発達障害の子は体温調節ができない!ASD感覚過敏の小5女子が暑い夏を元気に過ごす方法

 

発達障害・ASDの子どもは、体温調節が苦手だったりしますよね。それは感覚過敏やストレスが原因になっているかもしれません。無理やり夏の暑い中外出させるよりも、お家で楽しく遊ばせてあげませんか?そのほうが、ダンゼン発達が促せますよ!
 

【目次】

1.ASD感覚過敏の小5娘は夏引きこもり状態
2.発達障害の子どもが体温調節が苦手な理由
3.体温調節や暑いのが苦手な子どもが、夏を楽しみ成長する方法
①できていることを肯定し、ストレスゼロの家庭環境作り
②涼しく快適な家で楽しい活動をさせる!

 
 

1.ASD感覚過敏の小5娘は夏引きこもり状態

 
 
 我が家には、ASD傾向の小学校5年生の女の子がいます。
 
 
幼いころから、こだわりや癇癪がひどく、感覚過敏もあり常に怒ってばかりで、とにかく育てにくい子どもでした。
 
 
親としては、「なんで、いつも怒ってばかりいるの?」「何がそんなに嫌なの?」と、我が子の気持ちが全く理解できず、家族で辛い日々を送っていました。
 
 
娘は、嗅覚や触覚、暑さにとても敏感です。
 
 
例えば、嗅覚過敏については、私が料理をしていると、すぐに何の食材を使っているか、何を作っているのか当てます。
 
 
外出時には、かすかにタバコの匂いがしただけで、「臭い」と言って怒りその場を離れます。
 
 
触覚過敏については、服選びの時が大変で、自分の苦手な手触りの生地の洋服は着ることができず、首に生地がフィットするデザインは不快に感じるようで拒みます。
 
 
その反面、小さい頃から愛用している毛布があり、その肌触りが好きで落ち着くようで、年中手放すことができません。
 
 
そして、暑いのが大の苦手で、特に気候的に夏に娘の機嫌が悪くなる傾向があります。
 
 
アトピー性皮膚炎もあったので、暑い日差しを浴びたり汗をかくと、すぐに「暑い!」「体がかゆい!」と言い怒りだします。
 
 
 
 
 
そのイライラした感情も合わさって、異常な程に肌をポリポリ、ガリガリかきつぶして、流血することが度々でした。
 
 
夏は暑いですが、屋外で様々な活動ができる季節でもありますよね。
 
 
海水浴に行ったり、バーベキューをしたり、花火を見に行ったり、楽しいイベントが沢山で、親としては連れ出して、楽しい体験を沢山させたいものです。
 
 
しかし、娘に海水浴に誘ってみても、「暑いし、海水がベトベトするから嫌だ」と、年齢があがるにつれて、行かなくなってしまいました。
 
 
涼しい家で、ソファーに寝そべりゲームやテレビを見て引きこもりの娘…
 
 
もっと子どもらしく外で体を動かして元気に過ごしてほしいなぁと思っていました。
 
 
家でダラダラ好き勝手している娘を見ては、イライラが止まりませんでした。
 
 
しかし、夏引きこもりの娘を何とか外に連れ出そうと、娘の興味があるイベントに誘ってもみましたが、それをも極度に嫌がったのです。
 
 
これで、私はようやく、娘の引きこもりは、ただの怠惰だけが理由なのではなく、本当に暑さが辛く活動できなくなっているのだと気づいたのです。
 
 
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2.発達障害の子どもが体温調節が苦手な理由

 
 
発達障害や知的障害のある子どもは、感覚過敏を持ち合わせていることが多いと言われています。
 
 
感覚過敏とは、視覚、聴覚等の感覚刺激を多く受け取ってしまい、その情報から強い痛みなどの苦痛を感じ、生活に影響が出てしまう状態のことを言います。
 
 
原因は明確には分かってはいませんが、複数の原因があると言われています。
 
 
◆脳の機能
 
 
音や光等の刺激のボリュームを適度に調整する脳の機能が、なんらかの原因により、うまく働かず、大きな音などがそのまま伝わったり、多くの刺激に対して過剰に反応したりすることがあります。
 
 
ASDやADHD等の発達障害があると、脳の特性から感覚過敏に悩まされる傾向が高いと言われています。
 
 
しかし、感覚過敏があるからと言って、発達障害があるとは限りません。
 
 
 
 
◆ストレス
 
 
環境の変化や、睡眠不足、食生活の乱れ、疲労の蓄積などのストレスが蓄積され、自律神経が乱れた結果、必要以上に刺激を感じやすくなってしまうことがあります。
 
 
ストレスを強く感じることで感覚のセンサーがくるってしまい、感覚過敏がおこるのです。
 
 
よって、感覚過敏がある場合、常に神経をすり減らしている傾向があり、暑さ寒さや気温差、気圧の変化なども、体がストレスと感じて体調を崩してしまうことがあるのです。
 
 
また、自律神経は発汗作用にも影響する為、そのコントロールが上手く働かないことで、汗をかきにくく、暑さが体の内側にこもってしまうのです。
 
 
このように、感覚過敏は、本人の気持ちの持ちようでどうにかなる問題ではないことと、その辛さを理解して、どのように対応していくべきかを考えていく必要があるのです。
 
 
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3.体温調節や暑いのが苦手な子どもが、夏を楽しみ成長する方法

 
 
お子さんに感覚過敏があり、暑さを苦手とする場合は、無理やり外出させるのは、体調不良を悪化させてしまうので、やめましょう。
 
 
それよりは、涼しく快適な家で、子どもが楽しい活動をさせて成長をさせてあげましょう!
 
 
その方法をお伝えしますね。 
 
 

◆①できていることを肯定し、ストレスゼロの家庭環境作り

 
 
先程述べましたが、感覚過敏はストレスを受けることにより、エスカレートしていきます。
 
 
よって、家庭はストレスゼロで安心安全な場所となるようにしてあげましょう。
 
 
小学校5年生にもなり、家でゲームやYouYube三昧で、学習もしない、お手伝いもしない…
 
 
イライラしてしまいますが、指摘ばかりしていては親子関係は悪化する一方です。
 
 
できていることをとにかく肯定して、親子関係を良好にするとともに、子どものストレスをなくしてあげましょう。
 
 
すると子どもの心に余裕もできて、外界の刺激に過敏に反応することが治まってきます。
 
 
褒めるところなんて、一つもないんだけど…
 
 
というママは、「当たり前にしている」行動を褒めたり、子どもの行動を見たまま実況中継」をしてあげることから始めてみましょう!
 
 
例えば、
 
・「お、一人で起きれたね!」
 
・「お風呂に一番に入ってくれたんだね!」
 
・「いただきます!言えたね」
 
 
ポイントは、ママは笑顔で優しい声色で伝えることです。
 
 
こんなことで褒めるの?と感じられるかもしませんが、これも間違いなく出来ていることです。
 
 
このような一つ一つの当たり前の行動に注目して声かけをしてあげたら、子どもは何気ない日常の中で、沢山の自信を得ることができます。
 
 
自分の些細な行動にも注目してもらえて嬉しいですし、このままの自分でも良いんだと思うことができるのです。  
 
 

◆②涼しく快適な家で楽しい活動をさせる!

 
 
暑いのが苦手な感覚過敏のある子どもを無理やり外出させても、ストレスを貯めてしまい、感覚過敏を悪化させてしまうだけ。
 
 
感情も不安定になり、さらに怒りっぽくなってしまいます。
 
 
なので、涼しい快適な家で、お子さんが好きなこと興味のある活動を沢山させてあげましょう。
 
 
例えば
 
 
◆お料理に興味があるお子さんの場合 
一緒にスイカを切ってみる。
 
「〇〇ちゃんが食べたいサイズに切っていいよ」と声かけをしみましょう。
 
 
思考錯誤しながら、スイカの感触を確かめ、力を加減しながら慎重に包丁を使います。
 
 
自分で切ったスイカの美味しさはきっと格別ですよね。  
 
 
◆面白い感触のものを触るのが好きなお子さんの場合
スクイーズ作り体験をしてみる
 
書店にいけば、スクイーズ作りの本は沢山売っています。
 
 
自分の作りたいスクイーズを選んで、材料をメモして実際買いに行くこともできます。
 
 
作っている時は、ほうしゃ水の量で硬さが変化するのを体感でき、その感触を沢山楽しめます。
 
 
◆水遊びが好きなお子さんの場合
お家のお風呂を小さいプールにする
 
水鉄砲や水風船等を準備して、家のお風呂を小さいプールにしてあげましょう。
 
 
水遊びは、外である必要はありません。日焼けも気にせず、水遊びが楽しめますよ。
 
 
 
 
我が家の娘も、昨年は料理に興味を持っていた頃だったので、娘のリクエストメニューのオムライスを一緒に作って楽しみました。
 
 
会話しながら、ダンドリ良く調理する、味見をして意見を出し合って味付けをして作ったご飯は、二人の傑作の一品でした。
 
 
一緒に「美味しいね」と言って食べるご飯タイムは、とても幸せでした。
 
 
このように、無理させず家で子どもの楽しい興味のある活動をする。
 
 
できたら、ママと一緒に楽しく会話をしながら行うと、会話力もつき母子の良好な関係も築けます。
 
 
子どもは、ワクワクする楽しい活動で、どんどん成長していきます。
 
 
気づいたら感覚過敏も治まってた!なんてこともありますよ。
 
 
夏の大自然に連れて行き、五感を感じる活動をさせてあげたいと考えてしまいますが、子どもの状態を考えて、その状態にあった活動を親が準備してあげることが大切です。
 
 
焦りは禁物です!まだまだお子様は成長過程にあります。
 
 
スモールステップで、子育てをしていきましょう。
 
 
 
 

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執筆者:松あき子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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