お子さんの行動をじっくり待ってあげられていますか?発達障害であってもなくても、子どもの対応は「待つ」のが基本です。待つことがなぜ子どもを発達させるのか?スマートフォン問題から考えてみましょう! |
【目次】
1.子どもの発達に影響?30年前の子育てと現代の子育ての違い
2.スマートフォンがもたらした子育ての問題
①スマホ問題を別角度から考えてみましょう
②発達障害のある子のお母さんだけじゃない!?日本のお母さんの口癖ナンバーワンとは?
③大人は子どもを「待つ」のが対応の基本
3.待つのが下手な大人になっていないですか?
①発達障害の子どもの対応は「待つ」が大事!
②「待つ」対応が発達を進ませる
2.スマートフォンがもたらした子育ての問題
①スマホ問題を別角度から考えてみましょう
②発達障害のある子のお母さんだけじゃない!?日本のお母さんの口癖ナンバーワンとは?
③大人は子どもを「待つ」のが対応の基本
3.待つのが下手な大人になっていないですか?
①発達障害の子どもの対応は「待つ」が大事!
②「待つ」対応が発達を進ませる
1.子どもの発達に影響?30年前の子育てと現代の子育ての違い
30年前の子育てと現代の子育て、何が1番違うでしょうか?
色々な意見があると思いますが、私は「スマホ」の有無はずいぶんと子育てのイロハを変えたのではないかと思っています。
スマホによる子どもの発達への影響は、良い影響もあれば、悪い影響もあるでしょう。
今日はその1つを考えてみましょう。
2.スマートフォンがもたらした子育ての問題
◆①スマホ問題を別角度から考えてみましょう
スマホによる子育てへの影響について、携帯ゲームや携帯アプリなど、子どもが携帯電話を早くから使うことの議論が中心です。
スマホアプリやゲームは、直感的な操作ができるように設計されているものがほとんどですから、幼児でも扱えるものもあります。
確かに、これから仕事をする上でITリテラシーは英語以上に欠かせない能力 になるでしょうし、かといってゲームへの依存は防ぎたい。
スマホと子育て、難しい問題です。
ですが、今日のお話はこういうテーマとは違う角度で考えてみたいと思います。
◆②発達障害のある子のお母さんだけじゃない!?日本のお母さんの口癖ナンバーワンとは?
さて、皆さんは日本のお母さんたちの口癖ナンバーワンは何だと思いますか?
これは私の完全なる私見ですが、日本のお母さんたちの口癖ナンバーワンはコレだと思います。
「早くしなさい!」
もちろん、時間に厳しい日本では、昔から「重要子育てワード」として使われてきた言葉です。
発達障害の子どもであってもなくても、子どもに毎日言っているというお母さんは多いのではないでしょうか?
女性の社会進出が進み、忙しいお母さんたちが増えるにつれて、さらに「早くしなさい」という言葉が飛び交うのかもしれません。
◆③大人は子どもを「待つ」のが対応の基本
当然のことですが、子どもはまだ大人のような処理速度は持っていません。
以前、脳科学の国際学会に出席したとき、単純な音を聞いたときに「あ、聞こえた」という知覚の処理が起こるのに、子どもは大人の2倍以上の時間がかかるという発表がありました。
単純な音でさえ、2倍以上の時間がかかるのです。
言葉を聞き取ったり、理解したりするのにかかる処理なら、もっと大人との差があってもおかしくはありません。
だからこそ、大人にとっては「どうしてそんなにぼーっとしているの?」と思うくらい、返答が遅かったり、動作が遅かったりします。
これは仕方のないことです。子どもの処理は、大人よりも断然遅いものなのです。
ですから、 大人は「子どものすることを待つのが仕事」です。
それが対応するときの基本だと思っていてくださいね。
3.待つのが下手な大人になっていないですか?
◆①発達障害の子どもの対応は「待つ」が大事!
ところが、ここでスマホの登場です。年々、インターネットの処理速度はどんどん速くなっています。
数年前を思い出してみてください。まだスマホが出始めた頃、ボタンを押しても次の画面に移るまで ジ〜〜〜っと待っていたものです。
今ではもう、すぐに切り替わらないと「なんなの、不具合!?」と思うほど、一瞬で応答してくれるようになりました。
私たち大人は、この反応スピードに慣れきっています。LINEやMessengerなどのオンラインの会話でさえ、ポンポンと素早いスピードで進みます。
大人たちは、スマホの反応スピードに慣れきって、待つことが下手になっていないでしょうか?
子どもの処理速度は、スマホのように速くはないのです。発達障害のお子さんや発達が遅いお子さんたちなら、なおさらです。
子どもの処理速度というのは、数年前のスマホ、いや、ガラケー時代の通信速度をイメージして欲しいのです。
「待って当然、遅くて当然」
この意識で今一度、お子さんと向き合ってみてください。
◆②「待つ」対応が発達を進ませる
私は「本当に先生は待ちますね」とお母さん方に言われるほど、信じられないほど子どもを待ちます。
しかし、それは子どもを甘やかしている のではありません。
どんなに時間がかかっても、
子どもが行動をやりきったり、
質問に答えることを終えたり、
子どもにきちんと最後までやらせることの方が発達を進ませることを知っているからです。
特に、年齢が低いお子さんほど、発達がゆったりめのお子さんほど、ゆっくり着実に子どもが行動するのを待ちましょう。
「はやくしなさい」と物事をショートカットさせるやり方よりも、しっかり丁寧に1つ1つ手順を踏ませた方が、子どもの発達が促されるのです。
上手に待つコツは、スモールステップで子どもにヒントを与えることですよ。
意識してみてくださいね!
執筆者:吉野加容子
(発達科学コミュニケーション トレーナー
学術博士、臨床発達心理士)
(発達科学コミュニケーション トレーナー
学術博士、臨床発達心理士)