叱らない育児をしたいけれど、ADHDの問題行動を前に結局イライラしてしまう…それを解決するのがカナダ式子育てです!ADHDの怒りっぽさを解明し、なぜ叱らない・しつけない育児でADHDの問題行動がすーっとなくなるのかをお伝えします。
【目次】
1.ADHDっ子の問題行動と怒りっぽい原因
2.叱る・しつける育児で母はイライラ、ガミガミに
3.叱らないカナダ式子育てでADHDの脳が発達する
①しつけとは真逆のカナダ式叱らない育児とは?
②「ポジティブスタート」で肯定してから指示出しする
③叱らない好循環でADHDの問題行動が減る
1.ADHDっ子の問題行動と怒りっぽい原因
発達障害の一つである注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプのお子さんで問題行動が多く怒りっぽいために、お母さんは毎日の生活でイライラ、ガミガミになってしまっていませんか?
ADHDタイプの子は行動面での困りごとが多いです。
ADHDの三大特徴として衝動性、多動、不注意がよく知られていますが、それぞれの特性が行動面での困りごとを生み出します。
<衝動性>
・衝動的に行動してしまう
・人をさえぎって喋る
・考えるより先に手が出る
<多動>
・体が動いてしまう
・落ち着きがない
<不注意>
・忘れ物が多い
・忘れっぽい
などが特徴としてありますが、これは脳の発達に凸凹があるからなのです。
人はみんな脳に凸凹を持っていますが、その差が大きいか小さいかの違いです。
ADHDタイプの脳の特性からくる困った行動は次のようなことが多いです。
・片付けられない
・身の回りの整理ができない
・物の管理が極端に苦手
・考える前に触ってしまう
・人の話を聞いていない
・返事をしない
・好き嫌いがとてもはっきりしている
・やりたくないことは先送り
このようなことがしょっちゅうあると、
だらしがない!
そういうのやめて!
なんですぐに動いてくれないの!
とお母さんとしてはどうしても叱ることばかり、イライラ、ガミガミになってしまいます。
そして、同じ様な行動が学校でもあれば、先生にも似たようなことを言われ続けてしまいます。
特に学校という集団生活ではADHDの特性からくる行動が悪目立ちしてしまうんですね。
毎日毎日、何かしら自分のしたことで叱られる、注意される。
けれど、脳の凸凹から出る行動は直せないので、叱られれば叱られるほど自分はダメな子だと自信を失っていき、ストレスが溜まっていく。
叱る・しつける育児を続けると、どんどん言うことを聞かなくなりさらに怒りっぽく・キレやすくなり行動が悪化してしまうんです。
2.叱る・しつける育児で母はイライラ、ガミガミに
私も過去には実母から「叱りすぎじゃない?」と言われるほどイライラ・ガミガミママでした。
けれどそうなると、先に述べたように子どもの怒りが増すという悪循環になってしまうのです。
叱らない育児、という言葉が世の中でよく聞かれるようになりました。
きっと叱らずに済むなら叱らない育児をしたいと思っているけれど、なかなかできなくて難しいと感じる方が多いと思います。
特に、ADHDで感情コントロールが苦手な子の場合、叱らない育児は実際問題難しい、本当にしんどいですよね。
なぜなら怒る子にお母さん達はどうしても感情が引きずられイライラしてしまうからなんです。
叱らないと言っても、叱らないでおこう、叱らないでおこうと忍耐、気力、気合いでどうにかしようとすると、お母さんのストレスになりいつか爆発してしまいます。
しかし、ここで引きずられると逆効果になってしまいます。
なぜかと言うとこれが怒りの悪循環にハマる入り口だからです。
子どもがイライラしている
↓
ママが指示する
↓
指示を聞かない
↓
ママが怒って言い返す
↓
子どもがさらに怒る
↓
ママが怒る
↓
子どもが怒る
こんな怒りの悪循環にハマると、負の感情やストレスは脳の発達をゆっくりにさせてしまうので、ADHDの問題行動は悪化し怒りっぽさ・キレやすさも増していきます。
ですので、ここで叱らない育児に切り替えてまず怒りの悪循環を止める必要があるのです。
3.叱らないカナダ式子育てでADHDの脳が発達する
そもそも子ども達が好ましい行動を自分からしてくれれば叱る必要がないですよね。
子ども達に問題行動があるから怒りの悪循環にはまってしまうので、子ども達の行動を改善させることを先にしていきたいのです。
そのためにやることはお母さんの対応を変えることです!
大人がその子に合った対応をしていれば行動は改善されていきます。
◆①しつけの子育てとは真逆のカナダ式子育てとは?
ここで叱らないカナダ式子育てなんです!
私はカナダに住んでいるんですが、カナダの人は叱らず、しつけようとせずに子どもを行動させるのが本当に上手なんです。
肯定を常に子どもにしている、そして肯定しようと思ったら子どものいいところを見ないと肯定はできないので、子どものいいところを見る力をみんなが自然に持っているのです。
逆に日本のしつけはできないところを直そうとする育児なので、ある意味真逆と言えます。
カナダ式子育てでは、いいところをまず褒めるのが基本なのです。
◆②「ポジティブスタート」で肯定してから指示出しする
例えばカナダの通知表は、最初の前半はいいことが沢山書いてあり、その後に子どもたちの取り組むべき課題などが書かれています。
先生との懇談会では、まず先生から「ポジティブスタートしましょう!息子さんのポジティブなことを教えて!」と言われたりします。
そうするとみんな明るく気持ちよく会話がスタートして、課題にも気持ちよく取り組もうと思えるようになります。
日本だといきなり指示を出してしまうことが多いのですが、カナダでは「ポジティブスタート」なのです。
まず肯定をしてそこから指示を出していきます。
そうすると子どもは気持ちよく動いてくれると思いませんか?
そして、気持ちよく動いたことをさらに褒めるわけなんです!
そうすると褒められたら子ども達はその行動をまたやろうとしてくれるようになっていきます。
そうするとお母さんは叱らなくてもよくなっていく。これが叱らない育児の好循環になるんです。
例えば日常の一コマで…
「ただいまー!」と子どもが帰ってきた時に靴を脱ぎ散らかしたとします。
ここで、できていないところに注目するしつけの子育てだと
「こら!靴揃えなさいっていつも言ってるでしょ!」となりがちです。
だけどできていることに注目する叱らないカナダ式子育てだと、まず靴は置いておいて「おかえりー!楽しかった?」と聞きます。
子ども達は「楽しかったー!」となるので
「そっかー!それはよかったね!」と肯定を入れて
「じゃあさ、靴揃えよっか!」と指示出しします。
すると子どもは「ごめん、ごめん!」と靴をそろえてくれるんです。
そして「さすが‼」と褒めて終わります。
1つのシーンで日本とカナダでは会話の量も肯定の量もこれだけ違うのです。
◆③叱らない好循環でADHDの問題行動が減る
この叱らない好循環の育児は脳が発達していく育児でもあるんです!
なぜかというと脳が発達するのは子どもがポジティブな感情で行動した時だから。
肯定でポジティブスタートして行動させていくので脳が発達していくのです。
脳が発達していくということは子どもたちの凸凹脳が発達するわけですので、凸凹からくる困りごと、特に問題行動がまずなくなっていきます!
ウロウロしてしまうのを動かないように頑張る力が出てきたり、やってはいけないことをやらないように頑張って自分でコントロールできようになっていきます。
好ましい行動が出るたびに褒めることで、さらにその好ましい行動が習慣化すると、脳が発達する好循環に入っていくので子どもの発達がグングン進んでいきます。
これまでの怒りの悪循環から叱らない好循環に変えていくわけですので、最初は特に肯定をしっかりと入れていきましょう。
まずは、子どもたちのできてるところを見つけることから始めてみてください。
そしてそこを褒めるだけでOK!
叱るのではなくお子さんとの会話を肯定から始めるチャレンジをしてもらえると嬉しいです!
発達障害・グレーゾーンの様々なお役立ち情報が学べます!
執筆者:梅村やよい
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)