私がこの状況を変えるためにしたことは、「早く寝なさい」と促すことではなく、寝る前に子どもの体をゆるめる時間を作ることでした。
それが、寝る前のマッサージです。
寝るのが怖い子に必要だったのは、説得ではなく「安心してもいい」と体で感じる時間だったのだと思います。
マッサージで子どもの体に触れることで幸せホルモンのオキシトシンが分泌されます。
このオキシトシンは安心や幸福を感じることができ、不安感や恐怖心を和らげる効果もあります。
更に愛着も深まるのです。愛着が深まるとコミュニケーション力もアップします。
オキシトシンが分泌されるのはお子さんだけでなく、ママにも分泌されます。なので、ママにも効果があります。
やり方は簡単です。横になっている子どもの体に指圧をするように指で押すだけです。
強さは子どもに確認しながら行いました。心地良い強さが本人でないと分からないからです。
マッサージする箇所は、本人から希望があった場合にはその箇所を行いました。
指で押す以外にも、さする、揉む、叩くなどがあるので、お子さんが好む方法で試してみてください。
マッサージの間は他愛のない話をしました。
時折、不登校になる前学校で嫌だったこと、今日あった不安なことなども話してくれるようになり、親子のコミュニケーションの時間にもなりました。
毎日寝る前に子どもにマッサージをすることで、夜のマッサージを楽しみにするようになり、言ってもやめられなかったゲームが自分でやめられるようになりました。
今日は少しゲームが長いなと思う日には、「マッサージはいつする?」と聞くと、「あと10分」と決められるようになりました。
「マッサージして」と言い、自ら布団に入るようにもなりました。
初めの頃はマッサージをして寝るまで1時間かかっていたのが、今では長くても15分程で寝られるようになりました。
現在は小学校3年生になり、怖い夢もほとんど見なくなり、楽しかった夢を話してくれるようになりました。
寝るのが怖い子は、わがままを言っているのではなく、安心して眠る力を育てている途中なのかもしれません。
「寝なさい」と言っても動けなかった子が、「マッサージして」と言って自分から布団に入れるようになったのは、寝る前の時間に安心できる記憶が少しずつ増えていったからです。
夜の親子バトルを減らす第一歩は、子どもを無理に寝かせることではなく、眠る前の脳と体に「安心していいよ」を届けることです。
まずは今日の夜、お子さんの好きな強さで背中や足をさすりながら、「怖かったんだね」「ママがそばにいるよ」 と短く声をかけるところから始めてみてください。
夜寝るのが怖い子どもによくある質問
Q1.子どもが「寝るのが怖い」と言うのは甘えですか?
いいえ、甘えとは限りません。怖い夢を見た記憶や、暗い部屋への不安、寝室に行くとまた怖くなるかもしれないという緊張が重なると、子どもにとって寝る時間そのものが「安心できない時間」になることがあります。
特に発達の特性がある子や人一倍敏感な子は、不安な記憶を強く残しやすく、夜になるとその記憶がよみがえりやすいことがあります。
「怖くないよ」と否定するよりも、まずは「怖かったんだね」と受け止め、安心できる関わりを増やしていくことが大切です。
Q2.寝る前に怖いことを考えてしまう子どもには、どう声をかけたらいいですか?
「大丈夫だよ」「早く寝よう」と言いたくなりますが、不安が強いときの子どもには届きにくいことがあります。おすすめは、短く安心を伝える声かけです。
「怖かったんだね」「ママがそばにいるよ」「体をゆるめてから寝ようね」このように、怖さを否定せず、安心できる感覚に意識を向ける声かけをしてみてください。
言葉だけで落ち着かないときは、背中をさする、手を握る、足をマッサージするなど、体から安心を届ける関わりも効果的です。
Q3.子どもが寝る前にゲームをやめられないときはどうしたらいいですか?
寝る前のゲームを無理に取り上げると、癇癪や親子バトルにつながることがあります。ゲームをやめられない背景には、「もっと遊びたい」だけでなく、「寝るのが怖いから寝る時間を先延ばししたい」という不安が隠れていることもあります。
その場合は、ゲームをやめさせることだけをゴールにせず、ゲームの後に安心して布団に入れる流れを作ることが大切です。
たとえば、「あと何分にする?」「終わったらマッサージしようね」と、子どもが自分で区切りを決められる声かけに変えてみましょう。
寝る前に安心できる習慣ができると、少しずつゲームから布団への切り替えがしやすくなります。
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執筆者:安室ゆう
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)