発達障害・グレーゾーンのこだわりを大人まで持ち込さない!幼児期にできるこだわりへのアプローチ法

 

発達障害・グレーゾーンの幼児は多かれ少なかれ”こだわり”を持っていますよね。実は、こだわりは対応を間違えると、余計に強めてしまうことがあるんです。今回はこだわりの種類とこだわりを大人まで持ち越さないために、今できる対応を紹介します。
 

【目次】

 
 

1.発達障害・グレーゾーンの息子に振り回されていた

 
 
私には発達障害グレーゾーンの息子がいますが、その特性の一つである”こだわり”に悩まされていました。
 
 
✔︎おもちゃの数や位置を覚えている
✔︎遊び方のマイルールがある
✔︎ご飯を食べる時の食器を指定する
✔︎保育園の送迎時に止める駐車番号を指定する
 
 
彼の中にあるこだわりが少しでも崩れると癇癪を起こしていたので、地雷を踏まないよういつも息子に気を遣う日々でした。
 
 
 
 
しかも、そのこだわりは対象物が変わることがあります。
 
 
昨日までは、お箸とフォークに執着していたのに、今日は服に執着する…。
 
 
旅行先にいつも使うお箸を持って行っていたら、その日はお箸にこだわらず「あの青の服が良かった」など言われ大癇癪!
 
 
息子の場合、”気持ちや考えがコロコロ変わる”というADHDの特性も相まって、何か特定のものにこだわるのではなく、”その時〇〇がいい”というこだわり方だったので、対応が難しく振り回されていました。
 
 
できる限り本人が納得できるように付き合っていましたが、正直、全てのこだわりに対応することはできませんでした。
 
 

2.発達障害のこだわりの種類

 
 
さて、こだわりにも種類あるのをご存知ですか?発達障害の人が持つこだわりには3つの大きな特徴があります。
 
 
一つ目は「変えない」ことで、変化や変更を受け入れないことです。
 
 
具体的には
 
・物の位置を変えない
・靴や衣類を変えない
・日課やスケジュールを変えない
・道順や操作する順番を変えない
・食べ物やメニューを変えない
 
などが挙げられます。
 
 
二つ目は「やめない」ことで、々と繰り返す、諦めないことです。
 
 
気に入ったことがあると、その状況に自分で区切りをつけることが難しくなるという特性があります。
 
 
具体的には
 
・砂遊びや水遊びを何時間経ってもやめない
・ブランコで次の人が待っていてもやめない
・テレビで気に入ったシーンを繰り返し見続ける
・おんぶや抱っこで遊んであげると「もっと、もっと!」としつこく要求してやめさせない
 
などが挙げられます。
 
 
 
 
三つ目は「始めない」ことで、新しいことや新しい場所、状況を受け付けないといった強い拒否の態度で表されます。
 
 
具体的には
 
・初めての場所には行きたがらない
・新しい食べ物を受け付けない
・目新しいおもちゃには手を出さない
・初対面の人に怯える
 
などが挙げられます。
 
 
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3.こだわりを放っておくとどうなる?

 
 
ではなぜ、こだわりを子どものうちに解決しておいた方がいいのでしょうか?
 
 
こだわりはプラスに出れば「集中力」につながりますが、マイナスに出るとこだわりに子ども自信が縛られ、応用や融通が効かなくなります。
 
 
こだわりに起因する大人の発達障害の困りごとの具体例として
 
 
✔︎特定の習慣や手順、規則のマイルールがあるために、予定変更、変化、想定外のことを嫌い、急なスケジュール変化に対応できない
 
✔︎自分のやり方にこだわり、協調性に欠ける
 
✔︎思考パターンが頑固で、柔軟な発想に欠ける
 
 
こだわりが強すぎると、大人になって仕事をする上では、上記のような困りごとが生じてしまいます。
 
 
 
 
強すぎるこだわりが、大人になるまでにどのくらい解決できているかで、将来、仕事のしやすさが変わってくるんです!
 
 
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4.こだわりを大人まで持ち越さないために幼児期にできる対応

 
 
こだわりを緩めるために、日常生活ですぐに取り入れられる3種類の方法を紹介します。
 
 

◆①ありのままを受け入れる

 
 
例えば、朝起きてから、「朝起きる→トイレに行く→お気に入りのおもちゃを眺める→朝ごはんを食べる→朝の支度をする」というルーティンにこだわりがある子がいたとします。
 
 
このこだわりが子どもにとって脳を働かせるスイッチになっている場合があります。
 
 
この流れを強引に変えてしまうと、脳の働きがストップして何も行動できない子どもになってしまいます。
 
 
一見、お母さんから見ると途中の”おもちゃを眺める”ことやその順番は無意味に思えるかもしれません。
 
 
また、こだわるという特性自体にイライラしてしまうかもしれませんが、子どもにとっては大きな意味があることを理解してあげてください。
 
 
ありのままを受け止めるとお母さんが楽になりますよ。生活に支障がないこだわりは、できるだけ受け入れてあげてくださいね。
 
 

◆②子ども自身に選択させる

 
 
しかし、どうしても子どものこだわりに対応できないこともありますよね。
 
 
「赤いアン○ン○ンのパジャマじゃないと嫌!」と言われても洗濯中…
 
「緑の電車に乗りたい!」それは1日に1本しかないから乗れない…
 
 
なんてこともありますよね。
 
 
こだわりの強い子は視覚優位の特性をもっていることも多いので、実際にもう一つのパジャマを見せながら「こっちのピンクとこっちの水色もあるけどどっちがいい?」と選択させてあげてください。
 
 
実物を見ることで比較的スムースに説得することができます。
 
 
自分で選ぶことができたらすかさずいいね!お母さんもオレンジがいいと思う!など褒めることを忘れないでください。
 
 
また、人から指示されるよりも、自分で選ぶという行為は、行動に繋がりやすいので本人に選んでもらうことはおすすめです。
 
 
 

 

◆③少しだけ違う提案をする

 
 
いつもと同じというマイルールから、”ちょっとだけ違うやり方や選択肢”を提案してこだわりから解放してあげます。
 
 
その際にお子さんが受け入れやすい方法として「いつもと同じように〇〇だね」といつものマイルールとの共通点を添えてあげると効果的です。
 
 
たとえば、保育園までの道順が決まっているなど、方法や手順にこだわりがある場合は「こっちの道からも同じように電車が見えるね」と普段こだわっているものに寄り添ってあげます。
 
 
また「赤いアン○ン○ンのパジャマじゃないと嫌!」というふうに特定のものにこだわりがある場合は
 
 
「こっちも同じようにアン○ン○ンがのっているパジャマだね」と他の色のパジャマを選択肢として示します。
 
 
このように少しずつ子どもが受け入れられる幅を広げてあげてください。
 
 
少しずつ変化を受け入れることができるように練習しておくことで、大人になったときに多少の予定変更やルール変更にも臨機応変に対応できる柔軟性と能力を身につけておくことができますよ。
 
 
ぜひ試してみてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:中井春菜
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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