息子は自分の思い通りにならないとすぐに機嫌を損ねてあまのじゃくな言動ばかりしていました。発達障害の幼児は、こだわりの強さから素直になれないことも多いですよ。そこで、今回はしつけなしで本来の素直さを引き出す会話術を紹介します。
【目次】
1.あまのじゃくな息子を突き放していた
2.発達障害の幼児はしつけると悪化する
3.子ども本来の素直さを引き出す会話術
1.あまのじゃくな息子を突き放していた
我が家の発達障害グレーゾーンの息子は、好奇心旺盛でなんでもやってみたい!行ってみたい!の天真爛漫な子です。
ある日、家族で公園に出かける準備をしていて、公園大好きな息子は直前まで張り切っていました。
しかし、家の中でふざけすぎたことでパパに注意されたことをきっかけに「もうお出かけいかない!」「公園なんて大っ嫌い!」「ママもパパも弟も絶対に遊んであげないからね!」と言い出したのです。
始めのうちは「あんなに楽しみにしてたじゃん!」「公園に行って楽しもうよ!」と優しく対応していました。
しかし、子どもの言動がだんだんエスカレートし、どんな声かけをしても「嫌だ!」「公園とか全然楽しくないし」と私が言うことと反対のことばかり言う息子にイライラ…
「もう遊ばないんだね!」「それなら置いて行くからね!」「もう勝手にしなさい!」と声を荒げてしまうことがありました。
いくら「本当の気持ちを言いなさい」「素直になりなさい」と子どもを正しくしつけようとしても、あまのじゃくさはよくなるどころかひどくなる一方でした。
2.発達障害の幼児はしつけると悪化する
発達障害の幼児が素直になれない理由に発達の特性が関係していることがあります。
こだわりが強い子の場合
・認知の歪みからちょっとした注意で全否定されたように受け取ってしまう
・白黒思考で極端な受け取り方をしてしまう
・自分の思い通りにいかないと癇癪を起こしてしまう
・一度、機嫌を損ねるとなかなか切り替えられないといった特性があります。
こうした特性は自分の意思でコントロールできることではないので、どんなに叱られても正せるものではありません。
それを「なんとかさせなきくちゃ!」としつけスタイルを貫くと子どもはできないことばかりに注目されるので、どんどん自信がなくなってしまいます。
さらに発達障害の幼児は嫌な記憶を残しやすいという脳の特性があるので
・自分が助けを求めてもわかってもらえなかった
・自分を否定されて叱られた
と感じて余計にひねくれて反対のことを言うようになる可能性もあるので要注意です。
3.子ども本来の素直さを引き出す会話術
では、お子さんが反対のことを言ってきたり、素直じゃない言動が見られた場合、どのように対応すればいいのでしょうか?
お子さん本来の素直さを引き出す3つのポイントを紹介します。
◆①気持ちをどんどん吐き出させる
人間の脳は相談をした時に「こうしたらいいよ」「ああしたらいいよ」とどんなに良いアドバイスをもらうよりも「わかってもらえた」と感じた時に高い満足感を感じます。
ですので、お子さんが真逆なことやお母さんの意に沿わないことを言っていたとしてもどんどん吐き出させてあげましょう。
「そう思うんだね」「うんうん、他には?」「そうなんだね」
ここでは、”お母さんにわかってもらえた”という心が通う経験をさせてあげることがポイントです。
◆②お母さんが意見やアドバイスをしない
お子さんの言っていることが例え間違っていたり、極端なことだったり、何か勘違いしてるなと思ったとしても、意見やアドバイスをせずに聞き手に回ってください。
この段階で 「パパに謝ってきたら?」 「早く泣き止みなさい!」 「落ち着きなさい!」 「そんなこと言うんだったらもう遊びに行けないよ!」 と言ってしまうと子どもが心を閉ざしてしまいます。
将来的に自分の話をしてくれなくなったり正直に話してくれなくなってしまう可能性があるので気をつけたいですね。
この時も同様に「そう思うんだね」「うんうん、他には?」「そうなんだね」と肯定も否定もしない受け止め方をしましょう。
◆③素直な気持ちが出てきたらすかさず褒める
お子さんの話を否定することなく上手に引き出してあげると少しずつ自分の本音を話し出す瞬間があると思います。
素直な気持ちを言えた時こそ、たくさん褒めてあげましょう(^ ^)
「そう思ってたんだね。気持ちを伝えてくれてありがとう」
「自分の気持ちを上手に言えたね」
”素直な自分の気持ち伝えていいんだ”
”お母さんは自分の想いを受け入れてくれるんだ”
と素直になることへの抵抗感が和らぎます。
ぜひ、親子のコミュニケーションでお子さん本来の素直さを引き出しませんか?
こだわりが強い子の素直さを引き出す秘訣とは
執筆者:中井春菜
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)