人の気持ちを考えず自分優先なお子さんに悩んでいませんか?発達障害の幼児の特徴の1つに共感力の低さがあります。共感力は小学生に上がるまでには身につけたい力ですよね。そこで、相手の立場に立って考えられる共感力の育て方を紹介します。
【目次】
1.息子は自分の感情がすべて
2.共感力の低さは発達障害の幼児の特徴
3.人の気持ちがわかるようになる共感力の育て方
①感情に名前をつける
②絵本で共感性を育む
1.息子は自分の感情がすべて
私には発達障害グレーゾーンの4歳の息子がいます。
息子は、自分が感じていることは他の人も同じように感じていると思い込んでしまうことがあります。
そのため、人が自分と違うことを感じていることが理解できず、うまくいかないと怒ってしまうことがよくあります。
たとえば、
・友達が帰りたがっているのに「なんで帰るの?」と怒りだす
→息子はまだ遊びたいので、友達が帰りたい気持ちが理解できない
・夕食を食べ終わると、周りがまだ食べている途中でも「早く遊ぼう」と怒りだす。
→息子は食べ終わって遊びたいので、他のみんなも遊びたいと思っているはずだと考えている
・嫌がる友達にしつこくついて回る
→息子は楽しいから友達も楽しいと思っている
私はそのたびに「なんでそんなに自分のことばっかりなの?少しは相手の立場も考えなさい」と注意していました。
しかし、息子はこだわりが強く、自分の主張が通るまで「なんで?考えてるもん。みんなも同じだよ」と言い続けていたんです。
このように、息子は他の人が嫌がっていることを理解できないので、相手の立場に立って考えることができずに私の思いがなかなか伝わりませんでした。
皆さんも、お子さんが自分のことばかりで人の気持ちがわからないと悩んでいませんか?
そのまま年齢を重ねると、人間関係のトラブルに発展して友達が離れていくのでは?と心配になりますよね。
そこで今回は、相手の立場に立って考えられる共感力の育て方について紹介します。
2.共感力の低さは発達障害の幼児の特徴
発達障害の幼児の中には、共感力が低いという特徴がみられることがあります。
共感力とは、人が感じている喜びや悲しみ、苦しみや楽しさを理解し、同じように感じる心の働きのことです。
共感力が低いと、人の気持ちを想像したり、相手の立場に立って考えることができなくなります。
発達障害の幼児が共感力が低くなる理由は2つあります。
一つ目に、発達障害・自閉スペクトラム症(ASD)特有のモノの捉え方が関係しています。
これは、全体の状況よりも細かい部分に目を向ける傾向があるということです。
例えば、誰かが冗談を言ってみんなが笑っている場合、発達障害の幼児は冗談そのものよりも、話している人の表情や声のトーンなど細かいところに注目します。
そのため、なぜ周りの人が笑っているのかという全体の文脈を理解できないことがあります。
二つ目に想像力の欠如が関係しています。
ASDの子どもたちは自分の視点で物事を理解する傾向が強く、他人の視点を取り入れることが難しい場合があります。
これにより、他人の感情や考えを想像するのが難しくなります。
つまり、自分が体験していないことはどんな気持ちになるのかを想像することができないのです。
このような理由から、発達障害ASDの特性のある幼児は周りの人と感情を共有することが難しいという特徴を持っています。
感情のミスマッチが続くと「空気が読めない人」「人の気持ちがわからない人」と思われて人と距離を取られるようになり、ますます共感力が育たなくなるという悪循環になってしまいます。
3.人の気持ちがわかるようになる共感力の育て方
小さい頃から相手の気持ちを理解できるようになると、これからの友達付き合いがもっと楽しくなります。
そこで、幼児期に共感力を育てるためのおすすめの方法を2つ紹介します。
◆①感情に名前をつける
何子どもが感じたことのない感情は理解しにくいことがあります。そこで、子どもが何かを感じたときに、その感情に名前をつけてあげると感情を理解しやすくなります。
例えば、
・子どもが泣いているときに「今、悲しいんだね」と言ってあげる
・何かに失敗して悔しがっているときに「悔しいんだね」と言ってあげる
こうすることで、自分の気持ちをちゃんと認識できるようになり、他の人の気持ちも理解しやすくなります。
◆②絵本で共感力を育てる
絵本を読んで、登場人物の気持ちを考えることも共感力を育てるのに役立ちます。
例えば、物語の中でキャラクターが泣いている場面を見たら、「この子はどうして泣いているのかな?」と質問してみてください。
子どもがどんな答えを言っても「それもいいね!」と認めてあげるといいです。
お母さんが共感してくれることで、子どもは嬉しくなり、もっと相手の気持ちを考えようとします。
さらに、 「こんなことがあって、こんな気持ちなのかもね」 「もしかしたら、あんなことがあって、こういう気持ちなのかもね」 とさりげなく伝えてあげると、子どもはいろんな気持ちのがあることを学び、感情の選択肢が増えます。
これにより、子どもは様々な状況で他の人の気持ちを想像しやすくなります。
共感力が育つと、友達との関係もスムーズにいくようになります。お子さんの共感力を育てて、楽しい人間関係を築く手助けをしませんか?
人間関係が楽しくなるとっておきの共感力の育て方とは
執筆者:中井春菜
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)