繊細で自信がない子どもが「いたずら万博」を通して自信をつけたストーリー

 
繊細で自分に自信がない子どもは、人前に出たり目立つようなことを嫌がる傾向があります。我が家の娘がまさにそうでした。今回私が思い切って発コミュのリアルイベントに親子で参加したことで、娘に自信がつき大きな成長を遂げることができたので紹介します。
 

【目次】

 

1.リアルイベント「いたずら万博」への参加を決意

 
 
2024年8月、発達科学コミュニケーションで「いたずら万博2024」という親子イベントが開催されました。
 
 
イベントの趣旨は、
「子どもたちが心から楽しめる安心安全な空間を提供し、彼らの好奇心を大切にし、成功体験として体験を提供することで、脳の成長を促す」
というものです。
 
 
当時、上級講座に入ったばかりだった私は、
 
「いつもZOOMで会う方々にお会いしたい!」
「子どもと一緒に参加できるイベントなら行ってみよう!」
 
という軽い気持ちで、応募しました。
 
 
イベントには2種類の参加スタイルがありました。
・企画段階から参加する「いたずらエリート」
・当日の準備から参加する「いたずらキッズ」
 
 
「いたずらエリート」は当日までに数回ZOOMでの会議があります。
 
 
人見知りが強く繊細な娘には、オンラインとはいえ事前に参加メンバーの顔を覚えられるので良いと思いました。
 
 
一方で、自分が画面に映ること自体に抵抗を感じている娘にとってはプレッシャーになるのでは?という心配もありました。
 
 
 
 
本人に希望を確認したところ、「いたずらエリート」を選んだので、思い切って「いたずらエリート」で申し込みました。
 
 

2.想定外の出来事が続き気持ちが乗らなくなる…

 
 
2024年6月からZOOMでの作戦会議がスタートしました。
 
 
娘は参加できない日もあったし、参加しても画面に写りたがらない日もありました。
 
 
それでも徐々に、最後の写真撮影には顔を出せるようになり、私としてはこれだけでも成長を感じていました。
 
 
作戦会議で、子どもたちから多くのいたずら案が出ていましたが、予算・実現性を考慮して数案に絞られました。
 
 
その結果、娘が考案した「スイカ割で炭酸ジュースが出てくる」「ポテチでお菓子の家を作る」は残念ながら選ばれませんでした。
 
 
次に選ばれたいたずら(パビリオン)の中でどれに参加するかを選びます。
 
 
娘は「コーディネーター」の仕事に興味を持ちました。「目立ちたくないから裏方が良い」ということで、受付や案内の看板を段ボールで作る仕事を希望しました。
 
 
その後、 コーディネーターは大人が担当するので、いたずらのパビリオンに入ってほしいということになりました。
 
 
娘は濡れねずみにはなりたくない、劇に出るのはイヤ、爆発は怖いなどと不安要素が多数あったため、ゴーストパビリンに参加することにしました。
 
 
今度はゴーストパビリオンのいたずらエリートと希望者でダンスをするという話になりました。
 
 
目立ちたくないと言う娘にとって、 初めて会った人の前でいきなりダンス…またハードルが上がってしまいました。
 
 
その後も、ヘリウムガスで風船を飛ばす、お化けをドローンで飛ばすなど、具体的に私と娘が何を担当するのかは決まりませんでした。
 
 
繊細で、何が起こるか見通しの立たないことが苦手な娘にとって、いたずら万博のパビリオンは不安材料多数…
 
 
話が二転三転したり、なかなか想定どおりにいかないことにも、もどかしさを感じていました。
 
 
 
 
そんな最中、突然、愛犬(17歳)が旅立ちました。
 
 
年齢的にも寿命は過ぎていてそう長くはないと覚悟できているつもりでしたが、何とも言えない悲しみと喪失感で涙が止まりませんでした。
 
 
こんな気持ちで楽しいことを考えたり準備をするのは難しい…
 
 
メンバーにも思考停止している旨を伝え、少し休ませてもらいました。
 
 
直前になって何の役にも立てないのなら、いっそいたずら万博への参加をやめようかとも思いました。
 
 

▼発達検査・知能検査でママたちが本当に聴きたかったことを1冊にまとめました

 
 

3.気持ちに迷いがありながらも前に進む

 
 
数日後、気持ちに迷いがありながらもミーティングに参加したところ、会場装飾・フォトブースを担当することになりました。
 
 
正直あれやこれやと自分から色々考える余裕はなかったので、役を与えられて助かりました。
 
 
装飾探しはかなり難航しましたが、偶然ネットで見つけたガーランドを「これはどうですか?」とメンバーに相談したところ、「これなら使えそう!」と賛成してくれました!
 
 
たまたま見つけたものでも、誰かの役に立てるって嬉しいなと思いました。
 
 
 
 
私がダンスの動画を観ていたら、娘が一緒に練習を始めました。
 
 
本番でも踊ってみるか聞いてみたら「ステージで踊ることはイヤ」「練習はするけど本番ではやらない」と断言。
 
 
「ステージで踊ることには難色を示している」と報告したところメンバーよりありがたいメッセージを頂きました。
 
 
発コミュ対応が基本です!完璧を求めない!当日、踊りたくなければ踊らくなくてOK!本人が楽しかったり、居心地がよいことを優先してください!」
 
 
いたずらエリートなのに踊らないってどうなの…と不安に思っていた私はこの言葉で救われました!
 
 

4.子どもの好きや得意を活かす

 
 
娘はもともと絵を描くことや制作が好きなので、フェイスペイントをすることには乗り気でした。
 
 
そこで、好きなことや得意なことを活かして準備することにしました。
 
 
来てくれた人にペイントをするためには、自分たちもそれなりのフェイスペイントをして楽しませなければ!と意気込んで、まずは親子で試してみました。
 
 
なかなかのクオリティができましたが、2人で45分もかかってしまいました。
 
 
タイムスケジュール的に、もっと短時間でできるようにしなければならない。
 
 
完璧主義の傾向がある私と娘。
 
 
やるならここまでやってあげたいけど、顔全体にペイントするのは難しい…
 
 
娘にそう伝えたところ、娘から新たなアイデアが!
 
 
「紙をお化けの形で切り抜いてそこにポンポンと色を塗ればいいんじゃない?」
 
 
この型でやってみたペイントがこちら↓ 思ったよりうまくできてる!
 
 
 
 
さっそくチャットで報告すると、メンバーからも褒めてもらいました。
 
 
娘に伝えると嬉しそうな様子で型を数パターン用意することができました。
 
 
しかし、移動の前日。「型はこれしかないの?って言われたらどうしよう…」と言い不安になりだした娘。
 
 
他人の評価・反応を気にしすぎる繊細っ子の特性がここで出てきてしまいました。
 
 
他にどんな型がいいかなぁと考えて、結局23時まで試行錯誤していました。
 
 
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5.自信がない子ともに自信を手渡すことができた!

 
 
発コミュを学ぶ前までは初めての場所や初めての人に慣れることに時間がかかっていた娘。
 
 
大丈夫かなと心配していましたが、最初の「こんにちは」の挨拶は言えました。
 
 
大人たちに話かけられると若干緘黙は出ていたものの、少し時間が経つと自分から話かける様子も見られました。
 
 
また、娘より年上のお姉ちゃんたちともすぐに仲良くなることができました。
 
 
ダンスを踊ることはありませんでしたが、来てくれた人に娘がフェイスペイントをすることはできました。
 
 
そして、なにより持参した型が予想以上に好評だったのです!
 
 
娘より小さい子どもたちは顔全体にペイントすることに抵抗がある子がほとんどでしたが、 「こういう型もあるよ!」と見せると「こっちにする!」と選んでくれました。
 
 
お母さんが頑張ってフルペイントに挑戦したけど、そのペイントが気に入らなくて「写真なんて撮らない!」と言った子がいました。
 
 
娘の型を使ってペイントし直したところ、フォトブースで笑顔で写真を撮ることができた、ということを聞きました。
 
 
パビリオンにきた人が、娘に「良かったね!」「みんな気に入ってくれてるね!」 と何度も褒めの声かけをしてくれました。
 
 
 
 
なかなか自分に自信を持つことができない娘ですが、 たくさんの子どもたちが自分の作った型でフェイスペイントをしているのを体感したり、お褒めの言葉をかけてもらえることで、娘がささやかな喜びと自信で満足している様子が感じ取れました。
 
 
私も娘の作った型が好評だったこと、自信につながっていることがとても嬉しかったです。
 
 
娘にとって大きな成功体験になりました。
 
 
これはリアルイベントでなければ体験できなかったことであり、迷いながらも参加することを決断して本当によかったです。
 
 
これからも娘のペースや好きなことを大切にしながらも、焦らず挑戦できる幅を広げていこうと思います。
 
 
カサンドラ症候群の専門家 発達科学コミュニケーショントレーナー公認心理士 蒔田ようさんのストーリーです。
 
 
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執筆者:神名 美緒
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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