学校に行くのが怖いと言う小学生の夏休み明け登校しぶりを予防する3ステップ対応

 

学校に行くのが怖いと言っている!小2で夏休み明けに登校しぶりをしそう!そんな発達障害の小学生は本人も何が怖いのか分かっていないことがあります。怖い感情を一旦受け止めて、整理することで2学期をスムーズにスタートできる3ステップをお伝えします。
 

【目次】

1.小2の夏休み明けの登校しぶりが心配
2.なぜ学校に行くのが怖い?発達障害の特性との関係
3.学校が怖いという印象を和らげる3ステップ対応
①「学校が怖い」という感情を一旦受け止める
②「怖い」を紙に書き出す
③写真を使ってポジティブな記憶に上書きする

 
 

1.小2の夏休み明けの登校しぶりが心配

 
 
長いようであっという間に過ぎる夏休み。お母さん、お父さん本当に毎日お疲れ様です!
 
 
お子さんの様子はいかがですか?
 
 
思いっきり楽しく遊んでいる中で、ふと小学校のことを思い出し「夏休み終わってほしくないな~」と言うのはもっともな発言ですよね。
 
 
けれど、「2学期から行きたくない」「学校に行くのが怖い」と言われるとドキッとするのではないでしょうか。
 
 
 
 
夏休み明けに登校しぶりが始まり本当に行かなくなるのではないか、怖いって何が怖いんだろう?と心配になりますよね。
 
 
特に1学期に登校しぶりの傾向があったのならなおさらです。
 
 
小1の時は小学生になり何もかもが初めてのことだらけの中で何となくやり過ごせてしまった。
 
 
けれど小2になり小学校生活がどのようなものか分かってきてある程度想像もできるので、2学期のスタートが嫌だな…と思ってしまう。
 
 
そんな小2の発達障害のお子さんもいるのではないでしょうか。
 
 
我が家の発達障害・自閉スペクトラム症(ASD)傾向の息子も小2の夏休み明けに「学校が怖い」という発言をよくするようになっていました。
 
 
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2.なぜ学校に行くのが怖い?発達障害の特性との関係

 
 
まず、「学校が怖い」と言う発達障害の子でもその原因がはっきりしている場合とそうでない場合があります。
 
 
それぞれの対応の違いについて触れておきます。
 
 

◆何が怖いのかはっきりしている場合

 
 
「学校に行くのが怖い」と聞くと、親としては1学期の間に何か問題があったのかと心配になります。
 
 
・勉強が分からない
 
・体育や音楽など特定の苦手な授業がある
 
 
など、本人が原因をはっきりと認識していて親に伝えてくれたなら、その問題に対して具体的に対応することで解決できることもあります。
 
 
・いじめ
 
・先生やクラスメイトで怖い人がいる
 
 
起きてほしくないことですが、特定の人に何かしらの問題があることが原因で子どもが怖さを感じているならば、学校と連携しながらしっかりと対応していく必要がありますね。
 
 

◆何が怖いのかはっきりしていない場合

 
 
今回注目したいのは何が怖いのかはっきりしていない場合です。
 
 
「学校が怖い」と言っている本人も一体何が怖いのかはっきりとは分かっていないのです。
 
 
小学校生活の中では日々、大きなことから小さなことまで色々なことが起きて、子どもたちも感情の浮き沈みがあるのは当然です。
 
 
ところが、特に発達障害の特性を持つ子どもは小学校という集団生活の中で、大人が思う以上に頑張っていたり、苦労をしていることが多いのです。
 
 
 
 

・落ち着きがないことで怒られてばかりいる

 
 

先生の話を聞き取れず行動が出遅れる

 
 

体育や図工などで不器用さがあることでうまくできない

 
 

友達関係でうまくいかない

 
 

感覚過敏があり、音が大きすぎたり光が強すぎたり感じる

 
 
など、発達障害の特性があることで注意や指摘を受けたり否定的な注目を浴びたり、生活するだけでもストレスを抱えやすいのです。
 
 
さらに発達障害の特性の一つとしてネガティブな記憶を強く引きずるということがあります。
 
 
嫌だった、怖かったという体験が強く記憶されてしまい、挑戦する気持ちが失われ、自信がなくなる原因にもなってしまうのです。
 
 
これが原因!と本人もはっきりと言葉にすることはできないけれど、日々のストレスやネガティブな記憶から漠然とした学校に行くのが怖い、嫌だという感情を持ってしまうのですね。
 
 
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3.学校が怖いという印象を和らげる3ステップ対応

 
 
では、そんな小2で学校が怖いと言う発達障害の小学生の子にはどのような対応を取ったらよいか、3つのステップをお伝えしていきます。
 
 

◆①「学校が怖い」という感情を一旦受け止める

 
 
「学校に行くのが怖いんだよね」と言われたら、つい「そんなの大丈夫だって!」と返していませんか?
 
 
気持ちが楽になるようにとかけている言葉が逆に子どもを追いつめることもあるのです。
 
 
「怖い」という気持ちに対して真逆の「怖くない」という意味のことを言われたら、自分の感情を否定されたと感じてしまいます。
 
 
またお母さんは自分の気持ちを分かってくれない、と自分の気持ちを話してくれなくなる恐れもあります。
 
 
まずは、否定も肯定もせずに「そうなんだね、そんな風に思ってるんだね」と一旦受け止めましょう。
 
 
そうするだけで、「実は〇〇が怖かったんだ…」などと話してくれることもあります。
 
 

◆②「怖い」を紙に書き出す

 
 
感情を受け止めたら次に一歩話を進めてみましょう。
 
 
「学校が怖いことがあるんだね、お母さんにどんなことが怖かったか教えてくれる?」などと聞いてみましょう。
 
 
本人でも何が怖いのかはっきりと分かっていないので、すぐには答えられないこともあるでしょう。
 
 
「分からない」と言われても、矢継ぎ早に「勉強?友達?先生?」などと聞かないことです。
 
 
過去にあった困った出来事などを思い返してみて「ひょっとして〇〇で困ったこととか?」など、少し会話を先導してみてもいいかもしれません。
 
 
そして、ここでのポイントは怖いことを紙に書き出して、それに対してどうしたらいいかアイデアを出すのです。
 
 
紙に困り事、悩み事を書き出すやり方はセルフケアの代表的な方法の一つです。
 
 
怖いと思っていることを客観視できて、今まで思いつかなかったことに気付けるというメリットがあります。
 
 
紙に学校が怖いと思うことを書き出してみると案外大したことではないと気付けたり、こうやったらそんなに怖いと感じなさそう!など、子どもの中での「学校が怖い」という漠然としたイメージが整理されます。
 
 
我が家の息子の場合は、具体的な出来事を挙げてきたのでそれに対する対応、考え方を整理しました。
 
 
一部ですが、このようなことを話しました。
 
 
「体育館のトイレが怖い」 → 他のトイレを使えばOK!
 
「登校班で順番が遅くなるのが嫌だ」 → まずは自分が一番に集合する人になってみたら?
 
「給食のときにだめだよと注意された」 → 相手は心配して言ってくれたのかもしれないよ!
 
「休み時間に突然目の前で何か言われた」 → 遊んでいてたまたま目の前にきただけかも、スルーしてOK!
 
 
など、後で考えてみたら怖いことでもなかったと分かったり、対応策があることが分かったりしたことで気持ちがすっきりとしたようです。
 
 
 
 

◆➂写真を使ってポジティブな記憶に上書きする

 
 
最後は小学校へのネガティブな印象をポジティブな印象に上書きできるステップです。
 
 
これまで学校生活で楽しかったこと、上手にできたことなど楽しい思い出の写真を一緒に見返してみます。
 
 
そして、「最初は練習が難しくて嫌だって言ってたけど、毎日諦めずに練習したら本番はばっちりだったよね!」などとポジティブな言葉をかけていきます。
 
 
特に「学校が怖い」と言ったイベントに絡んだことの中でポジティブな出来事があれば、その時の写真を使って話しをすることで良い記憶に書き換えることができます。
 
 
写真を見返すことで、もう一度その時の嬉しい!楽しい!できた!という感情を呼び起こすことができ、失いかけた自信を取り戻していくことができるのです。
 
 
小2になり「学校が怖い」と言うようになった息子ですが、この3つのステップを踏むと落ち着けるようになり、2学期も安定して登校できるようになりました。
 
 
学校に行くのが怖いと言って夏休み明けに登校しぶりになりそうと思っても、学校に対するいいイメ―ジが定着し自信がつけば2学期をスムーズにスタートする助けになりますよ!
 
 
 
 
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執筆者:菅美結
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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