言葉が出ない自閉症の子どもが自分で考え話し出す会話のリズムとは?

言葉が出ない自閉症の子どもとの一方通行な会話を寂しく感じていませんか?問いかけても何も反応がないと思っても、実はお子さんの脳はフル回転で働いています。会話のリズムを 一定にすれば、お子さんが言葉を話し出すタイミングが生まれるかもしれません。
 

【目次】

1.言葉が出ない自閉症の子どもの原因は毎日の会話かも?
2.ママはいつも喋りすぎ?!
3.大人にはわからない子どもの脳はオーバーヒート
4.子どもが話し出せる会話のリズムはこう!

 

1.言葉が出ない自閉症の子どもの原因は毎日の会話かも?

 
 
言葉が出ないお悩みは自閉症の子どもの子育てにおいて、大きなお悩みの一つです。
 
 
お子さんがどんなことを考え、どんなことをしたいと思っているかを知るのは毎日の会話です。
 
 
その会話がお母さんからの一方通行だと、寂しい思いもありますよね。
 
「今日はいい天気だねー」
 
「…」
 
「ねぇねぇ、とんぼが飛んでる!秋だね~」
 
「…」
 
 
こんな普段の何気ない語りかけにも、お子さんの反応がないと語りかけることが辛くなってしまいませんか?
 
 
ただ視点を変えてみてください。
 
 
お子さんの言葉が「出ない」ではなく「出せない」ということはないでしょうか?
 
 

2.ママはいつも喋りすぎ?!

 
 
私の子どもは支援級に通う小2の自閉症の男の子。
 
 
私も息子の言葉が出ないことに悩むママでした。
 
 
普段の会話は、私の一方通行な質問型でした。
 
 
「今日のお昼何が食べたい?」
 
「…」
 
ここで間髪いれず、
 
「〇〇ちゃん、うどん好きだからうどんにしようか」
 
 
こんな会話です。
 
 
 
 
どうせ返事をしない、と思い込んでいるので、私が質問して私が答える
 
 
そう言いながらも、次から次へと質問攻めしたり…
 
 
わからないだろうと先回りして「こっちだよね?」と、息子の替わりに私が決めていました
 
 
私のように、子どもに質問した時、答えがすぐに返ってこないからといって、急かしたり答えを先に言ってしまったりしていませんか?
 
 

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3.大人にはわからない子どもの脳はオーバーヒート

 
 
大人にとって、「聞きながら考える」は簡単なこと。
 
 
しかし、子どもにとっては大変なのです。
 
 
脳の視点から考えてみます。
 
 
脳は、働きによってエリアがわかれています。
 
 
人の話を聞く「聴覚」のエリア
 
 
話を理解する「理解」のエリア
 
 
自分の意見を考える「思考」のエリア
 
 
質問をされて、自分の意見を考えて言う、これだけで3つのエリアを使う、実はとても高度な働きなのです。
 
 
そして、発達障害や自閉症がある子どもの脳は、発達が未熟な部分が多いとされています。
 
 
自閉症の子どものように、未熟な脳ほど各エリアの連携がうまくいかず一つの脳エリアに活動が集中します。
 
 
 
 
考えることに集中すれば、相手の話を聞き逃してしまいます。
 
 
聞くことに集中すると、自分で考える余裕が無くなってしまいます。
 
 
そしてここに追い打ちをかけるのがママです。
 
 
忙しいから、ついママが決めてしまったり、子どもの回答を急かしたりしてしまいます。
 
 
ですが、先回りをすればするほど、子どもが考える機会を奪ってしまっているのです。
 
 
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4.子どもが話し出せる会話のリズムはこう!

 
 
じゃあどうすればいいの??
 
 
ママが取り入れる会話のリズム、それは「ひとつ話してふたつ待つ」です。子どもと話をするときは、このリズムを心がけましょう。
 
 
ひとつ質問をしたら、ふたつ「間」をとって、脳の処理を順番に進めていく時間をとります
 
 
ひとつ話してふたつ待つ
 
 
ママ 「今日、お昼は何を食べる?」
 
「…」 -聴覚・理解・思考1つずつ処理中-
 
ママ  待つ -いつもより長く-
 
「カレーが食べたい!」
 
ママ  「わかった!教えてくれてありがとう」
 
 
このように、急かすのをやめて、しばらく息子の答えを待ってみると、ボソボソと話し出しました!
 
 
理解力を高める話し方では、子どもが何らかの反応をするまで次の内容を話さないことが鉄則。
 
 
       
 
 
例えば、子どもが相づちを打ったら次の内容を話します。
 
 
言葉の脳エリアは、思考の脳エリアの近くにありますから、子どもが反応したということは情報処理を終えたということ。
 
 
子どもが理解するためにしっかり時間を確保する。
 
 
これを繰り返すだけで子どもの理解力はぐんと伸びます。
 
 
ぜひ、脳を発達させる視点で、お子さんとの会話にリズムを取り入れてみてください。
 
 
「ひとつ話してふたつ待つ」です!
 
 
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執筆者:立花 千明
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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