発達障害・グレーゾーンのお子さんにお手伝いを頼んでも、なかなか上手くできない我が子にイライラしていませんか? これは運動の発達が遅いことが考えられます。今日はそんな子どもが遊びで運動の発達を楽しく加速できる対応をお伝えします。
【目次】
1、発達障害グレーゾーンの子どもには運動発達が遅い理由がある!
2、子ども達の運動脳が発達しにくい現代社会
3、不器用な子どもには、今からの対応が必須!
4、運動発達の遅い子の脳を育てる「タオルつな引き」
1、発達障害グレーゾーンの子どもには運動発達が遅い理由がある!
子どもの簡単なお手伝いの一つとして、食事前後にテーブルを拭いてもらうことは、よくありますよね。
でも、発達障害・グレーゾーンのお子さんの場合、せっかく拭いてくれた所がかえって水でべちゃべちゃに…
つい、「なんでこんなこともできないの?」とイライラしながら、結局その場でママがやり直す、こんなことはありませんか?
この原因は、布巾などを上手くしぼれないことが考えられます。
実はしぼりきれないのは、手指の力の問題だけでなく、全身を上手く使えていない問題があるんです。
発達障害グレーゾーンの子どもは、生まれついて脳の運動をコントロールするエリアに未発達な部分のあることが多く見られます。
そのため体の動きに不器用さが見られ、極端な場合には、発達性協調運動障害(DCD)の傾向があると言われます。
このDCDは発達障害グレーゾーンの50〜80%に合併していると言われています。
子どものうちに支援を受けなかった場合は成人に持ち越し、社会生活に適応するのに壁となっている場合があります。
なんとかしておきたいですね。
2、子ども達の運動脳が発達しにくい現代社会
現代社会は、仕事のIT化や家電の自動化が進み、効率的でとても便利になっています。
子ども達の遊びも私たちの頃とはだいぶん様変わりして、子ども達が生きる未来に沿った遊びが増えていますね。
利便性・効率性にあやかって、私たちの生活は豊かになっています。
その一方で、体をダイナミックに使う機会は格段に減っています。
例えば、階段はエレベーターやエスカレーターに変わり、 遊びは鬼ごっこや野球などから、ゲーム機や動画で楽しむようになって、外遊びが減っています。
人の体は環境から様々な感覚刺激を受け、それを脳で処理し、「どのように体を動かそうか」とプログラミングした結果、体が動きます。
この経験の積み重ねによって脳の運動のネットワークが伸びます。
しかしこの経験が浅いと、ネットワークが伸びません。
そのため、発達障害グレーゾーンで生まれながらに不器用がある場合、体を使う機会が減っている現代の生活では、脳の未発達な部分はさらに育ちにくくなっているんです。
3、不器用な子どもには、今からの対応が必須!
せっかく拭いたのに、べちゃべちゃ。下手したら、目の前で拭き直されてしまうのを見たとしたら…
自信を失って、「僕ってダメなんだ」と、自己肯定感が下がってしまいますよね。
布巾がしぼれないということは、学校で掃除の雑巾も上手くしぼれていないという事です。
そこで先生に指摘や注意を受け、子ども達は失敗体験と感じています。
このように不器用な子ども達は、日常生活の様々な場面で自信を失っていることが往々にしてあります。
本来お手伝いはママが助かるだけでなく、子どもに家族の一員としての自覚が芽生え、貢献欲求を育てる絶好のチャンス。
実は、脳科学に基づいたママの肯定の声かけと遊びで、このチャンスを生かして不器用を良くする方法があるんです!
4、運動発達の遅い子の脳を育てる「タオルつな引き」
布巾などが上手くしぼれない子には、ママと「タオルつな引き」で遊びましょう。
両手を同時に動かすチカラ、片手を持ち替える間に反対の手は力を引き続ける左右で違う動きができるチカラ。
手で引きながらも倒れないように下半身をどっしり構えてバランスをとるチカラ、相手がタオルを引くのを感じ取る反応するチカラ。・
つまり、綱引きは全身の協調運動なんです。
1分間くらい、頑張って引き合ってみましょう。
ポイントは声かけ
「うわ〜〜!手の力強いな〜!いいよいいよ〜!タオルを肩で引いてごらん〜!」
「お腹の奥に力入ってるね!顎を引くともっと腰に力が入るよ〜!」
「足の踏ん張りも効いてるね〜!足をもっと開くともっと踏ん張れるよ〜!」
声かけで、できている部分を褒め、強化したい部分を言葉にすることで、より良い動きが強調されます。
すると、手指から体幹を含む全身の筋力、バランス、動きを切り替える力や反応力などが育ちます。
これらがしっかり働くようになると、布巾や雑巾を「ひねって」絞ることができるようになります。
タオルは大きいほど、力がいります。小さなタオルから徐々に段階づけてくださいね。
お母さんに褒められることで、子どもはやる気を出し成長はぐんぐん加速します。
ぜひ楽しく行って、自信を育ててくださいね。
パステルキッズの生活をより良くするためのヒントが多数あります!
執筆者:長野愛
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)