不安が強い発達障害グレーゾーンの子どもの不登校を防ぐNG声掛け4選

 

不安が強い発達障害の子どもが登校渋りを始めたら、最優先は子どもの心を癒すことです。 不登校に至る前にお母さんのNGな声掛けをインプットして、子どもの心を追い詰めないように意識しましょう。
 

【目次】

1.私の子どもは不安が強い元不登校キッズ
2.不登校になる原因の1位とは?
3.発達障害の子どもが不安や無気力になりやすいのはなぜ?
4.登校しぶりの子どもにやってはいけないNGな声掛けとは?

 
 

1.私の子どもは不安が強い元不登校キッズ

 
 
 「学校に行きたくない」とお子さんが登校しぶりをし始めたり、お休みをする日が出てくるとお母さんの頭には「このまま不登校になったらどうしよう」と不安がよぎりませんか?
 
 
そのお気持ち、よーくわかります。
 
 
わたしも発達障害の不登校児の母でした。
 
 
いまは自衛官になった21歳の息子は、年中の時に自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受けました。
 
 
小学校は支援級に在籍、中学はフリースクールに通いましたが、いじめをきっかけに不登校に。
 
 
いじめを受けてからは、どんどん不安が強くなり、目から生気が消え、無気力な様子でした。
 
 
 
 
登校しぶりを繰り返し、ついには「自分には生きる価値がない」と自己否定の発言を聞いた時は、わたしもかなりショックでした。
 
 
そして、本当は子どもの気持ちを癒すことが必要なのに、「不登校になったらどうしよう」という心配からたくさんのNG対応をしてしまいました。
 
 
いま発達科学コミュニケーションのトレーナーとしてたくさんの生徒さんのお話を聞くと、私と同様に、お母さんの早まったNG対応が登校しぶりを長引かせたり、不登校にさせてしまっていることがとても多いのです。
 
 
それでは、子どもが登校しぶりから不登校になっていく原因についてデータを元にご説明します。
 
 
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2.不登校になる原因の1位とは?

 
 
不登校の原因1位は 「無気力」「不安」 が約半数を占めています。
 
 
学校に行きづらくなるきっかけは、先生の対応や身体の不調、友達関係など、1人1人の状況は違うとはいえ、無気力や不安が強くなることが発端ということがわかりました。
 
 
 今や不登校の子どもは小中学校を合わせて29万人(令和4年度文部科学省調査より) もいる状況です。
 
 
 
 
 そして不登校の前段階である登校しぶりの子どもは、不登校の5~6倍はいると言われています。
 
 
この数にピンときますか?
 
 
 小学生では約77人に1人、中学生では約20人に1人です。
 
 
 相当な数だということがお分かりいただけたと思います。
 
 

3.発達障害の子どもが不安や無気力になりやすいのはなぜ?

 
 
発達障害の登校しぶりをしている子どもは、なぜ不安が強くなったり無気力になりやすいのか?
 
 
脳科学の観点からご説明します。
 
 
「月曜日からの学校、いやだな」「また先生に怒られるかな」など、子ども達はたくさんの不安をかかえています。
 
 
元々、人間の脳は太古の昔からネガティブな記憶を優先してためやすい仕組みがあります。
 
 
それは「この道は獣に出会ったことがあるから危険だ」と恐怖の記憶が定着することで、同じ危険を繰り返すことを回避できるからです。
 
 
 
 
発達障害グレーゾーンの子どもは、このネガティブな記憶をためやすい傾向があります。
 
 
不安の正体は脳の「偏桃体」という部分が影響しています。
 
 
扁桃体は感情の領域で喜怒哀楽の感情を生み出す脳の中心的な領域です。
 
 
この扁桃体は 安⼼安全を最優先するために、 嫌だなと思っている学校に⾏こうとする行動に対してSOSが発動されます。これが不安の正体です。
 
 
登校しぶりが長引くと頭痛や腹痛、嘔吐など身体に症状が出始める子もいて、それだけ扁桃体からのSOSサインが強いということなのです。
 
 
お子さんにここまでの症状が出てから初めて事の深刻さに気づくお母さんもいらっしゃいます。
 
 
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4.登校しぶりの子どもにやってはいけないNGな声掛けとは?

 
 
子どもの心が傷ついているとわかっていても、親としては心配が勝ってあれこれ声掛けをしてしまいますよね。
 
 
そこで、登校しぶりのお子さんにやってはいけないNGな声掛けはこちらです。
 
 
お子さんはすでに傷ついた状態ですから、このような声掛けをしていないか振り返ってみてください。
 
 

◆①「今日は学校に行かないとね」

 
 
これは、プレッシャーを与えてしまいます。
 
 
子どもは学校へは行った方がいいとわかっている、けれども行けない自分にすでに苦しんでいます。
 
 
行くかどうかは子どもが決めるのがベストです。命令はNGです。
 
 

◆②「頑張って」

 
 
子ども達はすでに頑張っています。
 
 
もうこれ以上頑張れない状態になったから「学校に行きたくない」と言っています。
 
 
まずは、子どもの心と身体を癒すことを考えてください。様子をよく観察してください。
 
 

◆③「なんで学校に行かないの?」

 
 
自分でも行けない理由が明確にわからない子もたくさんいます。
 
 
子どもが話しださないのに、あれこれ問いただすのもやめておきましょう。
 
 
質問されることによって、思い出したくないことを言語化することも子どもを追い詰めます。
 
 
子どもの心が壊れてしまいます。
 
 

◆④「学校に行かないなら勉強しなさい」

 
 
勉強するなら休んでもいいとも捉えられますし、そもそもエネルギーが枯渇している状態なので、休んだ日はのんびりさせてあげてくださいね。
 
 
 
 
いかがでしょうか。
 
 
学校をお休みした日は心の充電ができるように家で癒してあげてください。
 
 
オススメはスキンシップです。
 
 
抱きしめたり、手をあててさすったり撫でたり、添い寝をするなど、子どもの肌の温度をゆっくり感じてみてください。
 
 
中学年、高学年以上のお子さんには物を両手で手渡してあげるだけでもいいのです。
 
 
子どもが生まれた時のことを思い出してみてください。ただただ存在してくれるだけで愛おしかった日々でしたよね。
 
 
幼少期のアルバムや写真データを見返してみるのもオススメです。
 
 
学校に行くことで子どもの笑顔が戻ると思いますか?
 
 
それよりももっと大事なことがあるということを思い出してみてくださいね。
 
 
 
 
 
 
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執筆者:横山美穂
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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