自分で「やる!」と言ったのに行動できない子。子どもができないことを口にする理由とは何なのでしょうか?それは、発達障害のあるなしに関わらない、ある理由のせいかもしれません。 |
【目次】
1.「うちの子、どうして自分で言ってることができないの?」
スクールカウンセラーとして、お母さんのお話を聴いている中で、何度かこのような言葉を耳にしたことがあります。
「うちの子、やるって自分で言ったことを、全然やらないんです」
「子どもが自分から言うから、期待していたのに…これじゃあ、期待はずれです…」
この言葉に、「分かる~」と思わず呟いてしまう方もおられるのではないでしょうか?
例えば、登校しぶりがあって毎日お母さんに学校まで送ってもらっているお子さん。
「明日は学校、お母さんと一緒じゃなくて自分で行くね」
この言葉、お母さんからしたら「本当に!?」「ついに自分で行く気になったのね!」と、気持ちが高揚する言葉ですよね。
でも、いざ次の日の朝になってみると、自分で登校はできない。登校どころか、布団から出るのにグズグズ、支度するのにグズグズ、玄関でグズグズ…。
「もう!昨日、『自分で行く』って言ったじゃない!」
「これじゃあ、いつもと一緒!」
「自分で言ったんだから、今日はお母さん、送らないからね!」
期待していた分、お母さんの落胆は大きいもの。
お母さんが「昨日、自分で行くって言ったのにどうして!?」と思うのは自然なことです。
何度も同じようなことを繰り返していたら、イライラが募り「どうせ行けないなら、そんなこと言わないで!」と思わず言いたくなってしまうかもしれません。
子どもが自分で言ったのに、行動しない。このようなことは、なぜ起こるのでしょうか?
2.発達障害があってもなくても!?子どもができないことを口にする理由とは?
自分でやると言ったものの、いざその場面になると行動できない。これは、発達障害のあるなしに関わらず、お子さんが空気を読みすぎてしまっている可能性があります。
ひといちばい敏感な子(HSC)を含む、空気を読みすぎてしまう子は、
・お母さんはこう言われたら喜ぶだろうな
・私はこういうことを期待されているのだろうな
・こうやったら周りの人は嬉しいだろうな
ということを敏感に察知します。
そして、空気を読みすぎた結果、自分ができるかできないかは別として、周りが求めているであろう言葉を口にしてしまうことがあるのです。
先程の例であれば、いつも送ってもらっているときのお母さんの雰囲気だったり、その直前にお母さんが「はーっ」と、ため息をついたのを見ていたり…といったことから、色々と感じ取っているのかもしれません。
(今日、お母さんいつもより疲れてるみたい。私が毎日「学校送って」って言うせいかも)
(お母さん、本当は私に自分で行ってほしいと思ってるんだよね。先生も「自分で来れたらいいね」ってこの間、言ってたし)
空気を読みすぎる子は、お母さんが何を言って欲しいかを察して、自分の気持ちとは違うことを口にすることがあります。
その言葉は、嘘でも見栄を張っているのでもなく、お子さんのとっても優しい気づかいから生まれた言葉なんですよ。
3.空気を読みすぎる子の本心を読む方法
言葉では「やる!」と言っていても、行動が伴わない場合、もしかしたらお子さんの本心は違うのかもしれません。
こんなときは、言葉より「行動」に注目です。
先程の登校しぶりの例で言えば、言葉では「自分で行く」と言っていますが、行動は違っています。明らかに自分ひとりではスムーズに登校できなさそうな様子です。
自分で行くのが難しそうならば、いつも通り送っていってあげてください。本当はいつも通りお母さんに送ってもらった方がお子さんは安心できるのです。
お子さんの本心に寄り添ってあげること。すぐそばにいるお母さんだからこそ、できます。
お子さんの行動を通じて、本当の気持ちを捉えてあげてくださいね。
執筆者:渡辺カナ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
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