学力別クラス編成から分かった「勉強ができる子」の共通の習いごと

 

何かと悩ましい発達凸凹キッズの習いごと。能力を伸ばしたり、才能を開花させたりするために、何か始めようか?と考える親御さんは多いと思います。「勉強できる子」が共通して習っていた、ある習いごとについて解説しています。
 

【目次】

1.コレを習うと「勉強ができる子」になる?学習塾勤務時代に発見した事実
2.どうして勉強ができるようになるの?
3.わが家もコレを習って能力が伸びました!
4.「好き」「楽しい」が学力を伸ばす

 
 

1.コレを習うと「勉強ができる子」になる?学習塾勤務時代に発見した事実

 
 
コレを習うと勉強ができるようになるのかもしれない!
 
 
私が塾勤務時代に発見した、すごい事実があります。
 
 
私の同級生で、「コレを習っていて成績下位の子はいなかったな~」と、漠然と気になっていたことがありました。
 
 
私が勤務していた塾では、学力別クラス編成で100人超の中学3年生が5クラスに分かれてました。
 
 
その上位クラスに行けば行くほど、コレを習っている子が多いような気がしていました。
 
 
そこで、授業中に思い切って「この中で〇〇〇を習ったことがある人!」と全クラスで聞いてみました。
 
 
 
 
すると、案の定最上位クラスでは半分以上の子が手をあげました。
 
 
下位クラスにいくほどに、習っている子の割合が減り、最下位クラスではなんと0人! 誰も手をあげませんでした。
 
 
この習い事とは、ずばり「ピアノ」です。 東大生のほとんどはピアノを習っていたとか、メディアでも何かと取り上げられることの多い習い事です。
 
 
偏差値の低い学校では、「合唱コンクールをするときに伴奏できる子がいなくて困る」と聞いたこともあったので、この結果にはとても納得しました。
 
 

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2.どうして勉強ができるようになるの?

 
 
なぜピアノを習うと学力向上が期待できるのでしょうか?
 
 
実は、脳科学や心理学の研究分野でも、昔からテーマとしていて注目されており、論文などもとても多くあります。
 
 
ピアノを弾くためには高い認知能が必要であり、続して練習することでその能力が鍛えられると考えられます。
 
 
ピアノで鍛えられる能力には、手先の器用さや聴覚からの記憶力、他にもリズム感やマルチタスクのための能力など、たくさんあります。
 
 
これらの能力が軸となり、様々な活動において「できる」というポジティブな気持ち「自己効力感」が育つことで、後々の学力に影響しているのだと考えられます。
 
 
 
 
そして、中でも特に学力に直結しているのは「耳からの記憶力」です。ピアノを習うと、同じ曲をなんども練習することになります。
 
 
そうすることで、耳を使って「聞く力」が高められる可能性があります。
 
 
聞く力がなぜ言語能力に関係しているか?それは、言語の習得で真っ先に必要になるのが聞く力だからです。
 
 
耳から聞いた音が記憶となって蓄積されると、会話となってアウトプットされるようになります。読んだり書いたりもその先にあります。
 
 
まずは聞く力の強化が大切です。
 
 
昨今の入試問題は問題文が長文化しており、これまでよりも長い文章を素早く読んで正確に処理できないと点数がとれなくなってきています
 
 
これは国語に限ったことではなく、全教科に共通することです。
 
 
理科も社会も、数学でさえも!長文を読んで考える問題が多くなっています
 
 
この傾向は今後も続くものと考えられますので、言語の力をつけることは入試で勝つための最重要事項と言えます。
 
 
発達障害の場合、人によりますが聴覚よりも視覚が得意なお子さんが多く、「聞く力」や「聞く記憶力」が弱い場合が多くみられます
 
 
聞く力が弱いと、入試以前に普段の会話や授業でも困りごとが増えますから、ピアノで聴覚に集中する機会があれば、聞く力を養うチャンスになります。
 
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3.わが家もコレを習って能力が伸びました!

 
 
私が、ピアノが発達科学的にも優れた習いごとだと知ったのは発達科学コミュニケーションを学んだ後のことです。
 
 
私は前述の塾勤務時代の経験から、3人の子に「勉強しなさい」とは言いませんでしたが、ピアノだけは習わせたいと考え、興味を持つように仕向けました
 
 
3人とも幼稚園からピアノを習いはじめました
 
 
注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの長女はとても楽しんで練習し、記念式典などで全校合唱の伴奏をさせてもらえるレベルに達し、中1まで継続しました。
 
 
自閉スペクトラム症(ASD)と軽度知的障害のある次女は長女の影響で3歳8ヶ月という早い年齢から始めたものの、途中飽きたのか?わざとふざけたり椅子に寝転がったりして先生を困らせる様子が見られるようになりました。
 
 
そんな状態で続けても叱られることが多くなり、自己評価がさがりますし、脳が育ちにくくなるため、何もいいことはありません。一度やめることにしました。
 
 
それが、年長さんの後半になると急に興味を持ってやりたがるようになったので、そのタイミングで再開しました。
 
 
次女はその後、ある競技で頭角を現し、そちらを全力で頑張ることにしたので、ピアノは4年生でやめました。
 
 
ADHDグレーゾーン長男は年中から習いはじめ、5年生まで続けました。
 
 
 
 
結果、3人とも聞く力が特に育ち、言語能力が高い子になりました。長女は旧帝大に首席合格しました。
 
 
軽度の知的障害がある次女でさえ、入試では国語が特に高得点で、特別進学クラスに推薦されました。
 
 
長男も先日はじめて受けた作文模試で98点という高得点がとれていました。
 
 

4.「好き」「楽しい」が学力を伸ばす

 
 
そんなにピアノがいいなら、すぐにでも習わせよう!
 
 
そんな風に思った方もいるかもしれません。そこで、ひとつ気をつけなければならないことがあります。
 
 
それは、子どもがまだ興味を持っていない状態で無理にやらせないということです。
 
 
勉強ができるようになるから!」と突然子どもに伝えたところで、やりたくなるものではありません。まずは興味を持たせることからはじめましょう。
 
 
お友だちの発表会に行って刺激をもらうのもいいでしょうし、体を動かすことが好きなお子さんなら、リトミックの体験会に参加してみるのもいいでしょう。
 
 
やりたい!」と自分から言ってきたときが一番伸びるタイミングです。脳を発達させるのに大事なことは「正しい」ことよりも「楽しい」ことです。
 
 
楽譜をしっかり読めるようにならなければならない!とか、「1日に1時間以上練習しなければならない!など、負荷をかけすぎると楽しくなくなってしまいます。
 
 
 
 
楽しいことはいくらでもできるけど、楽しくないことは頑張れない発達凸凹キッズ。
 
 
楽しくなければ練習量はおのずと減りますから、脳が発達しにくくなります
 
 
本人が楽しんで続けられるようにサポートすることで、知らず知らずのうちに学力が向上していきますよ
 
 
 
 
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執筆者:本郷稟乃
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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