休み明けに小学生の子が夜寝付けない・朝起きれないと困っていませんか?実は生活リズムが乱れると、睡眠の問題に関わってきます。睡眠リズムの乱れは健康にも関わります。今回は小学生の睡眠リズムの直し方3ステップをお伝えします。
【目次】
1.休み明け、小学生の娘が寝付けない・起きれない
2.寝付けない・起きれないだけじゃない!生活リズムの乱れで起きる症状
①体内時計の乱れが睡眠リズムを狂わせる
②自律神経のバランスの乱れが心と身体の不調に
3.睡眠と目覚めをスムーズにするセロトニンを味方に!
4.小学生の「寝付けない・起きれない」に効く3つのステップ
1.休み明け、小学生の娘が寝付けない・起きれない
夏休みなどの長期休みに入ったとたん、子どもの夜更かしや朝寝坊が増え、イライラが増えた…というご家庭も多いのではないでしょうか。
何度声をかけてもゲームをやめられず、お布団に入ってもいつまでも寝付けない。
朝起こしてもなかなか起きれないため、ラジオ体操も不参加…
わが家の発達障害グレーゾーンの娘も、小学2年生の夏休みに生活リズムが乱れて、戻すのに苦労した経験があります。
最近の夏は日中が暑すぎて、一日中室内で過ごすことも多くなりました。
家にいれば自然とゲームやYouTubeも増えてしまいます。
一日中家に閉じこもっていると、体を動かさないので体力もあまり使いません。
結局夜になっても寝付けない。
↓
翌朝は起こしてもなかなか起きれない。
↓
やっと起きても、お腹がすいていない。
↓
朝ごはんをほとんど食べないでお菓子ばかり食べる…
「休みだからいいか」と思っていると、どんどん生活リズムが乱れてしまい、どこから直したらいいのかわからなくなってしまうなんてことも。
このように子どもの生活リズムが乱れると寝付けない・起きれないようになりがちです。
2.寝付けない・起きれないだけじゃない!生活リズムの乱れで起こる症状
最初は少しの生活リズムの乱れだったのに、やがて睡眠の問題から心身の不調にまで発展することもあります。
生活リズムが乱れる
↓
寝付けない・起きれない
↓
身体がだるく、やる気がでない
↓
行動力・思考力の低下
↓
心身の不調・うつ症状
という悪循環になってしまいます。
仕組みを詳しく見ていきましょう。
◆①体内時計の乱れが睡眠リズムを狂わせる
生活リズムが乱れるとなぜ夜になっても寝付けない、朝も起きれないようになってしまうのでしょうか。
私たちには体内時計が備わっています。
体内時計には、朝起きて活動的になり、夜になると眠るというリズムがあります。
体内時計の周期は24時間より少し長めで、1日24時間から少しずつズレが生じます。
このズレをリセットできずにそのままにしておくと、睡眠と目覚め(覚醒)のリズムも崩れることになります。
◆②自律神経のバランスの乱れが心と身体の不調に
歩いたり走ったり体を動かすのは運動神経の働きによります。
自律神経は、心臓を動かしたり、胃で食べ物を消化したり、暑いときに汗をかくなど、生命活動を支えています。
自分ではコントロールできないので、生活習慣で良くも悪くもなります。
生活リズムが整っていると、自律神経が正常に働き身体の健康バランスを保ってくれます。
自律神経には起きているときによく働く「交感神経」と、寝ているときによく働く「副交感神経」があります。
身体のオン(交感神経)とオフ(副交感神経)を調整しながら24時間休みなく働いていることになります。
オン・オフの切り替えがうまくいかないと自律神経が乱れ、
・集中力、やる気の低下
・情緒不安定
・頭痛、腹痛、肥満
など、心と身体への不調につながります。
3.睡眠と目覚めをスムーズにするセロトニンを味方に!
睡眠と目覚めに関わるホルモンに、メラトニンとセロトニンというものがあります。
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも言われ、眠っているときに分泌されます。
細胞を守り免疫力を高め、風邪などへの抵抗力を高める働きがあります。
メラトニンが十分分泌されることが睡眠の質を上げることにつながります。
メラトニンが不足するとなかなか寝付けない、そして夜中に起きてしまう「中途覚醒」、朝になっても起きれないなど、睡眠障害が起こりやすくなります。
一方セロトニンは「幸せホルモン」とも言われるホルモンで、集中力を高めたり、気分の安定、ストレスに耐える力を高める働きをしています。
昼間、日光を浴びることでセロトニンの量が増えポジティブな行動を起こしやすくしてくれます。
セロトニンが足りなくなると、心のバランスの崩れ、感情のコントロールができないなど自律神経の乱れにつながります。
そして良い眠りをもたらしてくれるメラトニンは、セロトニンから作られています。
昼間日光をしっかり浴びてセロトニンの量を増やすことで、夜にメラトニンがしっかりと作られ質の良い眠りにつながっていくのです。
少し聞きなれない身体のメカニズムについてお話ししましたが、これらを踏まえて、小学生の生活リズムの直し方をご紹介します。
4.小学生の「寝付けない・起きれない」に効く3つのステップ
乱れた生活リズムをリセットし直すには、体内時計を整える必要があります。
整えるためのステップを3つ紹介します。
◆ステップ1:毎日同じ時間に電気を消す
小学生の理想の睡眠時間は9~11時間と言われています。
夜9時に寝て、朝6時に起きると9時間になります。
「夜9時には寝ましょう」と言うのは簡単ですがなかなか実行するのは難しいですよね。
実はメラトニンは光があると分泌が抑えられてしまいます。
そこでわが家では「夜9時に電気を消す」ことを子どもたちと目指しました。
すると「今日は絵本をたくさん読んで欲しいから!」と8時過ぎには布団に入る。
「今日は1冊でいいから」と15分前に布団に入るなど、大好きな絵本を基準に布団に入るようになりました。
電気を消した後に娘2人のおしゃべりが止まらないこともあります。
そんなときはプリンセス好きだった2人に、「夢の中でドレスを着て舞踏会に行く」という設定でおはなしをします。
「何色のどんなドレスを着ていく?」「じゃあ夢の中でね~」と言うとおしゃべりがストップし、自分の想像の世界に入っていくようでした。
「早く眠らせなければ!」と神経質になりすぎるとかえってストレスになってしまうことがあります。
「何時に寝かせるか」より、毎日同じ時間に電気を消すことを意識してみてくださいね。
◆ステップ2:朝起きて太陽の光を浴びる
体内時計のズレをリセットしてくれるのが太陽の光です。
目から入る日光は脳にある主時計のズレをリセットしてくれます。
蛍光灯の10倍以上もの明るさがある朝日が体内時計のズレをリセットするスイッチとなります。
そして日中に作り出されたセロトニンが夜間のメラトニンとなります。
日中セロトニンを十分作っておくことが体内時計を整えることにつながります。
晴れた日に外で日光浴ができなくても心配はいりません。
例えば窓越しにレジャーシートを敷いてピクニック気分でご飯を食べるだけでも、日光を浴びることができます。
また雨の日にカッパを着てお散歩をしても、セロトニンはちゃんと作られます。
◆ステップ3:朝ごはんを食べる
朝食は午前中のエネルギーや集中力に関わります。
朝ごはんを食べることで体温を上げて身体を元気に動かしてくれます。
糖質やタンパク質など、朝食におすすめの栄養素もありますが、まずは決まった時間に少しでも朝ご飯を食べるリズムが大切です。
ご飯を食べることがあまり好きでない子には前日からメニューの希望を聞いて、食卓につく楽しみを作っておくことをおすすめします。
わが家ではフレンチトースト、温泉卵、フルーツ、ヤクルトなどを用意し、寝ぼけまなこにささやくと起きてきてくれます。
小学生の生活リズムの直し方、寝付けない・起きれないへの対策を紹介してきました。
分かっていてもうまくいかないのがパステルキッズの子育てですよね。
まずは子どもの「好き、楽しい」とセットにして、できそうなことからトライしてみてはいかがですか。
子どもの生活リズムを整えたいママへ、対応策をご紹介しています!
執筆者:本田ひかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)