極度の怖がりで小学生になっても自転車に乗れない子にお困りではありませんか?不安が強い発達障害の子の場合、自転車練習には乗り方と共に自転車に乗るための意欲が大事。今回、補助輪なしで自転車に乗れるようになった秘訣をお伝えします。
【目次】
1.小2の息子が自転車に乗れない!
2.発達障害で不安が強い子の自転車練習が進まない理由
3. 極度の怖がりでも大丈夫!自転車に乗るための3ステップ
◆ステップ1 本人の気持ちを第一に
◆ステップ2 ポイントを最初に伝える
◆ステップ3 細かくとにかく褒める!
1.小2の息子が自転車に乗れない
うちの子、もう小学生なのに自転車に乗れない!とお困りのママいませんか?
補助輪なしで自転車に乗れるようになる平均年齢は、5歳前後といわれています。
周りのお友達も、小さい子も乗っている。それなのに
・極度の怖がりで自転車の補助輪がなかなか取れない
・痛いことは絶対にヤダ
・アドバイスしても「うるさーい!」って怒りだして練習にならない
・そのうち「もういい!」と言ってすぐにあきらめてしまう。
なかなか進まない自転車練習に、イライラしているママも多いかもしれませんね。
我が家の自閉スペクトラム症の息子は、お姉ちゃんのお下がり自転車があったので、早くから補助輪付きで自転車には乗っていました。
上手く乗れたので、保育園の年長さんの時に補助輪を外してみたのですが、外した途端、バランスが取れなくなり全く乗れません。
そして「怖い!」 「もうやらない!」と、怖がってそのまま自転車に乗らなくなってしまいました。
その後、自転車に乗らないまま小学2年生になり、知り合いから少し大きい自転車をいただくことになりました。
すると息子は再び、「自転車に乗ってみたい」と言い出したのです。
しかし、自転車の練習もしていないままでしたので、もちろんうまく乗れません。
さらに、自転車は怖い!と思い込んでいるので補助輪は絶対につけたままにして!と頑なでした。
小学2年生にもなるのに、補助輪なんて…。
どうすれば、こんな怖がりな子が補助輪を外して1人でうまく自転車に乗れるようになるのでしょうか。
2.発達障害で不安が強い子の自転車練習が進まない理由
実は、不安が強い発達障害のある子が怖くて自転車に乗れないのには、次の3つの理由があるのです。
◆理由1 こだわりの強さがある
発達障害、特に自閉タイプの子は、自分なりのやり方やペースにこだわりをもっていて、ペースを乱されることが嫌いです。
良かれと思ってアドバイスしても、本人のタイミングややり方でなければ、納得がいかずに拒否反応を起こし聞く耳をもちません。
そのうち、アドバイスされると頭の中が混乱したり、イライラしてしまうため、気持ちが落ち着かず練習に気持ちが向かなくなってしまうのです。
◆理由2 気持ちを言葉にできず怒りでアピール
怒りは二次感情と言われますが、発達障害のある子は本当の自分の気持ちを適切に表現するのが苦手な子が多いです。
「こんなやり方が好きじゃないんだ」とか「この部分が苦手なんだ」など具体的に自分の気持ちを言い表せないのです。
そのため、気持ちをうまく言葉できないまま、感情的に「嫌い!」「無理!」など偏った表現をしたり、癇癪としてアピールしてしまうのです。
◆理由3 不安が強く、ネガティブな記憶を残しやすい
特に不安の強いタイプの子は、初めてのこと、やったことないことに極度に心配し、やり始めることにも時間がかかります。
そして、良い出来事よりも、悪い出来事の方を記憶に残してしまう傾向があります。
ネガティブな記憶が優性になると、頭の中でぐるぐる何度も繰り返し考えてしまうせいで自信がもてなくなったり、自己肯定感が低くなってしまうのです。
すると、本当はできるはずなのにやらない!だったり、本当はやりたいのにやらない!と挑戦すること自体が減ってしまいます。
こんな様子が続くといつまでたっても自転車には乗れるようにはなりませんね。
では、どのように教えていけば、うまく乗れるようになるのでしょうか?
3.極度の怖がりでも大丈夫!自転車に乗るための3ステップ
ここで、我が家で実践した自転車に乗れるようになった、3ステップの練習法をお伝えしますね。
◆ステップ1 本人の気持ちを第一に
まず、極度の怖がりで不安が強い子の場合には、親のタイミングや、やらせたい気持ちだけで話を進めていくのは控えましょう。
1番大事なのは、子どもの気持ちが自発的に自転車の練習に前向きになって、やる気に感じられることが大切です。
息子の場合、まわりの子やお姉ちゃんがうまく自転車に乗っている様子をうらやましそうに見て、「いいな」「あの子うまいね」という言葉がぽつりと出てきたときがチャンスでした。
試しにちょっと乗ってみようか?と背中を押すと「うーん、やってみようかな」と言ったことをきっかけに、練習を再スタートすることにしました。
そのときには、子どもの気持ちに寄り添って「きっと大丈夫よ!」と励まして気持ちを盛り上げることを心がけました。
ステップ2 ポイントは最初に伝える
自転車の乗り方について、途中で助言すると「わかってるよ!」とご機嫌斜めになってしまうので、練習途中のアドバイスは一切封印!
大事なポイントは最初に伝えておくのです。
・背筋を伸ばして前を見る事
・後からペダルに乗せる足はすぐにこぐこと
・ブレーキに手をかけていつでも止まれるようにすること
・後からペダルに乗せる足はすぐにこぐこと
・ブレーキに手をかけていつでも止まれるようにすること
実際にお手本を見せたり、動画も一緒に見て確認することで、よりイメージがついて理解につながります。
ブレーキの使い方を教えて、いざとなったらすぐに止まって転ばないことも不安を解消する一助になったようです。
◆ステップ3 驚いて笑顔で細かく褒める!
続いて、子どもに伝えたのは、細かい肯定の言葉です。
「ペダルが良い位置に持ってこられたね!」
「今ちゃんと前見ていたね!」
「足が乗せられたね!」
「ペダル、半周回ったよ!」
「今度は1周回ったね!」
など、できていることを全て細かく伝えていきました!
また、できている声かけと一緒に 「もうそんなことできたの!?すごいじゃん!?」 という驚く雰囲気が伝わるように心がけ、笑顔でいるようにしました。
すると、日にちを空けての3日間の練習期間でしたが、トータル2・3時間くらいで補助輪を外して乗れるようになったんです!
3日目の練習をする前には本人から「2つ目の足をすぐにこぐと良いんだよね」 と、私がポイントとして伝えたことを思い出して言葉にして伝えてくれました。
そして、その日の最初にペダルを3周くらいこぐことができ、そこから一気に乗れるようになったのです!
極度の怖がりの子も自信がつけば、自分から挑戦できるようになってきます。
まずは、本人が「やりたい!」と言うのを待つ。
そして、必要ないアドバイスをやめて、肯定の声かけを徹底する。
そして、必要ないアドバイスをやめて、肯定の声かけを徹底する。
このことが、お互いにストレスなく、「自転車大成功!」を収めるきっかけになったのだと実感しています。
ぜひ、皆さんもチャレンジしてみてくださいね。
子どもに身につけさせたい自転車の交通ルールはこちらの記事をご覧ください▼
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執筆者:林 花寿美
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)