が増えました。
②YouTubeが先生に
YouTubeは多くの視聴者を獲得するために、視聴者の心を掴む言葉や簡潔に内容を伝える必要性があります。時にYouTuberの話し方は、相手にわかりやすく伝える会話のお手本にもなるのです。
何度も動画を見ていた息子は次第にYouTuberを真似て接続詞を使って話し、間を取るようになり驚くほど会話がスムーズになりました。
身近な大人が使わないような言葉も覚える事ができるので知らないうちに語彙力が上がり会話力も伸びていきました。
4.YouTubeは悪者じゃない
今では、言葉の発達がゆっくりで人と話すことが苦手だった息子への対応が上手くいかなかったことが嘘のように、毎日楽しく会話することができています。
親子揃ってラクに楽しく会話力の壁を乗り越えることができたのはYouTubeのおかげです。
YouTubeはその中毒性や内容によっては子どもにふさわしくないこともあり悪者になりがちですが
活用しだいでは親子の会話の糸口になったり、子どもの「知りたい!」を助ける手段、そして広い世界を教えてくれる良い先生にもなります。
「苦手」を意識し克服させるより「好き」を伸ばすほうが子どももママも何倍も楽しんで成長できることを実感しています。
悪者にして敬遠するのではなく、YouTubeをご家庭で活用してみてくださいね。
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執筆者:嘉山葉子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)