発達障害・グレーゾーンの子どもにとって、新しい環境がスタートする前や休み明けの前は、特に不安になりやすい時期です。そんな時、子どもの不安を軽減したり、ネガティブ思考を止めるためにぜひやってほしい対応法を紹介します。
【目次】
1.新しい環境に強い不安を感じる息子
2.発達障害・グレーゾーンの子どもはなぜ不安が強いの?
3.子どもの不安軽減やネガティブ思考を止めるための対応法
◆たっぷりスキンシップをとる
◆寝る前に楽しかったことを発表する
1.新しい環境に強い不安を感じる息子
私には現在小学3年生の息子がいます。
息子は、注意欠陥多動性障害と自閉症スペクトラムを合わせもったクレーゾーン(以下、発達障害・グレーゾーン)のタイプです。
息子が小学2年生の時、小1から1年以上通っていた学童を急遽やめて別の学童に移ることにしました。
理由は、息子と指導員さんとの相性がとても悪く、叱られることが多かったためです。
息子は精神的に不安定になり、学童に通うことを拒否するようになりました。
私自身も、お迎えの度にできていないことを指摘される日々に辟易…
このままでは息子も私も潰される!そう感じた私は、思い切って今の学童を辞めて別の学童へ移る決断をしました。
新しい学童に移ること自体は息子本人も納得で決めましたが、息子は新しい環境がとても苦手で不安が強いタイプ。
新しい学童には知っているお友達はたくさんいるものの、
・また指導員さんから怒られるかもしれないという不安
・上級生にどんな子がいるんだろうかという不安
・新しい学童のルールが分からないから不安…
など、たくさんの不安を抱えて鬱々としていました。
なんとかスムーズに新しい環境に慣れてほしい!
そう願って、私が取り組んだことは2つです。
すると、スムーズに新しい学童に馴染むことができたのです!
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2.発達障害・グレーゾーンの子どもはなぜ不安が強いの?
そもそも、発達障害・グレーゾーンの子どもはなぜ不安が強いのでしょうか?
理由は、ネガティブ記憶が関係しています。
発達障害・グレーゾーンの子どもは、ネガティブ記憶が残りやすいと言われています。
元々人間は(というか動物は)、自分の身を守るために、危険や恐怖などの情報(ネガティブ記憶)をしっかり記憶を保持しておこうと脳が本能的に働いています。
特に発達特性がある子どもたちは、この傾向が強いとされています。
息子の場合は、前の学童で強く叱責され続けたことから、たくさんのネガティブ記憶が溜まっていまっていました。
学童に対するネガティブ記憶から、新しい学童対してもたくさんの不安を感じ、ネガティブ思考が止まらないという状況でした。
学童での叱られ経験が多かったため、家でも
「僕は悪い子なんだ」
「僕なんていなくなったらいいんだ」
といった、自分を卑下するような発言が出ていた時は私も胸が痛かったです。
残念ながら、ネガティブ記憶は消すことができません。
ですがポジティブな記憶で上書きすることはできます!
ネガティブ記憶を上回るくらいのたくさんのポジティブ記憶を作ってあげれば、不安を軽減してあげることができるのです。
事項では、たくさんのポジティブ記憶を作るために私がとった方法を紹介します。
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3.子どもの不安軽減やネガティブ思考を止めるための対応法
ポジティブ記憶を作るために私がとった方法は2つです。
どちらも親子で簡単にできるコミュニケーション術です。
◆たっぷりスキンシップをとる
まずは、寝る前のイチャイチャタイム!
お布団に入ったら、
「○○くん、ママのところに生まれてきてくれてありがとう!」
「ママは、○○くんのことが大好きー!」
などと、ポジティブメッセージを伝えながらギューっと抱きしめます。
スキンシップをすると、オキシトシンという愛情ホルモンが分泌されるので、ストレス抑制になったり、心が穏やかになる効果があります。
毎日スキンシップをとって「大好き」と言われるともちろん子どもは嬉しいので、何日も続けているうちにすっかり日課として定着しました。
私がうっかり言い忘れてウトウトしていると、「ママ、いつものヤツ言ってないよ!」と教えてくれるようになったくらいです(笑)
◆寝る前に楽しかったことを発表する
次に、お布団の中で今日一日の振り返りをします。
良かったこと、できたこと、頑張ったことなどポジティブな話を一人1つずつ発表します。大きなお子さんは3つでもいいですね。
例えば、息子の場合は
「今日も一人で学校に行った!」
「給食のおかわりができた~」
「宿題した!」
などでした。
何か特別なことでなくても、ちょっとしたことでいいのです。
1日を振り返って、良かったことなどポジティブな出来事を言語化してアウトプットすることが大事なのです。
ですので、もちろんお母さんも発表しましょう。
私の場合は、
「いつもより早起きできた!」
「今日のオムライス、美味しく作れたわ~。私、グッジョブ!」
「遅刻せずに出社した。よし!」
などです。
「遅刻せずに出社する」なんて社会人として当たり前のことですが、そんな当たり前のことや些細なことでもOKにして、子どもにも自分にも「できた!」と花丸をつけるように意識します。
これを繰り返していたら、ある日私が「うーん。今日何か頑張ったことあったかな…。」と、なかなか思い出せずにいたら、息子が
「ママ、今日もボクたちのために夜ごはんを作ってくれたやん!ありがとう!」
と教えてくれたのです。
一日の振り返りを続けることで、自分のことはもちろん、周りの人が頑張っていたことに気付いたり、他の人への褒めや感謝もできるようになってきたのです。
我が家ではこの習慣を、学童をやめる決断をしたその日から2ヶ月以上毎日欠かさず続けてきました。
おかげで、ネガティブ記憶をポジティブ記憶で上書きすることができ、新しい学童にスムーズに移行することができました。
今の学童では叱責されることもなく、毎日楽しく通うことができています。
息子自身も、新しい環境にすっと馴染めたことが成功体験になりました。
このように、寝る前にたっぷりのスキンシップをとり、親子でポジティブな会話をしてから眠ることで、脳にポジティブ記憶をしっかりと入れることができます。
ポジティブ記憶がどんどん溜まってくると、ネガティブ記憶を上回り、その結果、抱えている不安を軽減したり、ネガティブ思考を止めることにつながるのです。
長期休みが終わる前後は、発達障害・グレーゾーンの子どもが特に不安になりやすい時期になりますね。
新しい環境がスタートする前や休み明けの少し前から、この親子のコミュニケーションをぜひ試してみてください!
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執筆者:おぐらまりこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)