登校渋りや不登校で授業にあまり出ていない、出された宿題もやってない。「勉強が苦手」と一括りにするのではなく、お子さんの特性を理解してお子さんに合った対応をすれば才能は伸ばせます!苦手意識に繋がる原因と、我が家の家庭学習の方法をご紹介します!
【目次】
1.授業を受けず宿題もしない
登校渋りや五月雨登校、不登校で受けている授業があったりなかったり。出された宿題もあまりやらない。そんなお子さんの学習の遅れが気になるご家庭もあるのではないでしょうか。
中には学校の勉強が苦手で前向きに取り組めないお子さんもいるかと思いますが、一口に「勉強が苦手」と言っても、苦手なことの原因は様々です。
例えば、読むのが苦手、書くのが苦手、読み書きはできるけど黒板の字をノートに書き取るのが苦手、など。
それは、脳のどの部分に特性があるかによって得意・不得意が違ってくるため、状況に個人差があるからです。
我が家の9才の息子は、言語能力や数字の感覚は年齢相応に備わっていて、習ったことのない漢字も読めたり、たし算・ひき算もでき九九も覚えていますが、字を書くのが苦手です。
ひらがなとカタカナがごちゃ混ぜになっていたり、漢字の線が多かったり少なかったり。本人も書くことに対して苦手意識があるため、書き取りの宿題は特にやりたがりませんし、文字を書かなくて良い宿題はほぼないので宿題全般を嫌がります。
2.勉強に対する苦手意識に繋がる発達特性
先ほど、脳のどの部分に特性があるかによって得意・不得意が違ってくる、と書きましたが、それぞれ簡単に違いをお話しします。
◆①読むのが苦手(ディスレクシア)
文章を読むとき、私たちは脳内で目で見た文字の形を認識し、単語ごとに区切って、音に変換して意味を理解する、という複雑なことをしています。
読むのが苦手な人は、この一連のプロセスをつかさどる脳の機能がうまく機能していないことによって困りごとが起こっています。書くことも同時に苦手な人もいますが、特に読みの苦手が強く出ます。
このような人は目で見た情報の処理に困りごとの原因があるため、同じ文章を音で聞けば理解できます。そのため、口頭での指示や、文書を音声読み上げソフトで聞いて理解するなどの対応が有効です。
◆②書くのが苦手(ディスグラフィア)
書くのが苦手な人は、先ほどのディスレクシアが原因の場合もありますが、指先を使った細かな作業が苦手だったり、目で見た情報と指先の細かな作業との連動(協調運動)がうまく機能していないことが原因です。
専門用語では発達性協調運動症(DCD)というのですが、同年代のお子さんと比べて動きがぎこちなかったり、遅かったり、不正確だったりします。
そのため、文字の見本を見ても正確に書き写せなかったり、枠からはみ出してしまいます。
目と指先の連動が発達すれば改善するので、粘土遊びやお絵描きなどを通して発達を促すことができます。
◆③黒板の字をノートに書き取るのが苦手
読み書きは問題なくできるのに、黒板の字をノートに書き取るのが苦手な場合は、作業に必要な短期的な記憶(ワーキングメモリ)が低いことが原因です。
黒板の文字を見たとき、脳は目から入ってきた情報をいったんワーキングメモリに書き込んで、ノートに書き写す時にその情報を使って字を書きます。
ワーキングメモリが低いと、脳の中にいったんメモしておくための情報量が少なくなってしまうので、書き写しがうまくできないということになります。
ワーキングメモリを鍛えるには、ほかの人が言った言葉を、後に続いて復唱するシャドーイングが有効です。
3.我が家の家庭学習方法
我が家の9才の息子は、字を書くのが苦手なディスグラフィアと、ワーキングメモリが低いことが原因で勉強に対する苦手意識を持っています。
そんな息子ですが、小学校入学前からスマホとパソコンを使いこなしていたため、スマホやキーボードでの文字入力は得意です。その特性を活かして、息子には以下のような学習方法がカチッとはまりました。
◆①スマホアプリ(計算・漢字)
スマホアプリのメリットは、字を書かなくてもいいことと、鉛筆を使わず指で書けることです。
まず計算に関しては、問題がクイズ形式で画面表示されて答えをタップして答える方式のため、字を書く必要がないため取り組むときの心理的なハードルが低いです。
また、凸凹キッズはミッションをクリアしていくワクワク感やクリアした時の達成感が大好きなので、その場で正解・不正解がわかるアプリはピッタリです。
次に漢字アプリに関しては、画面上の見本を指でなぞる形なのですが、手先が不器用な息子にとっては鉛筆を使うよりも簡単なようです。
ただ、実際に紙に鉛筆で書くときにはそうはいきませんので、こちらは今のところそれほど効果を感じることはできていませんが、読むことはできるので日常生活にそれほど支障はない状況です。
◆②タイピングソフト
小学校入学前からパソコンでゲームをしていた息子は、キーボードはパソコンに信号を送るためのツールだという認識はあって、キーボード上のアルファベットは読めていました。
そして、たいていのタイピングソフトは、プレイヤーのレベルに合わせて課題の難易度が上がって行き、課題をクリアしてレベルを上げていくような作りになっています。
先ほども書きましたが凸凹キッズはミッションのワクワク感と達成感が大好きなので、遊びながらタイピングをしているうちにどんどん上達していき、今ではほぼブラインドタッチができています。
また、息子が遊んでいるオンラインゲームではチャットを多用するため、それも上達を加速させる要素になって、文字を書くよりも打つ方がはるかに速く文章を書けるようになっています。
今では息子は、パソコンは自分の得意分野だという自信を持つこともでき、自作のゲームを製作するために英語のプログラミング言語をタイピングするなど、さらに進化を続けています。
いかがでしたでしょうか。「勉強が苦手」と一括りにするのではなく、お子さんの特性を理解して、苦手克服ではなく得意を伸ばすことでお子さんの隠れた才能を存分に発揮させることができますよ!
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執筆者:大谷聡志
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)