起立性調節障害の不登校中学生が動き出す!「完璧主義思考のクセ」リセット術

起立性調節障害の不登校中学生には身体のケアと心の問題の解決が必要です。完璧主義思考の強い子がなぜストレスを貯めやすく自律神経を崩しやすいのか、親はどう対応したらいいのか。不登校の息子が高校合格を掴んだ経験を持つ私から解説します。

【目次】

1.起立性調節障害の治療には身体と心の問題解決の2本軸が必要
2.優等生の我が子が?起立性調節障害になりやすい子どもの傾向
3.不登校になった中学生の息子が発コミュで大きく変化成長!
4.対応のカギは、完璧主義思考のリセット
①存在そのものを肯定する声掛け
②お子さんのしていることに興味関心を示す

1.起立性調節障害の治療には身体と心の問題解決の2本軸が必要

朝起きられない、なんだかやる気がない様子なのに午後には普段通りに戻る…
そんな様子が気になるお子さんには「起立性調節障害」という病気が隠れているかもしれません。
「起立性調節障害」は自律神経の乱れによって、座った状態の時や立ち上がった時に脳への血流が低下してしまう病気です。
主に朝起きられない、倦怠感、頭痛、めまい、立ちくらみ、腹痛といった症状があります。
小学校高学年から中学生にあたる10~16歳の思春期の子どもに多く出る病気です。
ちょうど第二次性徴期とも重なり、身体のさまざまな機能が大人へと変化していく時期ですので自律神経系も不安定になりやすいことも関係します。
周囲からは、疲れているからちょっと休ませれば大丈夫、怠けているだけなのでは、などと誤解され、本人も辛い思いをしているかもしれません。
そんなお子さんの様子を見ていると、まずは身体的な症状をどうにかしてあげたいと、病院、漢方、カウンセリング、整体、栄養療法など、身体の治療ばかりに目が行きます。
たくさんの身体へのケアを施すものの、それでもなかなか治っていかない。
それはなぜかというと、起立性調節障害を直すにはもう一つの大事な軸「お子さんの心の問題」の解決が必要であるからです。
起立性調節障害は心身症と呼ばれており、身体と心の問題が互いにかかわりあって起こります
ですから、身体の問題だけに向き合ってもなかなか治っていかないのです。
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2.優等生の我が子が?起立性調節障害になりやすい子どもの傾向

「え⁉今まで優等生でやってきたのに、うちの子に限って心の問題なんて!」と思われた方。
お子さんに次のような傾向はありませんか?
タイプ①自己主張が強く空気が読みにくく孤立しやすい
タイプ②空気を読みすぎて自分の気持ちを押し殺し、ストレスをためやすい
こんなタイプのお子さんは、発達の中でも社会性の部分で課題を抱えていると言えるお子さんです。
タイプ①のお子さんは、自分のこだわりが強く、自己主張が強いのですが、周囲の空気を読みづらいがゆえに孤立していきがちです。
お子さんご自身もうまくいかなさを感じていて、馴染もうと頑張っているのですが、どうしても空気を読むのが苦手で自分のこだわりを曲げることもできないのでいつも葛藤を抱えています。
タイプ②のお子さんは頑張りすぎて無理をする、人の期待に応えることができないと不安になる…というタイプのお子さんです。
人の気持ちや雰囲気をキャッチすることはできるのですが、自分の気持ちや体調をキャッチすることが苦手です。
ですので、身体に影響が出るまで頑張り続けてしまいます。
どちらのタイプのお子さんもストレスをためやすく、自律神経のバランスを崩しやすいんです。
そしてそれが、行動を起こそうとするときにも邪魔をする、そんなことが起こります。
なぜなら、お子さんの「こうでなければいけない」という完璧主義の思考のクセから、「完璧にできそうにないことには挑戦しない」というスタンスを生み出すから。
・勉強の遅れを取り戻すまでは登校できない
・学校のお友達と今更なじめない
・いまさら言ってもどうせ無理!
このような思考で失敗を恐れるがあまりに、なかなか次の一歩が踏み出せません。
そして一旦行動を止めてしまったお子さんがいきなり完璧を求めても、最初から完璧にいくことはありません。
だからこそ、完璧主義の思考のクセをリセットしてあげることが集団へ復帰するときの大事なポイントになります。
逆に言うと、思考のクセをリセットするとストレスをためにくく、なんでも挑戦できるようになる!というわけなんです。

3.不登校になった中学生の息子が発コミュで大きく変化成長!

我が家の息子も中学生の時に起立性調節障害になり、不登校を経験しました。
息子には強く思い描いた理想の中学生像があり、自分もそうなろうと過剰に適応しようとしていました。
それと同時に、周囲の人にもそれを押し付けたり、こだわりの強さからイライラすることが多く、ストレスを貯めていきました。
やがて、頭痛・腹痛が激しくなり、朝起きられない状態に。
厳しい校風の学校に入学し、理想の中学生像に沿うように頑張りすぎた結果でした。
そこから半年間の絶望の日々が始まりました。
病院に行けどもカウンセリングに行けども、メンタルトレーニングに行けども、一向に良くならない。
体ではないほかの部分の問題だということに気づき始めた私は、発症から半年後に発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)に出会うことができました。
そして息子の発達がグングン加速し、何と発コミュ開始から2週間で登校開始!
修学旅行も笑顔で参加。チームで臨む科学甲子園ジュニアの全国大会にも行きます。
さらには、倍率10倍のアメリカ留学にも応募し、1年間の勉強の遅れを取り戻し、特別奨学生として高校への進学を決めました。
では私が発コミュに出会ってどんな対応をしてきたのか、次で述べますね。
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4.対応のカギは、完璧主義思考のリセット!

息子の起立性調節障害で心の問題を解決するカギは完璧主義思考のクセをリセットしたことです。
私がどうしたかというと、肯定の声かけで自信を回復し、好きなことに徹底的に付き合い行動量を上げ、ネガティブな脳の反応を一気に好転させていくことをしていきました。

◆①存在そのものを肯定する声掛け

完璧な自分しか許せないお子さんに「できたね」、「すごいね」のような褒め方をすると、どうなるでしょう。
「できなきゃだめなんだ」、「これをしなきゃ認めてもらえないんだ」と、逆に完璧を追い求めることを助長させかねません。
じゃあどんな場面で子どもを肯定したらいいの?と思われるお母さん、大丈夫です。
お子さんのしている行動、様子をそのまま言葉にすることを意識してみてください。
「おはよう、今日も元気そうで嬉しい」
「ご飯、半分食べたんだね」
「どれが美味しい?」
「何しているの?」
などと、どんな状態であってもお子さんそのものの存在を受け入れているよ、というメッセージを伝えていきましょう
こうすることで、「完璧でいなきゃいけない」という思考が和らいでいき、今の自分でも大丈夫と自信をつけることに繋がります。

◆②お子さんのしていることに興味関心を示す

完璧主義がゆえ、できそうにないことに挑戦しないという思考のクセから行動力が落ちている時は、子どもの興味に関心を示します
「どんなYouTuberが流行ってるの?」
「何か面白い動画ある?」
と、声を掛けます。
お母さんが自分の好きなものに興味を示してくれたら子どもも単純に嬉しいですよね。
加えて、これをとっかかりにして興味のあるものを買いに行こう、イベントに出かけてみようなど、動かなかった子どもが動き始めるきっかけになったり、行動範囲をひろげることができるようになるのです。
このように対応してきたことで、息子の完璧主義の思考のクセが緩んでいきました。
・午後からでも登校できるようになる
・自分も人も許せるようになる
・理想の中学生像に悩まされず、等身大の自信を身につける
・謙虚に遅れた分の勉強をお友達に教えてもらうことができる
・たくさんの人を受け入れ、受け入れられる経験を積むことができる
・苦手にも粘り強く取り組む
そんなことが現実となりました。
自信をつけると、固執していた思考のクセをが緩み、自分も人も許せるようになったんです。
そして、「できるイメージ」を持つことができた息子は等身大の自分を認めたうえで、「完璧にできそうにない」ことにも果敢に挑戦し、理想と現実のギャップを少しずつ埋めていくということができました。
病院に行ってもカウンセリングに行っても動き出さなかったのが嘘のように、 思考のクセをリセットすることで息子の回復は早まったと感じています。
ぜひ皆さんも、お子さんの完璧主義思考のクセをリセットするかかわりを実践してみてくださいね。
完璧主義な起立性調節障害の思春期男子の対応・ヒントをお伝えしています!
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執筆者:大下真世
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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