発達障害を持つ小学1年生の息子が、学校に行けなくなり不登校に。家族のサポートと理解を通じて、再び動き出すまでの過程をお伝えします。不登校で引きこもっても、お子さんに合ったサポート方法や家庭での工夫で再び動き出しますよ!
【目次】
1.入学後から行けていた学校にパタリといけなくなった発達障害の息子
私の息子は、小学1年生の12月から完全に不登校になりました。
年長の夏に通っていた保育園を不登園になり、小学校入学直後に発達障害・自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受けました。
母子分離不安もあり、入学後は朝から帰りまで親がつきそう親子登校を続けていました。
それでも、運動会や音楽会などの大きな行事にも参加でき、学校生活を楽しんでいるように見えました。
親が家に帰ることはダメだけど、移動教室などにはついていかなくても良くなり、休み時間には友達と遊び、一時的に親と離れても大丈夫な状態まで成長していました。
しかし、11月に風邪を引いて体調を崩してから学校に行きしぶるようになり、次第に完全に行けなくなりました。
行きしぶりを始めたときは、本人も完全に休むのは良くないことと思っているのか、宿題だけ持っていく、連絡帳だけ書きに行くことを続けました。
しかし、チックの症状が強くなり、過呼吸のようになってしまう息子の様子に心が痛みました。
「これ以上学校に行こうとするのはやめよう」そう思ったのです。
2.「このままでいいのかな」と不安が襲うが、家族との会話で乗り切る
息子が学校に行けなくなった時、私は「学校、休んでいいよ」と言いました。
しかし、「肯定してたけど、また行けるようになるのかな」と不安が募りました。
それと同時に、私が不安だと息子も不安になるのを感じ、何とかしなければと感じました。
ASDの子どもは、特に不安が募りやすい特性を持っています。
ネガティブな記憶を貯めやすく、想いを言葉にするのが難しく、完璧主義な面もあります。
私一人で抱えるのはやめて、夫と長女とも話をしました。
夫は大人になってから発達障害のASDと注意欠陥多動症(ADHD)の診断を受けましたが、息子とはタイプが違います。
夫は小学校時代を楽しく過ごし、高校時代にいじめに遭っても戦ったという経験があります。
時代背景もあり、学校を休むという選択肢はなかったようです。
ある日の会話で、夫の経験は息子とは少し違うものの、発達障害同士わかり合えることがあることを認識しました。
それは、まだ完全に不登校になる前に、息子が連絡帳を書きに昼休みにだけ教室に行くことをしていた時のことです。
学校に行くと、いつもお友達が寄ってきてくれます。
連絡帳を書き、先生に挨拶して帰る時間はお友達は掃除の時間で、
「掃除やってけー!」
「逃げるなぁー!逃げるな卑怯者ー!」
とからかわれることもありました。
昼休みだけ行くことも行きしぶりをするとき、私はそれが嫌なのかと思い、「時間を変えようか?」と聞きましたが、息子は「何で?」と言いました。
嫌ではないようなので学校に行くものの、その後も何回かあります。
もう一度息子に、気にならないか確認すると、「面白いし、言われたくて来ているんだよ」と言っていました。
夫に相談すると、「それは気にしていないと思うよ」と返事がありました。
「やっぱり息子は本当に気にしていないんだ」と私の考えと違うことに驚きました。
私の考えだけでは、否定的に捉えてしまうだけで、遠ざけようとしてしまったかもしれません。
息子を理解するのに、夫の意見はとても参考になると感じました。
そして息子には、誰か一人でも自分のことを受け入れて、わかってくれる人がいることが何より大事だと感じました。
家族で方向性を確認し、息子が過ごしやすいようにすることを決めました。
3.不登校の小学生が再び動き出す家族の対応方法
間違った対応をしていると、不登校は長引いてしまうことがあります。
しかし、必ずしも学校に戻ることがすべてではないと思っています。
やりたいことを見つけ、自ら考えて動き出すように、不登校の子どもには正しい家族の対応方法が必要です!
わが家で行った方法をお伝えしますね。
◆学校や宿題など息子が聞きたくないワードを封印!肯定的な関わりを100%にする
まず、「学校」や「宿題」といった息子が聞きたくないワードは家族全員で封印しました。
先生とも連絡帳や時に私が学校に行って、状況を共有し、息子のペースに任せることにしました。
おうちの中では本人がやりたいことを何も言わずに見守りました。
動画もゲームも制限せずに使い、外に出ることも無理に誘いませんでした。
そして、会話は肯定的な関わりを100%にします。
具体的には3つです。
①できていることを褒める
「起きてきたね」「ご飯食べてるね」「いっぱい食べたね」など、小さな成功を認めることが大切です。
②興味を示す
息子の好きなことに興味を示します。
「何のゲームしてるの?」「このキャラなんて言うの?」「また勝ったんだねー」といった会話を増やしました。
③無理をさせない
制限はしませんが、疲れるまでやらないように注意し、楽しくできたことを積み重ねるようにしました。
自分でやめれたときは、「自分でやめられたね」「自分で決められたね」と肯定しました。
◆ママが自分のことに集中する
息子のことばかりを気にしていると、私自身が疲れてしまうことに気づきました。
そこで、家の中で5〜10分間のヨガを毎日楽しく行うことにしました。
自分自身の健康やリラックスに集中することで、息子へのプレッシャーを減らすことができました。
◆きょうだいとの時間を大切にする
息子には4歳上のお姉ちゃんがいます。
長女にも「休みたいときは休んでいい」と伝え、ママとの2人時間をあえて取るようにしました。
いつも弟のことで連絡帳やプリントがあれば学校に持って行ってくれる役割を担っていました。
本当は弟と一緒に学校に行けることを楽しみにした長女。
我慢することも多くありました。
長女との関係を深めることで、家族全体の雰囲気も良くなりました。
完全に学校に行かなくなってから2週間程度すると、突如息子から「僕も運動したい」「走りたい」と言われました。
どこに行こうか相談すると、「学校の校庭を走ろう」と息子からの提案がありました。
息子から「学校」というワードが出てきたこと、学校の敷地内に入ろうという気になったことに驚きました。
すぐに家族に報告し、みんなで喜びました。
不登校になって外にも出ず、引きこもりの生活はいつまで続くのかと心配していましたが、息子は自分のペースで充電ができれば動き出すことが分かりました。
焦らずに子どもが動き出すのを待つことが大切だと感じました。
子どもの成長には時間がかかります。
ですが、家族のサポートと理解があれば、必ず再び動き出す日が来ます。
今不登校でお悩みの方も、ぜひお子さんを信じて、試してみてください。
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執筆者:林 花寿美
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)