発達障害・自閉症傾向で習い事が続かない子どもにお勧めなのは空手です。集団が苦手でも取り組みやすく体幹が鍛えられる効果など、息子が長続きしている理由を4つ解説します。
【目次】
1.発達障害・自閉症傾向で習い事が続かなかった息子
2.習い事が続かない自閉症の子の特性
3.習い事をスタートする前に興味の幅を広げておこう
4.自閉症っ子に効果的なのは空手!長続きする4つの理由
①体幹を鍛える効果がある
②反復練習が大半である
③個人競技である
④瞑想の時間で落ち着けるタイミングがある
1.発達障害・自閉症傾向で習い事が続かなかった息子
我が家には発達障害・自閉症傾向の現在小学2年生になる息子がいます。
幼稚園の頃から家庭と園以外にも、自分が好き!楽しいと思える場所や一緒に過ごすお友達ができるといいと思い、習い事に通うようにしました。
あわよくば不器用さが軽減するといいな、お友達との関わりを学んでほしいなという親の希望もありました。
こうして手を出したものはピアノ、体操、英語リトミック、水泳です。
いずれも、本格的に学ばせる系ではなく幼児向けであくまでも楽しんでやることを目的とした教室です。
しかし、どの習い事も数か月で行き渋りをしたり、自ら辞めたいと言い出したり。
教室では帰りたがって他のお子さんのペースを乱してしまうこともあり、迷惑をかけているのではないか、という悩みもありました。
毎回連れ出すのも大変で長続きしないのであれば付き合う親も大変だと、小学校1年生になるタイミングで一度全ての習い事をきっぱりとなくしました。
2.習い事が続かない自閉症の子の特性
発達障害・自閉スペクトラム症(ASD)の代表的な特性としては
・こだわりが強い
・空気が読めない
・感覚過敏・鈍麻がある
・会話が一方的
・集団活動が苦手
・体の使い方が不器用
などが挙げられます。
振り返るとこれまでやってきた習い事は、息子の自閉症の特性から合わない部分があることが分かりました。
・いつも行っているプールではないので慣れない(初めての場所が苦手)
・狭い部屋に沢山の人がいて居心地が悪い(集団が苦手)
・前の子に続いて同じ動きをしなければならないが上手くできずに自信をなくす(模倣動作が苦手)
・手先に力を入れるのがまだ難しかった(手先が不器用)
どの習い事も客観的に見ても、とてもいい教室だったと思うのです。
ですが、当時の息子にとっては嫌な場所と感じたり自信をなくすようなことがあり、「好き」「興味がわく」の前に、習い事に対してネガティブな印象を持ってしまったようでした。
3.習い事をスタートする前に興味の幅を広げておこう
自分がやりたいと思う気持ちや興味を持てなければ何事も取り掛かりにくく、長続きもしないですよね。
そしてまだまだ未熟で経験が少ない子どもですので、そもそもどんな習い事があるのか知らないということもあります。
習い事を一切やらなかった1年生の間ですが、学校と家以外でも活動の場を広げたいという想いは引き続きありました。
子どもが興味を持つかは別にして、色々なことを一度は目に触れさせようと興味の種まきはしていました。
いずれも最初は嫌がらない程度に目から情報を仕入れ、
・公園に行った際、少年野球やサッカークラブの活動を見てみる
・テレビやYouTubeでスポーツや学習系の動画を見てみる
少しでも興味が出てやってみたいという気持ちが見られたなら、見学や1回きりの体験教室に行ってみるなどできますね。
知らなかったスポーツや学習系の習い事などの情報を子どもの目に触れさせることで興味の幅を広げていくことができると思います。
4.自閉症っ子に効果的なのは空手!長続きする4つの理由
そんな中で息子の目にとまったものが空手でした。
道着を着てピシッと型を決める姿がかっこいいと、自ら「やりたい!」と言ってきたのです。
これまでどの習い事も続かなかった息子でしたが、今でも行くのを楽しみにしている空手のお稽古がなぜ続いているのか、次に4つのポイントをあげますね。
◆①体幹を鍛える効果がある
発達障害・自閉症傾向の子どもは体幹が弱く、姿勢を維持するのが難しいことが多いです。
体幹トレーニングが大切などと目にすることも多いかと思いますが、体幹を鍛えることで運動能力が上がる効果があると言われています。
空手は全身運動で、両足でしっかりと踏ん張って立つ基本姿勢からも少しずつ体幹が鍛えられていることが分かります。
空手を習い始め、息子の運動能力の底上げがされたことを本人も実感しているようで、さらにやりたい!という好循環が生まれています。
◆②反復練習が大半である
空手は基本的な動作である「型」を覚える反復練習が基本です。
お稽古の時間の中で、型の反復練習が大半を占めます。
少しずつ新しい型は増えていきますが、模倣動作が苦手であっても繰り返し同じ動きをするので練習とともに少しずつできるようになっていきます。
◆③個人競技である
団体で戦う競技ではないため、サッカーのように仲間の動きを見て瞬時に自分の動きを考えるなどといったことはありません。
自分に集中して動きを極めていく競技なので、集団が苦手なタイプの子どもに合う競技だと思います。
練習においても、基本的には皆が並んで先生の動きを真似るというスタイルです。
教室によるとは思いますが、相手と組手(実戦形式で闘う)の練習をするときは、自由に動くのではなく、先生の掛け声で蹴りや突きをやるので、どう動いていいか分からず固まってしまうことがありません。
◆④瞑想の時間で落ち着けるタイミングがある
空手に限らずですが武道は礼節を重んじるスポーツですので、稽古の前後や合間合間に正座して礼や瞑想をする時間があります。
まだ瞑想は見様見真似ですが、普段からガヤガヤしたところが苦手な息子にとって、合間に何も動かずにじっとする時間があることで、体も気持ちも落ち着けるようです。
実際に入門する際は、候補の教室をいくつか見学、体験して自分に合う合わないの判断をしてから決めました。
教室の方針や先生、生徒、場所の雰囲気などは教室によって様々ですので実際に体験してみてからが安心ですね。
空手を始めて1年が過ぎますが、続けられていること自体が本人にとっての自信の一つになっているようです。
また、空手を習っているから自分は強くなるんだ!もっともっと強くなるぞ!と言っている息子を見ると、自分に合った習い事に出会えたことで子どもの新たな世界が広がっていることを感じます。
今でも一度も嫌がることなく、自らやりたいと進んで空手稽古に通っていますよ!
いかがでしたか?
自閉症っ子で習い事が続かないとお悩みの方の参考になれば嬉しいです!
発達凸凹キッズのお悩み、困りごとを一緒に解決しませんか?
執筆者:菅美結
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)