夫が子どもと遊ばない理由には、発達障害の特性が影響していることがあります。この記事では、発達障害の夫の苦手意識を理解し、適切な役割分担をすることで、夫婦間のストレスを軽減しながら、家族全体で楽しい時間を過ごせる方法を紹介しています。
【目次】
1.遊ばない夫にイライラ…いつも私ばっかり子どもと遊んでいる!
2.夫が子どもと遊ばないのには理由があった
3.発達障害の夫と子どもとの遊びに必要な役割分担とは?
1.遊ばない夫にイライラ…いつも私ばっかり子どもと遊んでいる!
毎日、子どもと遊ぶのは自分だけが頑張っているように感じていませんか?
家事に育児、仕事に追われる中で、子どもと遊ぶ時間を捻出するのは大変ですよね。
それなのに、休日でも夫は子どもと一緒に遊んでくれない。
そんな状況にイライラを感じてしまうママも多いのではないでしょうか?
実は私がそうでした。
当時の息子は小学校1年生で、身体を動かして遊びたい欲が強い!
まだまだ抱っこも、おんぶもしてほしい!
けれど、夫が遊ぶのは、お家でゲームかアニメのカードゲーム。
雨が降っていなければ、近所のいつも行く公園で、昔部活でやってたサッカーか鬼ごっこ。
もちろん、これでもとっても助かるのですが、他の遊びはほぼしません。
私が遊ぶのは、夫とする遊びに加えて、お相撲や戦いごっこ、遠くの公園まで行ってアスレチックとかトランポリンなどなど…
「おんぶして〜」
「抱っこでぐるぐる回って〜」
など、体力を使うことも私がやっていました。
そうすると、子どもは色々やってくれる私と遊びたがるし、夫も「パパがやるよ」ってこともありません。
「こういった遊びは力のあるパパがするのでは?」と思っていました。
私も応えてあげたい気持ちはありますが、負担が大きすぎると感じることも増えていきました。
「ママの方が良いってー」と言われても、それでは解決にはなりません。
夫が子どもと一緒に遊んでくれない理由は何なのでしょうか?
2.夫が子どもと遊ばないのには理由があった
実は、夫が子どもと遊ばない理由には、発達障害の特性が関係していました。
発達障害の場合、特定の状況や活動に対して強い不安や苦手意識を持つことがあるのです。
◆ネガティブな記憶をため込みやすい
発達障害の人の脳は、特性のためにネガティブな記憶をため込みやすい特徴があります。
危険だと判断したできごとを回避するために、その時をしっかり残しておくようにできているのです。
これは大人になっても、子どものころからの経験した多くの失敗の記憶が残っているのです。
例えば、私の夫は幼稚園の頃の運動会で、父親におんぶされながらの競技の時に落とされた記憶が強く残っています。
義父はあまり覚えていないのですが、落とされた側の夫はよく覚えていて、何度もこの話を聞きました。
そして、このネガティブな記憶は、脳内の扁桃体の機能を活発にさせるのです。
◆不安を感じやすい
活発になった扁桃体は不安な感情を引き起こします。
そして不安が強くなると、行動することを制限してしまいます。
例えば、子どもと遊ぶ際に
「転んでケガをするのではないか」
「おんぶで姿が見えないのが不安」
「高いところから落ちたらけがをするから危険」
「不安定な乗り物も事故になるかも知れないから苦手」といった思考になります。
これらの不安が原因で、夫が子どもと遊ぶことを避けている場合があります。
このことを学んで、夫が「お相撲や戦いごっこをしない」「子どもをおんぶしない」といった行動は、こうした不安から来ていることがわかりました。
3.発達障害の夫とは子どもとの遊びに必要な役割分担とは?
では、どうすれば夫と子どもが一緒に遊べるようになるのでしょうか?
それには、夫の苦手を理解し、適切な役割分担をすることが重要です。
◆①苦手を知って、役割分担をしよう
まずは、夫がどんなことに不安を感じているのかを理解する必要があります。
そして、その不安を取り除くための役割分担を考えます。
例えば、夫が高いところや不安定な乗り物が苦手で、ママが大丈夫ならその役割を担いましょう。
やらない原因がわかれば、ママのイライラも軽減するし、無理にさせようとも思わなくなります。
そして、ママも無理する必要はありません。
あくまでも「お互いの得意なことにフォーカスして家族全体で楽しむ」ことが大切です。
できないことはお子さんに説明しましょう。
わが家の遊びの役割分担は次の通りでした。
– 体を使った遊び:ママが担当
– ゲーム系:パパが担当
– カード集め:パパが担当
– サッカー:パパが得意なので任せるか、一緒に楽しむ
◆②一緒に過ごす時間を増やす
とはいっても、ずっと全ての遊びをママが担うのは大変です。
そのため次に行うのは、家族全員が一緒に過ごす時間を増やすことが大切です。
一緒に過ごすことで、夫も少しずつ子どもと遊ぶことに慣れていきます。
また、ママと子どもが楽しそうに遊んでいる姿を見せて、夫に子どもと過ごすことをイメージさせます。
◆③楽しく遊んでいるときに夫を肯定する
遊ぶと決めてくれた時から、「ありがとう。助かるよ」と声をかけましょう。
遊んだ後よりも、出だしや途中で声をかけることで、最後まで楽しく遊ぶことができます。
遊びについては、夫の得意なことでどんどん遊んでももらえばOKです。
時にはママも一緒に参加して遊びましょう。
家族そろって一緒に楽しく過ごすだけでも嬉しいものです。
そんな時に、夫のいるところで子どもに向かって、
「パパと遊べて楽しいね」
「パパ、サッカー上手だね。ドリブルとかさすがだね」
「このカードゲームは、パパにしかできないわ」
などと伝えます。
ママにとっては“こんなことで”と思うことでも、少しの時間でも遊んだら、とにかくプラスの声をかけていきます。
すると「一緒に楽しく遊べた。喜んでいた」という記憶が積み重なって、パパの自信になっていくのです。
遊びの役割分担を明確にすることで、ママも「自分ばかりがやらなければならない」というストレスから解放されます。
また、パパも「自分は何をすれば良いのか」が明確になるため、安心して過ごせるようになります。
発達障害の特性からくる不安や苦手意識は、本人にとって大きなストレスです。
パパが安心して過ごせる環境を作ることで、家族全員がハッピーに過ごせるようになりますよ。
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家族みんなが協力して、楽しい時間を過ごせるようになる工夫がたくさん!
執筆者:林 花寿美
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)