6歳にもなっても箸が持てない、使えない発達障害のお子さんに困っていませんか?不器用なお子さんに、厳しいトレーニングをさせるのは逆効果です!楽しい遊びを通して箸を上達させることができますよ!我が家で取り組んだ方法をお伝えします。
【目次】
1.発達障害の子どもの箸が使えない辛さ
2.目で見た情報と手先の連動がカギ
3.お箸トレーニングは「遊び」を通して楽しく!
①脳の連動を発達させる遊び
②我が家で効果大だった「塗り絵」
1.発達障害の子どもの箸が使えない辛さ
手先が不器用なのか、なかなかお箸が上手に使えない…。そんなお子さんに、無理な練習は禁物ですよ!
上手くできないことを本人がいちばん気にしているし、上手にやろうと思っても思うように体が動かないんです。
それなのに何度も練習をさせられたら、どんどん自信を失っていきます。
ただでさえ周りの子が上手にできている姿を見て劣等感を抱きやすくなっていますから、おうちでの無理な練習はそれに拍車をかけてしまいます。
我が家の5才の娘がまさにそうでした。
娘は手先を使うことに関して得意なことと不得意なことにばらつきがあって、食事のときはスプーン・フォーク・エジソン箸を使って、手で食べることもたまにあります。
それまでは特にお箸の練習をしていなかったのですが、保育園の年中クラスになってお箸を使える子がちらほらと出てきてから、本人の希望で自宅でお箸の練習を始めました。
ですが、娘は練習してもなかなか思うようにお箸を使うことができず、本人のモチベーションが続かずに練習するのをやめてしまいました。
この頃ちょうど不登園と再登園を繰り返していたのですが、給食の時間だけはかたくなに拒否していたのは、お箸が上手く使えないことを気にしていたのも原因のひとつではないかと思っています。
不登園の理由のひとつになっているのなら使えるようにしてあげたいけど、無理はさせられない…。
本人が自信を取り戻せるようなアプローチができないものかと考えました。
2.目で見た情報と手先の連動がカギ
手先の器用・不器用は、脳の発達と関係しています。
手先の細かな動きに限らず、手足を動かすときに脳は目で見た情報を受け取って、それに合った動きをするよう手足に指示を出すということをしています。
動きがぎこちなかったり手先が不器用な子は、目で見た情報と手足の動作との連動が未発達な状態です。
つまり、連動性を発達させれば改善するということなんです。
でも、無理な練習は禁物です!
グレーゾーンのお子さんはネガティブな記憶が残りやすいので、失敗の経験が積み重なると、立て直すのに余計に時間と労力がかかってしまいます。
3.お箸トレーニングは「遊び」を通して楽しく!
無理な練習は禁物。ではどうすればいいのかというと、本人が楽しみながらできることをやるのがポイントです。
◆①脳の連動を発達させる遊び
挫折しないように本人のレベルに合わせて、楽しみながら脳の連動を発達させるような動きをたくさんするのがポイントになります。
たとえば、
・粘土あそび
・ビー玉あそび
・お絵描き
などが効果的です。お絵描きは、初めは線や丸などおおまかなものを描くことから始めていくといいですよ。
◆②我が家で効果大だった「塗り絵」
我が家の娘が、上手くお箸を使えるようになるのに効果があったのはぬり絵でした。
初めの頃はあまり上手に塗れませんでしたが、「この色かわいいね!」「はみ出さずに塗れたね!」など、本人のモチベーションが上がるような声かけをしていました。
娘は好きなキャラクターなどのぬり絵を楽しんでいるうちに、だんだん細かな部分も上手に塗れるようになっていきました。
これは、脳の連動性が発達して手先の細かな動きもコントロールできるようになってきたからなんです。
そんなある日、夕食で鉄板焼きをしていたときのことです。
目を離しているときに娘が、まるごと焼いていたしいたけを私のお箸を使って裏返しました。大きなものだったので、簡単につかむことができたようです。
「すごい!お箸で上手にできたね!」と私と妻が褒めたところ、娘はとても満足気な顔をしていました。
その一件で自信を付けた娘は、それ以来すすんでお箸を使うようになって、使う機会が増えたことで上達していくという好循環が生まれました。
そして、あれほどかたくなに拒否していた保育園の給食も、園庭で食べるお楽しみイベントというきっかけはあったにせよ、ついに食べに行くことができたんです!
帰ってきてから娘に聞いたところ、先生やお友だちにお箸を使っているところを見せられて満足な様子でした。
このように、苦手なお箸を無理して練習するのではなく、お子さんが楽しんでできる遊びを通して使えるようになる方法、ぜひお試しください!
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執筆者:大谷聡志
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)