時間管理できないADHD中学生のうっかり忘れ対策!セルフマネージメント力をつけるコツ

 

時間管理ができないADHD中学生は、発達の特性から「ついうっかり」忘れてしまいがち!約束した時間や期日が守れません。しかし、好きなことから脳を伸ばし、時間を意識してセルフマネジメント力を育てる秘訣をお伝えします。

【目次】

1.忘れっぽく時間管理できないADHD中学生に困っていました
2.なぜ発達障害ADHDの子どもは時間管理ができないのか?
3.好きなことからうっかり忘れを対策!セルフマネージメント力をつける
4.好きなキックボクシングから時間管理を意識させる

1.忘れっぽく時間管理できないADHD中学生に困っていました

 
 
私には注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向の中学生の息子がいます。
 
 
発達の特性から、決められた時間までに準備を終わらせるなどといった時間の管理ができないのです。
 
例えば…
 
●寝る時間が守れない、または起きる時間に起きれない
●暗くなるまで遊んでいる
●時間ギリギリでも慌てない
●待ち合わせ時間が守れない、約束の時間に家をでる
●間に合わなくても朝食はしっかりとる
 
 
ですから、学校は遅刻スレスレ(車で送迎もあり)、学習塾は30分以上の遅刻は当たり前でした。
 
 
私は時間に間に合わないのではないかといつもハラハラしてしまい、
 
早くしなさい!」
「まだやってるの?」
「もう知らないよ!」
 
などと怒鳴っていました。
 
 
なぜなら、社会人になったときに信用問題に関わり、経済的にも自立できなくなってしまうのではないかと心配していたからです。
 
 
時間に間に合わせるために必死で予告と矢継ぎ早の指示出しばかりしていました。
 
 
しかし、矢継ぎ早の指示出しをしても一向に時間を守ることはできなかったのです。
 
 
 
 
それどころか長男は逆ギレして暴言暴力、登校しぶりが目立つようになってしまい、ますます親子関係は悪化していったのです。
 
 
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2.なぜ発達障害ADHDの子どもは時間管理ができないのか?

 
 
発達の有無に関わらず、子どもが時間を守ることができないのは、子ども時間の感覚が大人と違うからです。
 
 
子どものころは1日がゆっくりだったのに、大人になったらあっという間に1日が過ぎちゃったって感じることはありませんか?
 
 
大人になると、先を見通して物事をすすめることができます。例えば9時に待ち合わせだから、30分前には身支度をすませようなどです。
 
 
それに比べて子どもは時間に間に合うように準備を進めていくことができない場合が多く、時間的概念が養われるのは9~10歳ごろ。
 
 
しかし、発達障害・ADHD傾向の子どもやワーキングメモリが低めの子どもは約束の時間を忘れてしまうことが多いので、さらに時間管理が苦手となります。
 
 
なぜ時間を忘れてしまうのか?
 
 
発達の特性から、「注意散漫」と「過集中」があるからです。
 
 
目につくことに気をとられ、興味があることや好きなものには集中しすぎてしまい、時間になっても気づかないのです。
 
 
過集中しているときに、「早くしなさい!やめなさい!」と突然言われると、パニックになったり、暴言を吐いたり攻撃的になったりしてしまうこともあります。
 
 
子ども自身は、頑張っているつもりなのに約束の時間を忘れてしまうことで、いつも怒られている状況が続くと自己肯定感も下がってしまいます。
 
 
 
 
ではどのようにして対応していけばいいのでしょうか?
 
 

3.好きなことからうっかり忘れを対策!セルフマネージメント力をつける

 
 
発達科学コミュニケーション創始者・吉野加容子さんから子どもが攻撃的になる行動を予防するには、会話力・言語能力を発達させる必要があると教わりました。
 
 
想いを伝えて、意思を伝えて会話を上手にして相手に受け入れてもらうこと。好きなことや得意なことで脳を伸ばし、会話力をつけることです。
 
 
会話力をつけるとセルフマネジメント能力が伸び、苦手な時間管理や準備を習慣化させることができます。
 
 
例えば、メモをしたり、タイマーをつけたり、「○時になったら教えて!」と人や物に頼れるということも大切なスキルなのです。
 
 
 
 
◆セルフマネジメントとは?
 
 
目標の達成や自己実現のために、自身の思考や感情・行動を管理すること、もしくはそのためのスキルを指します。
 
 
自らを管理することによって、自分自身の精神状態や健康状態を安定させ、自分の能力を最大限に発揮することを目的としています。
 
 
最後にわが子がどのようにセルフマネージメントを伸ばしていったかお伝えしますね!
 
 
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4.好きなキックボクシングから時間管理を意識させる

 
 
反抗期の息子と会話が弾むのは、大好きなキックボクシングの練習の後。
 
 
「今日も頑張ったね。キック決まった?」とか息子が喜んで話してくれる内容で会話のキャッチボールをしました。
 
 
YouTubeでキックボクシングの試合を見たり、キックボクシングの単行本を購入したりしました。
 
 
さらに、忘れっぽい息子が自分で考えて、レッスンで受けたアドバイスをスマホのメモに記録するようになりました。
 
 
そして、学校の準備はやらないけれど、キックボクシングで使用するグローブやマウスピースの準備は自分でやるように息子に提案しました。
 
 
最初は「やってくれたっていいじゃん」とぶつぶつ文句を言いながら準備していましたが、今は習慣化できるようになってきました。
 
 
キックボクシング始めて1年たったころ、「もっと本格的なボクシングジムへ通いたい。〇〇ジムへ通いたい。」と言いました。
 
 
市外なので、交通手段は電車になります。
 
 
自宅から最寄り駅まで自転車で15分、電車で移動しさらに駅から徒歩でジムまで10分。計40分~1時間かかる道のりです。
 
 
脳を発達させるためにはワクワクすることが一番の栄養と学び、息子のやりたい気持ちを信じ、通わせることにしました。
 
 
いまは息子にとってキックボクシングジムがコミュニケーションの場となっています。
 
 
息子の脳に刺激を与え脳を成長させることに注目するようにしました。
 
 
「学校を休んでも、本人が望めばキックボクシングには行く!」
 
 
学校や家だけでなく、居心地のいい場所をつくればいいのです。
 
 
所属のジムは18時から22時までやっていて、電車を1本逃すと練習時間が減ってしまいます。
 
 
また中学生なので22時には帰宅するとなると、出発時間が遅れて損するのは息子なのです。
 
 
ついみかねて「そろそろ時間だよ。」と声かけすることもありますが、自分で時間を調整しながら動き始めています。
 
 
そして、最近では時間割も自分でやるようになってきました。(各教科ごとにファイリングして整理したことで簡素化したため)
 
 
また30分以上の遅刻はあたりまえだった塾にも5分の遅刻へ減り、時間に間に合うにようになってきています。
 
 
 
 
忘れっぽい長男が、今では「明日これが提出だった。」と思い出して準備することが増えてきました。
 
 
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執筆者:神田久美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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