発達障害の小学生の夏休み、家での過ごし方に不安がある保護者は90%超。保護者のストレス・イライラも増大!!

 

夏休みが目前に迫り、お子さんと過ごす時間が増えるのは嬉しい反面、心配なこともたくさんあるという保護者も多いかと思います。パステル総研では発達障害・グレーゾーンのお子さんのいる保護者に夏休みの家での過ごし方についてアンケートをとってみました。
 
 

【目次】

 
 

1.夏休み、保護者はいつも以上にイライラ・ストレスが溜まると感じています。

 
 
夏休みまで1カ月を切りました。
 
 
自由な時間が増える、たくさん遊べるとお子さんが心待ちにしている夏休み、ご家庭ではどのように過ごしていますか?
 
 
保護者のなかには、給食がないから3食作らないといけない子どもとずっと一緒で思い通りに行動できない…と夏休みの1か月半は大変!とお考えの方もいらっしゃるかと思います。
 
 
今回、パステル総研では、発達障害・グレーゾーンのお子さんをお持ちの保護者に夏休みの過ごし方についてアンケートをとったところ、234名の方からご回答をいただきました。
 
 
まず、回答いただいた保護者の概要をご紹介します。
 
 

保護者の方の属性

 
 
 
 

お子さんの学年

 
 
 
 
お子さんの学年は、小学生が72.0%、中学生以上が20.1%、未就学児が7.9%でした。
 
 
次に、保護者の方がお子さんと1日中一緒に過ごす日は1週間のうちどのくらいあるか伺いました。
 
 

1日中一緒に過ごせる頻度

 
 
 
 
専業主婦や在宅ワークなど、ほぼ毎日お子さまと一緒に過ごしている保護者が44.5%、会社員やパートなど、一緒に過ごせる日は、週1~2回程度の保護者が35.8%となりました。
 
 
夏休みは、学校があるときよりイライラする、ストレスが溜まると感じることはあるか聞いてみました。
 
 
 
 
73.2%、167名の方が普段よりもイライラする、ストレスが溜まると感じていると回答いただきました。
 
 
夏休みは、一緒に過ごす時間が増えることで子どもの行動が目についてしまったり、自由研究や読書感想文など宿題の手伝い、昼食やお弁当など家事の負担など、保護者の方の役割が増したりすることで、時間にも心にも余裕がなくなりイライラやストレスが増えていることが分かります。
 
 

2.家での過ごし方に不安がある保護者は90%超!!

 
 
イライラやストレスの原因となる困りごとやお悩みがあるかとお伺いしました。
 
 

 
 
207名、90.8%の方が困りごとやお悩みがあると回答しており、小学生の保護者を見ると、165名のうち151名、91.5%が困りごとやお悩みがあると回答しています。
 
 
夏休みを1か月後に控える今の時期から、困りごとやお悩みに頭を悩ませている方が多数いることが分かります。
 
 
毎日子どもの世話をしたり大量の宿題を見たり子どもの遊びに付き合ったりと疲れてしまう要因は数えきれないほどです。
 
 

3.夏休み、家での過ごし方 困りごと・お悩みランキング

 
 
夏休みに家での過ごし方に困りごとやお悩みがあると答えた方に、実際に、どんな困りごとやお悩みがあるかもっとも当てはまるものを1つ選んでもらいました。
 
 
 
 

◆第1位 ゲーム、スマホ、テレビの時間が長くなる

 
 
第1位は、「ゲーム、スマホ、テレビ視聴時間が長くなる」ことを心配だと考える保護者が26.6%と、最も多い結果となりました。
 
 
ゲーム、スマホ、テレビ視聴時間への困りごとは、小学生以上のすべての保護者の方に共通して、第1位でした。
 
 
切り替えが苦手な発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、ゲーム、スマホ、テレビを途中で切り上げることが難しい傾向にあるため、視聴時間も長くなってしまいます
 
 

◆第2位 遊びのネタがなくなる、遊びがいつも同じになってしまう

 
 
第2位は、「遊びのネタがなくなる、遊びがいつも同じになってしまう」が18.8%でした。
 
 
こちらは、未就学児から小学4年生までの保護者の回答が多く、小学5年生以降はぐっと減っています。
 
 
「遊びのネタがなくなる、遊びがいつも同じになってしまう」が困りごととお答えいただいた保護者39名のうち23名の58.9%が「お子さんと一緒にいる日はどれくらいあるか?」の質問に「ほぼ毎日」とお答えいただいた方でした。
 
 
まだ、年齢が低いとママやパパが遊びを提案することも多く、毎回、遊びを考えるのが大変と考えている保護者が多いことが分かります。
 
 

◆第3位 家のなかのトラブルが多くなる(兄弟げんかなど)

 
 
第3位は、「家のなかのトラブルが多くなる(兄弟げんかなど)」が13.5%でした。
 
 
こちらも第2位の「遊びのネタがなくなる、遊びがいつも同じになってしまう」と同様、28名のうち16名、57%が「お子さんと一緒にいる日はどれくらいあるか?」の質問に「ほぼ毎日」とお答えいただいた方でした。
 
 
家のなかでお子さんと一緒に過ごす時間が増えることで、できていない事が気になってしまったり兄弟げんかが起こったり家事が増えたりトラブルの原因もが増えてくるようです。
 
 

◆第4位 勉強しない、宿題が進まない

 
 
第4位は、「勉強しない、宿題が進まない」が13.0%でした。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもは、楽しいことを優先してしまいがちです。面倒だと感じる宿題は後回しにてしまったり、取りかかったとしてもい通りにできなくて癇癪を起こしてしまったり、身近でサポートする保護者の負担も大きいことが分かります。
 
 

◆第5位 生活リズム、生活習慣が乱れる

 
 
第5位は、「生活リズム、生活習慣が乱れる」が9.2%でした。
 
 
次の日の学校を気にせずに生活できる夏休みは、ついつい夜更かしして朝が起きれなかったり好きな時間に食事をしたり、生活習慣が乱れがちになります。
 
 
夏休み明け、生活リズムが戻らないことは、発達障害・グレーゾーンの子どもには大きなストレスの原因になってしまうため、夏休みでも生活リズムや生活習慣の乱れを心配と考える保護者が多いことが分かります。
 
 

4.保護者が考える夏休みこんな風に過ごしたい

 
 
どのような夏休みを過ごしてほしいかお伺いしました。
 
 

 
 
普段はできない体験(旅行、キャンプなど)をしたいと答えた方が148名と最も多い結果となりました。
 
 
普段の学校生活では得られない経験や学びを体験させて、夏休みを子どもの成長につなげたいと考える保護者が多くいることが分かります。
 
 
続いて、体を動かす機会を増やしてほしいが113名規則正しい生活をしてほしいが99名と続きました。
 
 
実際に、夏休みにやろうと計画していることを具体的に聞いたところ、旅行とお答えいただいた方が一番多くいらっしゃいました。
 
 
夏にしかできないプールや海水浴をしたい、キャンプ・昆虫採集・釣り・ハイキングなど自然を満喫したい、工場見学や観劇をしたいと回答した方もいらっしゃいました。
 
 
普段はできない体験を子どもにさせたいと考え、夏休み1カ月前からどんな風に過ごそうかと計画している保護者の方が多いことが分かります。
 
 
実際、子どもが夏休みになると「どんな過ごし方をすればいいのか迷ってしまうこともあるかもしれません。
 
 
せっかく長い休みがあるので、充実した時間を過ごしたいですよね。
 
 
そこで、パステル総研では、夏休みの過ごし方についての小冊子をお届けします。。
 
 
夏休みに入る前から、困りごとやお悩みへの対応方法を準備しておくことで、実際の夏休みは、存分に子どもの成長の機会につなげることができますよ。
 
 
アンケートの概要
 
 
○調査期間:2024年6月21日から6月23日 (3日間)
 
 
○調査方法:インターネット調査
 
 
〇回答者数と内訳:234名
 
 
 
 
〇お子さんの発達タイプ
 
 

 
執筆者:中井優
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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