普通の子に育てたかったー自閉っ子のわが子に悩み数百万投資したママが最終的にたどり着いた解決策

自閉症のママにとって、他のママたちのように育児の悩みを、ママ友と語れるような場所は少ないのかもしれません。悩みを解決したい一心で、相談したり、アプローチするけれど、思うような効果がないと辛いですよね。同じ悩みをもっていた桜山さんのお話をお伝えします。
 

【目次】

1.子どものひどい癇癪とこだわりに悩まされる毎日
2.子どもの発達で相談したのに、期待した答えは得られませんでした
3.始めてから3週間で変わってきた息子

 
 

1.子どものひどい癇癪とこだわりに悩まされる毎日

 
 
前回は、桜山さんのメソッドについてのお話を伺いました。
 
 
 
 
今回は、桜山さんについての2回目の記事で、発達科学コミュニケーションを始めるまでの過去のお話について伺っていきたいと思います。
 
 

ーーー発コミュを始める前までのお子さんの悩みやそのときの対策などを具体的に教えてもらってもいいでしょうか?

 
 
「はい。癇癪と言葉が伸びないことに悩んでいました
 
癇癪は、どんどんひどくなってこだわりも強いし、毎日がもう地雷だらけで。すごく生活がしづらかったです。子どもの言いなり状態でしたね。
 
朝起きたら、リビングの電気をすぐ付けたいんですけど、つけるだけで怒るので。無意識に、あー、いけない、とか。
 
夫がつけようとすると、ちょっと待って!つけたら怒っちゃう!って。
 
すべてそんな感じですね。朝ごはんはこんな風に盛り付けて。右と左とか、お皿の位置とか。お茶はこれぐらいの線ぐらいまで入れるとか。
 
一事が万事、癇癪のスイッチを押さないように生活していました。」
 
 
 
 

ーーー全てに気を使って生活していても、怒りのスイッチを踏んでしまうこともありますよね。

 
 
「もう、うちの子は本当に止まらないんですよ。
 
ギャーって近所に聞こえるようなレベルのすごい声で。だから、すぐに急いでドア締めて窓を閉めて、近所に聞こえないようにしていました。
 
そして、結構長い時間続くんですよ。部屋を変えようとしても引っ付いてきて、距離もうまく取れない感じでしたね。
 
だから、本当にいろいろと試したんですよ。
 
無視もしたし、めちゃくちゃ怒りもしたし、説得もしたりとか、ありとあらゆることをしました。
 
夫とも、どうしたらいい?みたいな話合いは常にしてました。もう答えがわからないので。
 
とにかく、時がたって癇癪が収まるのを見守っていました。」
 
 

ーーーそんな生活を送っていたら、ふとした瞬間に、なんで私こんなことしているんだろう?みたいなイライラ感や絶望感などはなかったんでしょうか?

 
 
「本当にありましたよ。こっちもわざと、言うことを聞いてあげない!って思うときもありましたね。
 
これ怒るだろうな〜って思いつつ、わざと、言うこと聞かなかったりして。そして、わざと怒らせてしまったり。
 
その当時は、三男を妊娠中で、癇癪によるストレスでお腹の子に悪影響が出たらどうしようって思う時もあって、時々わーっと泣けてくる感じもありました。」
 
 

◆ポイント解説

 
 
妊娠中はストレスためないように過ごしたいものですが、わが子の怒りスイッチがどこにあるのかわからない状態では、それがストレスになってしまいますよね。
 
 
昼間は母子だけの時間となり、ママの方が解決策がわからずに、ワーッと泣きたくなる気持ちが辛いほどわかります。
 
 

2.子どもの発達で相談したのに、期待した答えはえられませんでした。

 

ーーー桜山さんも、発コミュ前は悩めるママの一人でした。その頃のお話を具体的にきかせてください。

 
 
「はい。私が最初発達に気がついたのは、生後二か月ぐらいのときです。ちょっと目が合いづらいと思っていました。
 
そこから、寝返りも、やっぱり全然しない、おかしいかもって。一歳ぐらいのときに、市の方に相談したら、様子を見ましょう、と。言葉が1歳半健診のときでも出てこなかったんです。
 
ようやく、2歳3ヶ月で初めて言葉がはじめて出て、その後順調にいくかなと思っていました。
 
ただ、遅いだけだったらありがたいって思ったんですが、そこからオウム返しが始まってきて。悩みに悩んでいましたね。
 
3歳児検診のときには、明らかにほかの子どものように受けられる自信がなかったので、2歳11ヶ月の時点で、市の心理士さんに見ていただき、自閉症疑いかなりありますね、と言われました。
 
そこから療育に通い始めたんです。」
 
 
 
 

ーーー療育に通い始めてから変化はありましたか?

 
 
「通い始めたんですが、やっぱりなかなか伸びないことが悩みでしたね。
 
病院も探しもしました。保険診療のところへ行くと、自閉症ですね、っていわれるのがわかっていたので、建設的に伸ばしてくれそうな自由診療の病院を、です。
 
病院に行きながら、療育も受けていました。療育の回数も週2回だったのが、週に5日になっていきましたし。
 
ほかにも、栄養療法もやったり、脳に酸素をたくさん入れるための舌の手術もしましたし、ワーキングメモリ―に関して有名な先生の機関の個別相談を受けたり、脳科学に関するメソッドを取り入れた教材を活用したり。
 
ありとあらゆる方面からアプローチしました。その当時は、やっぱり普通の子に育てたかった。自閉症を治す方法を毎日調べていました。」
 
 

◆ポイント解説

 
 
自分では、わが子には、何かしらの問題があると思っているのに、相談に行っても明確な答えがない状態では、解決したい親としてはモヤモヤが募るばかりでしょう。
 
 
お子さんが幼い頃は答えが出ないのは、仕方のない部分もあるかもしれませんが、親として、良くしてあげたいと思う気持ちから、いろいろなことを試さずにはいられませんよね。
 
 
わが子も幼稚園で相談に行ってみては、と言われたときに、ネット検索したり、本を読んだりと、答えを見つけたかった頃を思い出しました。
 
 

3.発達科学コミュニケーション(発コミュ)を始めてからの子どもの変化

 

ーーー今まで療育など、さまざまな面からアプローチされてきた桜山さんが、発コミュの受講を決めた決め手は何だったのでしょうか?

 
 
「はい。発コミュを知ったきっかけは今川ホルンさんのインスタだったんです。
 
その中で一番すごく覚えてるのが、我が子の発達の専門家になれるんですよ、っていう言葉なんです。
 
 
 
 
発達って、プロの方しかできないって思ってたんですよね。それができるんだって衝撃でした。
 
今まで、3か月で言葉を伸ばせるなんて言われたことがなかったので。
 
それに、ちょうど子どもの発達を考えたときに、1分1秒でももったいないって思ってたんです。
 
けれど3ヶ月で言葉が伸ばせるなんてワクワクすることを聞いたこともなくて。ほんと?という気持ちが大きく両親に相談しました。
両親からは可能性のあることだったら、失敗したっていいからなんだってやってみた方が絶対いい!って言ってもらいました。
 
その日の夜すぐ、夫にも相談しました。私がさんざん色々やってきたので、その時すでにもうすごいお金使ってたんですよ。何百万と。
 
なので、またやるの?みたいになって。夫は、基本的にいつも賛成してくれるんですけれど。
 
最終的には、私が本気でどれぐらいやりたいのか?それ次第じゃない?っていわれて腹が括れました。」
 
 

ーーー桜山さんは元教員なので、発達の知識も普通のママよりかはあると思います。3ヶ月で変わりますよ、と半信半疑で始められましたが、実際にどうでしたか?

 
 
「はい。教員時代は、幼児教育の知識も使いつつ受容と共感メインで子どもたちと関わってきました。だから、それはできます。けれども、自閉症の子って、受容しようにも結局どんどん好き勝手になっていって。
 
共感しようにも、そもそも心がやっぱり繋がってる感じがしなくて、今までやってきたことが通用しなかったです。
 
それに癇癪とかこだわりの正しい対応の仕方は、知らなかったです。だから悩みましたね。
 
言葉と癇癪は私が一番悩んでいたところなんですが、たった3カ月で今までやったものと桁違いでのびたんです!
 
癇癪は2年間癇癪をエスカレートさせてきたので、収まるのに時間かかったんですけど、3週間でおさまりました
 
そして、癇癪が落ち着いたら、その1週間後ぐらいで言葉が伸びてきたんです。初めて会話のキャッチボールが成立したんです!
 
そして、『これ何?』とか質問もしてくるようになって。そんな風に月もせずに変化が現れました
 
 
 
 

◆ポイント解説

 
 
発コミュは、お母さんがお子さんとのコミュニケーションの仕方を変えて、お子さんがどんどん成長していけるコミュニケーションを学んで実践してきます。
 
 
その中で子どもが癇癪を起こしたときの対応の仕方もきちんと学んでいきます
 
 
対応しないといけない場合以外は、ママが注目しないでおくことで、癇癪を起こす→ママが注目してくれる→その行動を強化していく、という悪循環にならずに済みますよ。
 
 
自閉症と診断された息子さんの変化がみられたのは、発達について桜山さんが勉強して、わが子に合った最適の対応の仕方を身につけられたためだと思います。
 
 
さて、次回は、桜山さんのトレーナーを決意された話や今後の活動についてなどを伺っていきます。お楽しみに!
 
 
 
 
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執筆者:松尾 歩
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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