不登校になったとしても、せめて勉強だけは遅れないようにしたいと思いますよね。子どもが自主的にするのならいいのですが、親がやらせるのは注意が必要です。不登校になり勉強しない、嫌がる子には体験学習がおすすめです。我が家で実践した体験学習も紹介します。
【目次】
1.不登校で勉強しない息子と親子関係が悪化
2.不登校の子が勉強しない理由
3.五感を刺激する体験学習
1.不登校で勉強しない息子と親子関係が悪化
我が家には現在小学校2年生になる息子がいます。発達凸凹があり、人一倍敏感な子(HSC:Highly Sensitive Child)です。
そんな息子が不登校になったのは小学校1年生の6月からです。小学校に入学し、環境に慣れるのが苦手な中、頑張って小学校に通っていました。
更に息子を苦しめたのが厳しい担任の先生に当たってしまい、毎日叱責を受けるようになったことです。
行きしぶりや心身の不調がありながらも通わせ続けてしまい、息子の限界がきてパタッと行けなくなりました。
その後病院を受診したのですが、かかりつけの小児科医や発達外来の医師に、「勉強だけは遅れないようにしてください」と言われました。
私自身も勉強はして欲しいという思いがあり、息子に勉強するように言ってしまいました。
最初の頃はやってくれていた息子も嫌がるようになり、私に勉強するように言われると、些細なことで癇癪を起こすようになりました。
勉強をさせたい私は勉強をしない息子を怒ってしまうこともありました。
そして親子関係はどんどん悪化していき、私の指示を聞いてくれなくなり、癇癪も激しくなっていきました。外出不安や母子分離不安も出てきました。
2.不登校の子が勉強しない理由
病気や経済的な理由は除かれますが、学校を年間30日以上欠席した場合に不登校となります。
長期間学校に行けない状態にある場合、お子さんが勉強できる状態にあるか観察してあげてほしいと思います。
見るからに元気がないお子さん、家にいれば元気なお子さん、さまざまだと思いますが、心はとても傷つき、エネルギーが少ない、または全くない状態ではありませんか?
勉強はエネルギーをとても使います。勉強を嫌がる場合、無理にさせることで更にエネルギーを奪い、回復を遅らせてしまいます。
学校に行かないことで回復が進んだ子、勉強が好きな子でしたら、自ら取り掛かったり、勧めれば取り掛かると思います。
しかし、勉強嫌いな子にとって勉強はとても脳に負荷がかかります。エネルギーが貯まっていない状態で、苦手な勉強に取り組むことは、とても辛く苦しいことです。
不登校になるお子さんは、限界までがんばってしまうがんばり屋なお子さんが多いと思いますので、勉強が大事なのは本人も分かっていると思います。
今はできない状態にあるだけで、やらないのではなくできないということを理解してあげてほしいなと思います。
3.五感を刺激する体験学習
今は勉強ができない状態でも、回復をしてきた際には、ドリルなどの勉強ではなく、体験学習がおすすめです。
ドリルなどの苦手意識があるものより、体験学習なら楽しいと感じるお子さんは多いです。更に、五感を使い体験して学ぶことは記憶に残りやすいです。
学びとは学校の勉強だけではありません。生活の中にたくさん溢れています。
ぜひお子さんが好きなこと、興味のあることで体験をさせてあげてください。
我が家が実践した体験学習のひとつにお家でキャンプごっこをした「お家キャンプ」と、実際にキャンプ場に行った「キャンプ」についてご紹介します。
◆お家キャンプ
テレビアニメを観ていた子ども達がキャンプのシーンを見て「キャンプがしたい」と言い出しました。何回も言うので、本当にキャンプがしたいことを感じました。
ですが、私も夫もキャンプをしたことがなく、キャンプに行くのはハードルが高いと感じた私は、まずはお家でできそうな「お家キャンプ」を子ども達に提案しました。
その提案に子ども達は大喜びでした。その日の夕飯をリビングにレジャーシートを敷いて食べました。
普段は出さないジュースも特別に出すことで子ども達も非日常を感じ、いつもより笑顔や会話も増えとても楽しそうでした。子ども達は「またやりたい」と大満足でした。
それ以降、リビングやウッドデッキにレジャーシートを敷いて食事を食べました。キャンプの雰囲気を出す為にアウトドア用品店でテーブルとイスを買い使ったりもしました。
興味のあることを実践したり、普段と違うこと、新しいこと、外で風や匂いを感じながら食べる体験は五感の刺激になりました。
◆キャンプ場
子ども達の本物のキャンプがしたいという思いは強く、私はキャンプ場を調べ始めました。
すると、全てレンタルができる手ぶらプランや、テントを張ってくれるサービス、テントを一緒に張ってくれるサービスがあるところもあり、私のキャンプへのハードルがぐっと下がりました。
家族全員が初めてのキャンプ、発達凸凹があり外出不安がある長男のことを考えて、手ぶらプラン、車で片道20分でいけるキャンプ場にしました。
大自然はありませんが、キャンプ体験ができれば次に繋がると思い選びました。キャンプ場に着いてすでに張られていたテントを見て子ども達は大はしゃぎでした。
薪割り体験、焚き火も初体験しました。普段チャレンジをあまりしない長男が薪割りにチャレンジできたのは環境のおかげだと思います。普段なかなか見せられないパパが活躍する姿も見せられました。
夕飯のバーベキューでは、近くにいた方からマシュマロをいただいたりもしました。キャンプ場の方も親切で、息子達にたくさん話をしてくださいました。
HSCの長男は普段、知らない人とは話せないのですが、キャンプ場の方とは話をしていました。お家キャンプではできなかった体験をたくさんすることができました。
初めてのこと、人との触れ合い、パパの頼もしい姿を見せられたことはキャンプに行かなければ体験できませんでした。
初めてのことや場所で五感を使い感じたこと、薪割りの説明を聞いて理解し記憶して行動したこと、実体験から学んだことで知的好奇心も刺激されたと思います。
発達とは、新しいことを学んで出来るようになることです。キャンプの体験は子ども達の発達に繋がったと思います。
不登校で勉強しない子に勉強をさせるのではなく、楽しい体験学習から学びを得るのはいかがでしょうか。エネルギーが貯まったら、自ら動き出せるはずです!
不登校や勉強しない子のやる気を引き出す方法が知れます!
執筆者:安室ゆう
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)