お子さんがリコーダーを吹けない!とお困りのことありませんか?発達障害や不器用な子が吹けるようになるためには、簡単な動作にしてスモールステップで練習することが大切です。リコーダーが苦手な子向けのうまく吹く教え方のコツをお伝えします。
【目次】
1.リコーダーが吹けなくて音楽を嫌がる息子
2.発達障害や不器用な子がリコーダーを吹けない理由
◆同時に複数の動作をすることができない
◆ドレミ〜の音が出る指の位置を覚えていない
◆姿勢を保持できていない
3.苦手な子でもうまく吹けるようになる教え方のコツ
①ドレミ〜の指の位置を覚える
②楽譜を見ながら1小節だけ、指のみ動かす
③1小節のみリコーダーを吹いてみる
4.リコーダーの穴がうまく塞げない時にすること
1.リコーダーが吹けなくて音楽を嫌がる息子
お子さんがリコーダーがうまく吹けない!とお困りのことありませんか?
発達障害や不器用な子にとって、手先を使うリコーダーは難題ですよね。
リコーダーが苦手な子どもでも、うまく吹けるようになるコツは簡単にできることからスモールステップで練習することです。
こちらの記事では、我が家の手先が不器用でリコーダーを吹けなかった小学3年生の息子が、うまく吹けるようになった経験をもとに、練習のコツをお伝えしていきます。
息子は、小学3年生になってから始まったリコーダーがうまく吹けずに、音楽の授業を嫌がるようになりました。
吹き方がわからないので、周りのお友達の吹き方を見ながら、見よう見まねで真似した状態で、ただなんとなく吹いていたのです。
そんな吹き方では正しい音が出るわけもなく、指の使い方も吹き方もわからない状態で、リコーダーの練習をしないといけない息子にとっては、音楽の授業は苦痛でしかなかったのです。
手先が不器用で記憶する力が弱い息子にとっては、リコーダー特有の穴の位置を覚えたり、リズムに合わせて指を細かく動かすことがとても難易度が高いことだったのです。
リコーダーは3年生だけでなく、高学年でも中学生でも使用するので、吹けないと気づいた時点ですぐに対応したいですね。
2.発達障害や不器用な子がリコーダーを吹けない理由
リコーダーを吹くためには、吹き口に向かって息をフーと吐き出し続けながら、同時に穴を指で塞いでいくことが必要になるため、小学生にとっては高度な技術です。
発達障害で手先の不器用さがあったり、覚える力が弱い子は特につまづいてしまうことがあります。
では、具体的にリコーダーを吹けない理由についてご説明します。
◆同時に複数の動作をすることができない
まずリコーダーを吹くためには下記の動作を同時にする必要があります。
・姿勢をキープしてリコーダーを持ち続ける
・リコーダーの吹き口をくわえ、息を吹き続ける
・ドレミ〜の音が出る指の位置を思い出す
・楽譜を見て音階を把握する
・リコーダーの穴を塞ぐために両手の指を動かし続ける
このように同時にする動作がたくさんあります。
いずれかの動作でつまづいていることもありますし、同時に複数の動作を行うことが苦手な子どもの場合はやることが多くて混乱してしまい、リコーダーがうまく吹けないのです。
◆ドレミ〜の音が出る指の位置を覚えていない
リコーダーを吹くためには、それぞれの音を出すための指の位置を覚えることが必要になります。
例えば、ソの音だと、左手の親指でリコーダーの裏の穴を押さえ、左手の人差し指・中指・薬指でリコーダーの表の上3つの穴を塞ぎます。
それらの4つの穴を全て塞ぐことができると、ようやくソの音が出ます。
リコーダーのどこの穴をどの指で塞ぐと、その音が出るのかということを理解して、記憶しておかないと、リコーダーを吹くことができないのです。
◆姿勢を保持できていない
リコーダーを吹くときには、背筋を伸ばして顔は正面を向け、力を抜いた状態で、リコーダーを持つことが大切です。
なぜなら、その状態をキープすることで息を吹きやすくなり、指も使いやすくなるからです。
余計な力が入ってしまうと息を強く吹きすぎてしまったり、指で穴をしっかりと塞ぐことができずに、ピーという甲高い音が出てしまう原因になります。
また指の動かし方がぎこちなくなり、指で穴を塞ぐ動作に時間がかかってしまいます。
そのため姿勢を保持できていないと、力がうまく抜けずに、思うように吹けないのです。
では、どのようにしたらリコーダーを吹けるようになるのか、次にお伝えしていきます。
3.苦手な子でもうまく吹けるようになる教え方のコツ
リコーダーをうまく吹けるようになるために最も大切なことは、子どもが簡単にできる動作にまで分解して、やってもらうということです。
動作を簡単にすることで、リコーダーが苦手な子どもも「やってみようかな」と取り組みやすく、できた!と成功を実感しやすくなります。
おすすめの順番としては
①ドレミ〜の指の位置を覚える
②楽譜を見ながら1小節だけ、指のみ動かす
③1小節のみリコーダーを吹いてみる
息子の場合はこの順番でやることで、できない、難しいと感じることなく、意欲的に取り組むことができました。
そして、一つできるたびに、「そうそう」「いい感じ」「できたね」「吹けたね」と肯定し続けていきました。
肯定されることで、小さなできた!の成功体験を積み重ねることができ、練習へのモチベーションも保たれていきました。
では、具体的にどのように息子に教えたのかお伝えします。
◆①ドレミ〜の指の位置を覚える
息子の場合、ドレミ〜の指の位置を全く覚えていなかったので、まずは音楽の授業で配布されたプリントに載っていたソラシドレの音を吹くための指の位置を覚えることから始めました。
指の位置を覚える時は、リコーダーを吹くことはせずに、リコーダーに両手指を当てて、まずは「ソ」「ラ」「シ」「ド」「レ」の順番で、音を出すための指の位置を教え、順番に指を動かしてもらいました。
手先の不器用さがあるので、最初はぎこちない動きでしたが、何度か繰り返すと、スムーズに「ソ」「ラ」「シ」「ド」「レ」の順番に指を動かせるようになっていきました。
◆②楽譜を見ながら1小節だけ、指のみ動かす
指の位置を覚えることができたら、次に楽譜を見ながら1小節だけ指を動かすことにチャレンジです。
最初は「救急車のサイレン」の曲にしました。
「シ」「ソ」「シ」「ソ」と2つの音階を繰り返すだけでよいことと、救急車のサイレンは聞いたことのある音なので、息子も取り組みやく、楽譜を見なくても指の動かし方をすぐに覚えることができました。
◆③1小節のみリコーダーを吹いてみる
指を動かすことが簡単にできるようになったら、次に吹くという動作を加えます。
リコーダーの吹き口をくわえ、フーと息を吐き出しながら、指を動かします。
すると、「シ〜ソ〜シ〜ソ〜」と音が出るので、吹けた実感もわきます。
リズム通りではなくても、指を動かすことができて音を出せたらハナマルです。
「お〜1曲吹けたね!」と伝えると、息子も嬉しかったようで、「他の曲も吹いてみる!」と言って、他の曲にもチャレンジし始めました。
「チャルメラ」の曲も「ソラシラソ」を2回繰り返すだけなので、少し練習すると吹けるようになりました。
このように動作を簡単にして順番に行っていくと、リコーダーが苦手な子どもも、吹きながら指を動かすことができるようになります。
4.リコーダーの穴がうまく塞げない時にすること
リコーダーの練習をしていると、1点うまくいかないポイントがありました。
それは吹いている途中に、ピ〜と甲高い音がでてしまうことです。
甲高い音が出てしまうと、それだけで吹けていないように感じてしまいます。
そのため、落ち着いた音が出るようにサポートしていきました。
息子の場合、甲高い音が出てしまう原因は
・力が入ってしまい指で穴をしっかりと塞げていない
・力強く息を吹き過ぎる
ことでした。
対策として
・立ち上がる
・リコーダーの下端をテーブルに載せる
・指の腹はぺったんこにしてリコーダーに載せる
ことを実践しました。
体の力や腕の力がうまく抜けると、自然に指の腹を寝かせて穴を塞ぐことができるので、低い音が出しやすくなります。
そして、穴を塞ぐ正しい指の位置を定着させるために、うまくできた時だけ肯定することにしました。
具体的にはピーという甲高い音が出ているときはスルーして、低い音を出せた時だけ「穴を塞げたね」「いい音出せたね」「その吹き方がちょうどいいね」と肯定し、今のやり方が良いんだと体感できる記憶を残すようにしました。
このようにして、息子は一つ一つできることが増えていき、成功体験を積み重ねていくことができました。
次第に「このプリントの曲、全部吹けるようになりたい」と言い、自ら練習をするようになりました。
すると、どんどん上達して、初めての曲でも楽譜のドレミ〜の音を見るだけで吹くことができるようになっ野です。
すっかり自信をつけた息子は毎日のように「リコーダーの練習する」と言い、吹くことを楽しめるようになりました。
発達障害や不器用さがありリコーダーが全く吹けない子どもでも、スモールステップで動作を簡単にして練習すること、たくさんのできた!を伝えること、力を抜くコツをおさえて教えることで、うまく吹けるようになります。
苦手を克服した体験は、自分ならやればできるんだ!という大きな自信になります。
そのサポートができるのはそばにいるお母さんです。
ぜひ親子で楽しみながらやってみてくださいね。
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執筆者:菅野 美香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)