発達障害のある子どもで家族以外と話さない、場面緘黙の子どもの接し方(学校編)

発達障害の子どもで、場面緘黙という症状をもつ子がいます。学校生活の中で突発的な状況に合うと言葉も出せず動くこともできなくなる、それが場面緘黙です。そういった子どもとどう接していくのかを紹介します。学校への説明にも活用していただけます。
 

【目次】

1.発達障害の子どもの場面緘黙とは
2.発達障害の子どもが場面緘黙だと気づきにくいのは何故か
3.発達障害で場面緘黙のある子どもの接し方(学校編)
4.発達障害で場面緘黙のある子どもへ、安心・安全な場所の提供が快適を与える

 

1.発達障害の子どもの場面緘黙とは

 
 
場面緘黙とは、家族とは問題なく話をすることができるが、学校などでは全く言葉を発することができない状態が長く続いていることを言います。
 
 
場面緘黙の子どもは家では非常におしゃべりであることが多いようで、家庭においては、コミュニケーションで困ることはありません。
 
 
だからこそ、親は外での様子に驚き、原因が心理的なところにあると思われるようです。そして、話せないことに対して、本人以上に周囲の大人が困ってしまうことも少なくありません。
 
 
学校生活の中では、指導されたり驚いたりすると、急に話ができなくなることが多くあります。
 
 
その一方で 環境の変化や成長によって、何の支援も受けずに急に話せるようにもなることもあります。私は学校現場で仕事をしているのですが、特に高校入学を機に話せるようになった、という生徒は何人もいました。
 
 
 
 

2.発達障害の子どもが場面緘黙だと気づきにくいのは何故か

 
 
場面緘黙のある子どもがお母さんでも気づかれにくいのは、
 
 
① 家ではおしゃべりであるから
 
② 外で急にしゃべらなくなり、お母さんに隠れるなど可愛い行為に変わってしまうから
 
③ 家ではおしゃべり、外ではあまりしゃべらない、おとなしくいい子であるから
 
④ 保育園や幼稚園の先生でも場面緘黙を知らない方も多いので、この症状で指摘を受けることは非常にまれなことであるから
 
 
以上のような原因に加えて、学校内でも大きな声を出して騒ぐこともなく、動き回るわけでもないため、場面緘黙の子どもは「静かでいい子・少し行動が遅い時がある」という程度に思われてしまいます。
 
 
 
 
 

3.発達障害で場面緘黙のある子どもの接し方(学校編)

 
 
場面緘黙の症状を持っている子どもの中で、「自分の状態を理解できているか・できていないか」ということは、支援するうえでとても大切になります。
 
 
自分の状態を理解している場合の支援については、筆談というツールを活用することができます。
 
 
急に困ったことが起きて途端に口が開かなくなり、一言も話せず行動も止まってしまったとき「そうなってしまうときがある」と自分で理解していると、紙とペンを出すことで筆談に切り替えて、取りあえず自分の気持ちを書くことができます。
 
 
筆談ができる子どもは、比較的子ども同士では話ができることが多いです。
 
 
友人と楽しく話している状況をさりげなく見ていると、徐々に「話している状態が普通」という認識になるのか、声を聴くことができるようになります。
 
 
 
 
自分の症状を理解していない場合の支援については、とにかく 安心できる場所や人がいるということが支援になります。詳しいことは、次の章でお話していきます。
 
 
 

4.発達障害で場面緘黙のある子どもへ、安心・安全な場所の提供が快適を与える

 
 
自分の症状を理解できていない場面緘黙の子どもや、発達障害のある子どもには、「何か困ったことがあった」「助けが欲しい」「教えて欲しい」と思ったときには必ずここに来る、という場所を用意することが大切です。
 
 
こういったところがあるだけで、安心して外の世界で挑戦することができるようになります。その場所には、いつも誰かがいるということではなく、いつでも利用していいということが大切です。
 
 
ベストなのは、いつでも笑顔で待ってくれる受付の方のような人がいることです。ですが、そうならなくても安心していられる場所があれば、少し落ち着いて次にどうすればいいのかを考えられるようになります。
 
 
学校生活の中で、どうしても無理なときには安心できる人の声を聴かせてあげることも効果があります。
 
 
例えば、母親に電話をかけて声だけでも聴かせる。そうすることで、少しずつ状況を把握する力が戻ってきて動くようになり、話ができるように回復する。
 
 
それでも固まってしまったら、無理に解凍するのではなく、安心できる何かに寄り添わせるということが大切です。
 
 
そういった行為を経て、だんだんと自分を安心して出せる場を広げることで、人との距離が縮まってきます。
 
 
子どもの成長を感じることが、教育しているものの一番の楽しみだと思います。そんな楽しみをみんなで共有できるように、支援の輪を広げていきたいです。
 
 
 
 
執筆者:中村愛
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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