小2がいじめの認知件数が最も多いということをご存じでしたか?子どもの自己肯定感を高めて自信をつけてあげることで、子どもがネガティブ記憶を貯めてしまい良好な友達関係を育めなくなる状態を予防することができますよ。
【目次】
1.小2がいじめのピークという公的データ
2.小学生の友達関係のネガティブ記憶には要注意
3.子どもの自己肯定感と自信を高めて傷つき体験の予防に!
①いじめと子どもの自己肯定感との関係
②子どもの自己肯定感と自信が高まるヒーローズダイアリー
1.小2がいじめのピークという公的データ
いじられたり、からかわれたりすることに対してヘラヘラ笑っているだけ…
あるいは、からかわれたことに対してカッとなり手が出てしまい、友達とうまくいかない…
そんな姿に、いつかいじめの標的になるのではないか?と心配されている親御さんも多いと思います。
子どものいじめ問題はどの年齢の親子にとっても非常に悩ましい問題です。
いじめの被害者側、加害者側どちらにもなってほしくないと思いますが、昨今の子どものいじめの実態をご存じでしょうか?
令和5年10月に文部科学省から発表された令和2年度~令和4年度のいじめ認知件数のデータがあります。
令和5年10月4日 文部科学省 初等中等教育局 児童生徒課「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」
なんといじめ認知件数は、毎年小2が最も多いという結果なのです!
毎年小2に多いということは、発達的に小2前後が一番問題が起きやすい年齢であることを証明しているのがこのデータであると捉えられます。
いじめはもっと人間関係が拗れやすくなる思春期以降によく起きるのでは?と思った方も多いと思います。
しかし、この感覚と実情のズレが問題を長期化させたり悪化させたりする原因になっているとも言えます。
幼児期や低学年だからと様子見をしようと悠長な構えではいられないのです。
そしてもう一つこのデータの中で注目していただきたいのが、実際にどんないじめが起こっているのか?ということを調査したものです。
一昔前のいじめのイメージと思われる暴力やカツアゲといったものも含まれてはいますが、それよりも上位になっているのは、
・冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる
・仲間はずれ、集団による無視をされる
といったことなのです。
周りの子の遊びやおふざけから出た言動に対して、本人が「つらい」「やめてほしい」と思えば、いじめと認定されます。
もちろん大前提として人を傷つけるような悪意のある行動・言動は許せないことです。
ここで誤解を恐れずに言うと、これらのことは受け止る側の捉え方にもよっていじめと認知するのか、嫌がらせに対してどう対応するかが変わってくると言える側面もあるのではないでしょうか。
2.小学生の友達関係に対するネガティブ記憶には要注意
小学校という集団の中で、友達関係がうまくいかないという表面的な問題以上に厄介なのが、うまくいかなかったという失敗体験の記憶が子どもに及ぼす影響です。
私たちの行動は、この「記憶」に左右されているといっても過言ではありません。
人間はうまくいったからやろう、あるいはうまくいかなかったらやめておこう、というように「記憶」してきたことをもとに「学習」しながら行動を選択していく生き物だからです。
この記憶していく力は動物の性質上、ネガティブな記憶の方をより脳の中に残しやすいという傾向があります。
痛い、怖い、不安、不快、といったことから身を守ることが生きていく上で必要だからです。
そしてこのネガティブな記憶を貯めやすいという傾向は、発達障害・グレーゾーン・繊細っ子に強く見られます。
ネガティブな記憶が溜まれば溜まるほど、人を不安にし、行動することにブレーキをかけていってしまうのです。
直接的な言葉としてネガティブなフレーズをいっぱい浴びてきていたり、怒りや呆れのオーラなどネガティブな雰囲気に触れることが多いとどうなるか?
日常的に自分がネガティブ空間にいると感じながら過ごしている子は、自己防衛的に情報をシャットアウトすることで自分を守っていることが多いです。
その結果、
・褒めても響かない
・アドバイスが受け取れない
・周りの人を信じられない
・感情的になりやすい
・困っていると自分から発信できない
ということが起こってきます。
こうなると、最も大切な親子関係がギクシャクしてしまうことにも繋がりかねません。
人とのコミュニケーションへの不安感や自信のなさは、放っておくと雪だるま式に膨れ上がりやすいので、気づいた時に対応してあげてほしいと考えています。
3.子どもの自己肯定感と自信を高めて傷つき体験の予防に!
◆①いじめと子どもの自己肯定感との関係
人の言動に対してどう捉えていくかは個人によって様々です。
嫌なことを言われる、無視される、手が出てしまう…
これらのことが友達関係の中で起きていたとしてもゼロにしていくのはなかなか難しい、一朝一夕では叶わないのが現実です。
だとしたら、どんな風に受け止めて、どう行動していくか、解決していくかなど、受け手の行動を変えていくことで早めに解消できることもあると考えます。
ここで子どもの自己肯定感と自信が関係してくるのです。
自分自身の存在を認めて、自分はここにいていいんだ、発言していいんだ、と自信を持てることで子どもの受け取り方、対応の仕方が変わってきます。
繰り返しますが、いじめに対して泣き寝入りしていいとか、暴言暴力が容認されていいということでは決してありません。
我が子がいじめ問題に取り込まれてしまっている状況を把握されたのなら、先生とも連携をしたり、お母さんが見守りを強化したりといった大人の介入がまずは必要です。
しかし小学生になると、なかなか大人の目が行き届かない現実があります。
ともなれば、まずは子ども自身が困っている、嫌だと感じてることを認識して、大人に伝えてくれないとなかなか分からないこともあります。
そうならないようにするために自己肯定感を強くして対抗していくとか、自分の気持ちを言うとか、大人にすぐに助けを求めるなど、子どもの内なる力をつけていくことが大切だということです。
◆②子どもの自己肯定感が高まるヒーローズダイアリー
今現在、お子さんがネガティブな状態にあるとして、お子さんのマイナス発言や感情の乱高下に振り回されているお母さんもいらっしゃると思います。
子どもを必死に肯定したり励ましたりしようとすると、かえって状況が悪化したり、お母さんがお子さんの感情に巻き込まれて辛くなりがちではないでしょうか。
そんな状態であっても、私が提案しているヒーローズダイアリーならばシンプルに我が子のいいところが見つけられて、書くというアウトプットを通して、肯定することへのハードルが下がっていきます。
このヒーローズダイアリーを行い、日々の様々な行動とそれに伴う感情を肯定することが自己肯定感の育ちに繋がります。
そしてその先には「ネガティブな記憶」が溜まりすぎるのを防いで、ポジティブな気持ちで人と関わっていく力をつけていくことができます。
ヒーローズダイアリーについてはこちらをお読みくださいね。
お子さんの自己肯定感を強くすることで、人との関わり方の選択肢を広げていくことはとても大事なのです。
お家でのかかわり方を変えてお子さんの自信を高め自己肯定感を安定させることで、自分でその場でやめて!と主張できたり、すぐに大人に相談ができたりして、早期解決に繋がることもあります。
そして、傷つき体験を避けることができるようにもなります。
さらには、自己肯定感が安定すると自らのコミュニケーションを自分を守っていくために使うこともできるようになります。
周りからの働きかけをネガティブに捉えやすいお子さんをお持ちのお母さんは、 問題が大きくなったり、心にマイナスな影響を与えないうちに、早めに対応することを強くおすすめします。
お子さんが激しく荒れるようになってから、行き渋りが悪化して休みがちになってから対応するのではなく、そんな状態になるのをまずは予防するという考えで親子のコミュニケーションを見直していきましょう。
子どもの自己肯定感がグングン育つ情報をお届けしています。
執筆者:はら しおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)