カサンドラ症候群のママの心の健康と子育てを改善する専門家〜蒔田ようさんへのインタビュー〜

 

人とのコミュニケーションが苦手なASDキッズの対応に疲れを感じるママは多いはず。お子さんだけでなく、ママが自分をケアすることで、驚くほど親子がイキイキ過ごすことができるようになりますよ。カサンドラ症候群のママの心の専門家・蒔田ようさんにお話を伺いました。
 

【目次】

 

1.「誰か正解を教えて!」と子育てに自信をなくしていました。

 
 
 自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんの対応にお困りのママはいませんか?
 
・意思疎通ができない
・子どもが何を考えているかわからない
・どう対応していかわからない
 
自分の子育てに自信をなくして心も体もヘトヘト…。
 
 
そんな子育てに疲れてしまったママには『自分のケアを優先して欲しい!』とおっしゃるのは発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)トレーナーの蒔田ようさんです。
 
 
蒔田さんご自身も「誰か正解を教えて!」と思い詰めるほど子育てに疲れ、自信をなくしてしまったママのひとりでした。
 
 
蒔田さんが発コミュと出会い自分自身をケアすることで明るさを取り戻すと、驚くことに、お子さんの困り事が3週間!という速さで解消されたんです。
 
 
そんなご自身の経験を活かして、現在は「カサンドラ症候群」のママの心の専門家として活動されています。
 
 
 
 
トレーナーとしての仕事はもちろん、プライベートについてもいろいろとお話を伺っていきます。 こちらの記事は3回にわたるインタビュー記事の1回目の記事になります。
 
 

2.ASDキッズママが感じる子育ての疲れとは?

 
 

ーーーさっそくですが、自己紹介をお願いします。

 
 「ASDグレーゾーンの家族に疲れたママの心の健康と子育てを改善するチームセラピー発達科学コミュニケーション蒔田ようです。
 
 自閉症グレーゾーンキッズの子育てに奮闘中のお母さん。誰にもこの辛さはわからないと心と体が限界の状態で子育てをしていませんか?
 
どう対応したらいいかわからない。誰に相談しても解決しない。私がダメなんだって自分を責めてしまう。かつて私もそうでした。
 
我が家の長女はASDキッズで、ほんの2年前まで何に対しても無気力で登校しぶり、家では癇癪を起こす。私は娘が何を考えているのかわからないダメな母親だと、子供に隠れてよく1人で泣いていました。
 
しかし、発達科学コミュニケーションに出会って
 
・我が子の本当の困り事を知る
・コミュニケーションを変える
 
という最初の2歩を踏み出しただけで、 私も子どもも大きく変化しました。私の生きづらさは解消し、子供も自分のやりたいことに取り組んでいます。
 
どうか一人で抱え込まないでください。孤立を防ぐことからスタートです。お母さんの心を整えながら、 お子さんにあった対応を学びましょう。悩みを共有できて、安心できる居場所はここにあります。」
 
 

ーーー蒔田さんはASDグレーゾーンの家族に疲れたママの心の健康と子育てを改善する専門家とのことですが、ASDキッズ特有の困りごとってどんなことですか?

 
 「自閉スペクトラム症のお子さんは大きく言うとコミュニケーションの難しさを抱えています。
 
・話が一方的になる
・自分の気持ちをうまく言葉にできない
・物事の感じ方、捉え方に違いがある
 
などの特性があり、どうしても会話がうまく噛み合わず、友達や家族とのコミュニケーションが取りづらくなってしまいます。」
 
 
 
 

ーーーASDキッズのママにはどんな疲れが出てくるのでしょうか?

 
「ASDキッズはさっと動けないお子さんが多いので、何度も同じことを言っても伝わらないと困ったり、お母さんが思ってもみない感じ方、捉え方をしたりすることもあってすることもあります。
 
日々のやり取りの中でどうしても上手く伝わらない、気持ちのすれ違いが生じてしまいます。
 
そうすると、お母さんは親子関係がうまく築けていないように感じたり、 お母さん自身が自分の言い方が良くないんじゃないか?接し方がダメなんじゃないか?と自分を責めてしまうことで疲れてしまうと考えられます。
 
また、周囲にあまり理解してもらえないことでの疲れもあるといえます。
 
例えばちょっとお子さんが落ち着きがないタイプの場合には、周囲の人から『しつけが悪い』『お母さんの対応が良くないんじゃない?』などと言われてお母さんが孤独感を強めてしまうことが多いです。
 
逆に、すごく大人しいタイプの場合はお母さんが悩んで相談しても、『えーこの子が?うちの子の方が大変ですよ』『お母さんが心配しすぎ』などと困り事をわかってもらえないことで、お母さんがどんどん孤立を強めてしまうっていうことが起こってしまいます。」
 
 

3.心のSOSを見逃さないでママ自身を大切にしたい理由

 

ーーー周囲には本当の困り事が見えにくいことで、共感も得られずASDキッズのママは心が疲れきってしまうと思うのですが、この状態が続くと良くないことはありますか?

 

「そうですね。カサンドラ症候群と言われているのですが、ASDの家族の方をサポートしていく上で、サポート役のお母さんに疲れが溜まってしまう症状がみられます。

 

最初は心の落ち込みだったりとか、なんかちょっとモヤモヤするなっていう状態から『なんか最近、頭が痛いんだよね』とか『最近、疲れやすくなった』などちょっと気になる体の変化が現れていきます。

 

ひどくなると自律神経失調症、不眠など体の不調としていろいろな形で出るようになってしまいます。」 

 
 

◆ポイント解説

 
 
カサンドラ症候群とは?自閉スペクトラム症(ASD)などのある家族や身近な人とのコミュニケーションがうまくいかず、その困難さが周囲に理解されないことがきっかけとなり、心身に不調が出ている状態のことをいいます。
 
カサンドラ症候群は精神面では「抑うつ」や「自己評価の低下」、身体面では「不眠」や「体重の増減」などの不調が現れることがあるといわれています。
 
カサンドラ症候群はそのような状態を指す言葉で、医学的な診断名ではありません。もともとはパートナーとの関係によって生じると考えられてきました。
 
時代が進むにつれて、自閉スペクトラム症(ASD)などのある子どもがいる保護者についても使われるようになってきました。 
 
 
  
 
 

ーーー周囲には本当の困り事が見えにくいことで、共感も得られずASDキッズのママは心が疲れきってしまうと思うのですが、この状態が続くと良くないことはありますか?

 
 「自分の過去の経験から子どもに同じような思いをさせたくないと考え、頑張るお母さんがほとんどだと思いますが、自分にないものをお子さんに伝えていくのはなかなか難しいです。
 
簡単に言うと、お子さんの自己肯定感を高めたいと思うお母さんが多いと思いますが、自分にない自己肯定感をお子さんにつけるにはなかなか難しい。
 
そう言った意味でも、お母さんがまず自分の心を整えていくっていうことが大事だと思っています。
 
変えるのはお子さんではなくて自分自身が変わる。お子さんはお母さんの背中を見て育つので結果、お子さんにいい影響が伝わっていくというように考えてもらえると自分自身にも目を向ける重要性をわかっていただけるかなと思います。
 
自分をケアできるお母さんはお子さんのケアも上手です。自分を癒すのが上手なお母さんはお子さんを癒すのも上手という感じでまず、自分に目を向けていくっていうことが大事なポイントだと考えています。」
 
 

4.仲間がいる、チームで学びを深め最速で子育て上手になれる

 
 

ーーー蒔田さんがチームセラピーという形で発コミュ(発達科学コミュニケーション)のレクチャーを進めていくおすすめポイントはどこにありますか?

 
 「まず、カサンドラ症候群のASDキッズのママたちの心の中には誰にもわかってもらえないという辛さがあり孤独感、周囲から孤立してしまっている状況にある場合が多いと考えられます。
 
そこで、チームセラピーという形で発コミュを学んでいくことで1人で抱え込まなくていい環境が整い、孤立を防ぐことができます。
 
そして、そのチームの仲間は同じ境遇のママ達なので悩みを共有しながら脳科学の根拠に基づいたメソッドで、お子さんに合った対応を学んでいけるということでチームセラピーを私はおすすめしています。」
 
 

ーーー子どもの困り事でなかなか共感してもらえないお母さん達の辛さを考えると、悩みをわかりあえる環境というのは安心できる場所ですね。そこで蒔田さんが脳科学的な対応の仕方を教えてくださるのは心強いし、進むスピードも早くなりますよね?

 
「そうですね。変化が早いというのは1つ大きな利点だと思います。
 
チームの仲間の経験談を聞くことで、理解が一気に深まったり、自分自身では思いつかない視点に気づき、視野が広がることもあり自分の子育ての変化が早まる効果が期待できます。
 
私の生徒さんは、 お子さんの対応に毎回迷うという方が来られることが多いのですが
 
このチームセラピーを経験することで『自分に子育ての軸ができました』というお声をいたいただきます。
 
その時々に合った対応の使い分けができるようになり、まさに子育て上手になるというところが大きな成長かなと感じています。」
 
 
 
 

◆ポイント解説

 
 
今まで孤独感を抱えていたカサンドラ症候群のママがまさに同じ境遇のママとチームをつくり学ぶことで最短で子育て上手になれる。
 
 蒔田さんの提案するチームセラピーが効果的なことがよくわかりますね。
 
次回のインタビュー2回目の記事では、発コミュをはじめた蒔田さんの自身とお子さんの変化についてお話をお伺いしていきます。
 
 
 
 
 
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執筆者:嘉山葉子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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