子育てをしていると悩みはつきものですね。今年9月に実施したデータリサーチでは、99.5%のママが子どもに困りごとがあると回答。皆さん何かしらの困りごとを抱えていることが分かりました。どのような困りごとがあるのか特性別、学年別に徹底調査しました! |
【目次】
1.子どもの困りごと徹底調査!99.5%の子どもが困りごとあり
2.子どもの困りごとTOP10
◆困りごとは発達タイプによる?
◆困りごとは学年による?
3.お母さんだからできること!お家でできるお子さんの困りごとへの対応
1.子どもの困りごと徹底調査!99.5%の子どもが困りごとあり
2学期も半ばを過ぎましたね。
暑さが和らいて少し涼しくなってくると、大人も子どもも疲れが出る時期です。お子さんの様子はいかがですか?
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、それぞれの特性から日常生活でスムーズにいかないことも。子育ての悩みは尽きないかもしれません。
お子さんの困りごとに対して、色々と試行錯誤して取り組まれているママ・パパも多いでしょう。
今回パステル総研では、発達障害・グレーゾーンの子どもの保護者を対象とした、子どもの困りごとに関するデータリサーチを実施したところ、217名の方からご回答をいただきました。
現在お子さんは、困りごとを抱えていますか。
このように99.5%の回答者がお子さんに困りごとがあると回答しました。
お子さんの発達タイプは?
全体の回答者のうち、混合タイプが29.8%、次いで自閉症スペクトラム(ASD)タイプが18.6%、注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプが11.2%、不明が27.0%、定型発達タイプが10.2%、学習障害タイプが3.2%でした。 不明と定型発達を合わせると37%となり、今回の回答者の3分の1以上は発達特性が明らかではないことがわかりました。
2.子どもの困りごとTOP10
◆困りごとトップ10
自分の子どもに困りごとがあると、お母さん・お父さんも心配ですね。
「子どもに困りごと」があるといっても、感情のコントロールができないといったことから、嫌なことはやらないといった様子までさまざまです。
困りごとがあると回答された方々に、具体的にどんな困りごとがあるのか答えていただきました。
*複数回答
第1位は「ゲーム・Youtubeが長い・やめられない」48.6%
多くの子どもたちが、ゲーム・Youtubeを好んでいて、大人がやめてほしいと思ってもなかなかやめられていない現状が伺われました。
具体的なエピソードを伺ったところ、
「学校から帰ると、寝るまで食事・お風呂・宿題以外ほぼYoutubeとゲームで時間を過ごしている」
「ご飯の時間もゲームとYouTubeをやめられない」
「ゲームをやめるように言うと暴れちゃう」
「苦手な事がたくさんあるので、ゲーム以外の事はできない!やりたくない!とやろうとしない」
という声がありました。
第2位は「好きなことだけ集中する・嫌なことはやらない」47.2%
好きなことだけには集中するけれど、嫌なことはやらないという回答が2位でした。好きなことには集中するけれど、大人がやって欲しいと思うことにはなかなか取り組めないお子さんの姿が想像できます。
具体的なエピソードは、
「勉強はほとんどせず、ゲームばかり」
「やりたくないこと、苦手なことがあると参加しない」
という声がありました。
第3位は「不安・緊張が高い」44.4%
44.4%の回答者がお子さんが不安・緊張が高いと回答されました。日々の生活の中でお子さんがストレスにさらされ、うまく緩めていないことが想像されます。
具体的なエピソードは、
「不安が強く集団行動に入りづらい」
「学校に行くと友達に何か言われるのではないかと行く前から不安になる」
「友人関係がうまくいかず悩みすぎて、うつ状態になってしまった」
という声がありました。
第4位は「こだわり・マイルールがある」42.1%
4位は、「こだわり・マイルールがある」が42.1%でした。この困りごとは、ASDの同じ行動・物事を好むという特性や3位の「不安・緊張が高い」と関係する点がありそうです。不安や緊張の高さがあることから、こだわりやマイルールを持って、不安や恐れなどを感じる「脅威」から自分を守ろうとしている可能性が考えられます。
具体的なエピソードは、
「間違っている答えでも自分がこうだと思ったら、考えを変えない。人にも違うよ!こうだよ!と言い張る」
「自分の行きたがらない用事はでかけない、嫌なことがあると絶対に動かない」
という声がありました。
第5位 「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」41.7%
この困りごとは去年は第1位で半数以上の方が回答されたものでした。今年も5位にはなりましたが、41.7%と多くの方が持つ困りごとということが分かりました。
具体的なエピソードは、
「工作をしている時に自分の理想通りできないと怒り出し投げ出してしまう」
「コロナをきっかけに、不安が強くなると言葉にできず癇癪を起こすようになりました」
ということでした。
その他の困りごとをご紹介します。
第6位「感覚が過敏・鈍いところがある」41.2%
第7位「学校に行きたがらない・登校しぶりがある」38.9%
第8位「片づけられない」「勉強・宿題をしない・嫌がる」「母がイライラしてしまう」38.4%
「自信がない・失敗を恐れる」
「疲れやすい」
「切り替えができない」
「打たれ弱い・嫌なことがあると長引く」
「被害的な受け取り方をする」
「計画・ダンドリが立てられない」
など。
多くの困りごとは、わがままだったりだらしがないからと捉えられてしまうこともあります。しかし、どれもお子さんの持つ特性から苦手なことだったり、苦手なことが多くあることで、ストレスにさらされていてしんどい思いをしているというSOSと捉えることができます。
◆困りごとは発達タイプによる?
さらに、それぞれの困りごとをお子さんの発達タイプ別で詳しく見てみました。
◆自閉症スペクトラムタイプ
自閉症スペクトラム(ASD)タイプでは、第1位「友達付き合いが苦手」57.5%と、他の特性タイプの子ども達の1位とは異なる結果でした。
ASDタイプの特性とも言える対人関係の苦手さが大きな影響を与えていることが伺えます。
2位は「不安・緊張が高い」52.5%
3位「こだわり・マイルールがある」「コミュニケーションが苦手」「学校に行きたがらない・登校しぶりがある」50%でした。
「不安・緊張が高い」ので、「こだわり・マイルール」で対応しようとしていることが伺えます。
「コミュニケーションが苦手」は、1位の「友達付き合いが苦手」と共通する特性からの困りごとと言えそうです。「学校に行きたがらない・登校しぶりがある」は「友達付き合いが苦手」「不安・緊張が高い」「コミュニケーションが苦手」といった困りごとから、学校がストレスになっている状況が伺えます。
◆混合タイプ
混合タイプでは、第1位「好きなことだけ集中する・嫌なことはやらない」が59.4%でした。
2位 「ゲーム・Youtubeが長い・やめられない」57.8%
3位「不安・緊張が高い」51.6%
4位「こだわり・マイルールがある」「疲れやすい」「感覚が過敏・鈍いところがある」50.0%でした。
混合タイプのお子さんの半数以上が、不安・緊張が高く、疲れやすさが見られ、感覚過敏などが目立っていることが分かりました。
ストレスにさらされている人が見せる状況でもあるので、気になる結果です。不安・緊張が高いことから、こだわり・マイルールがあったり、好きなことはやるけれど嫌なことはやらなかったり、ゲーム・Youtubeが長くなってしまっている可能性も考えられます。
◆ADHDタイプ
ADHDタイプでは、第1位は「片づけられない」で54.2%で半分以上のADHDの子どもが抱えている困りごとだということが分かりました。
2位は「ゲーム・Youtubeが長い・やめられない」「忘れ物が多い・忘れっぽい」50.0%
3位 は「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」「計画・ダンドリが立てられない」「集中力がない・落ち着きがない」45.8%
「片づけられない」「忘れ物が多い・忘れっぽい」「計画・ダンドリが立てられない」「集中力がない・落ち着きがない」がトップ5に入っているのは、ADHDタイプだけなのが特徴的です。ADHDの不注意の特性からの影響があることが推測されます。
◆不明・分からない
特性が不明・わからないでは、第1位は「不安・緊張が高い」「母がイライラしてしまう」「自信がない・失敗を恐れる」48.3%でした。
「母がイライラしてしまう」は他の特性ではトップ5には入っていませんでした。発達タイプが不明なことから、お子さんの行動について原因がわからずに「わがままなのではないか」「しつけができていないからではないか」など子どもか自分を責めてしまいがちでイライラにつながってしまっている可能性も推測できます。
4位は 「ゲーム・Youtubeが長い・やめられない」「好きなことだけ集中する・嫌なことはやらない」「打たれ弱い・嫌なことがあると長引く」46.6%でした。
「不安・緊張が高い」「自信がない・失敗を恐れる」が1位で半数近くの方に見られ、「打たれ弱い・嫌なことがあると長引く」も4位に入り、特性が不明なお子さんたちのメンタルヘルスが気がかりな結果でした。
特性が不明の場合も混合タイプと共通する「ゲーム・Youtubeが長い・やめられない」「好きなことだけ集中する・嫌なことはやらない」という困りごとが上がっていました。
◆定型発達タイプ
定型発達タイプでは、第1位は「ゲーム・Youtubeが長い・やめられない」40.9%でした。
2位は「感覚が過敏・鈍いところがある「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」36.4%
4位「不安・緊張が高い」「こだわり・マイルールがある」「学校に行きたがらない・登校しぶりがある」「好きなことだけ集中する・嫌なことはやらない」「白黒思考・完璧主義」31.6%でした。
定型発達タイプでも、発達特性があるタイプと共通する困りごとが上位に入っていました。
◆困りごとは学年による?
次に学年別で困りごとを、見てみましょう。
◆未就学児 32名
1位は「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」と未就学のお子さんの68.8%の困りごとでした。
2位「不安・緊張が高い」56.3%
3位「母がイライラしてしまう」50.0%
半数以上の未就学のお子さんを持つお母さんたちがお子さんの様子にイライラしてしまい困られていることが分かりました。
◆低学年 69名
低学年では1位が「自信がない・失敗を恐れる」という困りごとを半数以上の方が持っているという点に注目したいと思います。
この低学年のお子さんたちは、3歳から6歳ぐらいの時期にコロナ時代を過ごしていました。この発達時期は、自分が得意か苦手かどうか関わらずに、色々なことに挑戦して、楽しい!できた!体験、成功体験を積み重ねて「自信をつけていく時期」といえます。コロナ時代は、そういった体験をする機会が減ってしまっていたことが考えられます。そのため、現在小学校低学年で、自分ができないことに注意が向いてしまっていて自信がなかったり、挑戦する意欲が沸いてきていないということも考えられます。
◆高学年 57名
高学年になると第1位に「好きなことだけ集中する・嫌なことはやらない」が上がりました。
年齢的にプレ思春期に入り、親の言うことはあまり聞かなくなってきていることも考えられます。また、客観的に自分のことが見られるようになってくる時期なので、自分が苦手なことをして失敗して自信を失いたくないと、自分を守るために嫌なことはやらないという選択をしているということも考えられます。
2位「感覚が過敏・鈍いところがある」52.6%
3位「ゲーム・Youtubeが長い・やめられない」50.9%
4位「勉強・宿題をしない・嫌がる」49.1%
5位「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」「計画・段取りが立てられない」47.4%
でした。
現在高学年のお子さんたちは、コロナ時代に小学校1年生から3年生でした。小学校1年生から3年生の時期は、自分の行動習慣をだんだんと身につけていく時です。
そのためには、やりたいことを思い切りとことんやってみる経験が必要と言われています。そうすることで、「これぐらいの塩梅がちょうどいいんだ」と体感から学ぶことができ、行動習慣を身につけられます。
勉強や宿題など嫌なことはやらず好きなことだけ、ゲームやYoutubeが長くなったり、計画・段取りが立てられないという結果は、やりたいことをとことんやってみる経験が少なくなっていたコロナ時代の影響も考えれます。
コロナ時代は、子どもができる行動のバリエーションが少なくなってしまい、家の中で過ごすことが多く、興味が狭まりがちです。そういった影響から、ゲームやYoutubeに興味が狭まってしまっていることも考えられます。
◆中学生 38名
中学生に入り、初めて「片付けられない」が上位に入りました。
中学生になると親が片付けを手伝うことは減り、自分でやることを期待されていても、それがうまくできていないことが伺えます。
また、中学生では「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」が上位5位に入っていませんでした。それ以外では、小学校高学年のランキングと共通する点が多く見られました。
小学生の時よりも感情面では癇癪やパニックという形での困りごとは減っている可能性が考えられます。それよりもゲームやYoutubeがやめられなかったり、片付け、勉強など行動習慣への課題があることが伺えます。
コロナ時代に小学校高学年だった子どもたちは、オンライン学習や家で過ごす時間が増えて、体験の幅が狭まっていたことから、行動習慣を身につける機会が少なくなっていたことが影響しているとも考えられます。
◆高校生 21名
高校生では、
1位「疲れやすい」42.9%
2位「被害的な受け取り方をする」「朝起きない・起きるのが苦手」38.1%
とお子さんの身体とメンタルへの困りごとが上位に入っていました。
特性によるものもあるかもしれませんが、中学時代がコロナ時代だったことで、人との接触が減って、行動や興味の範囲が狭まっていたり、運動不足から体力の低下がみられたり、ストレスからメンタルに影響がでていることも考えられます。
3.お母さんだからできること!お家でできるお子さんの困りごとへの対応
今回、アンケート結果で、子どもに関して99.5%のママ達が困りごとがあると感じていることがあることがわかりました。
特に、ゲーム・Youtubeが長くやめられないこと、好きなことだけに集中して嫌なことに取り組めないこと、不安・緊張が高いこと、こだわり・マイルールがあること、感情のコントロールに課題を感じていることが明らかになりました。
こういった困りごとは、発達障害・グレーゾーンの子どもたちがその特性から苦手だったり、自然と学ぶことが難しいことです。また、苦手なことが多くあることで、ストレスにさらされていてしんどい思いをしていることも伺えます。
お子さんの困りごとにどのような対応をされているのか伺いました。
これまでに困りごとを解決するために、具体的に取り組まれたことがありましたら教えてください。
「子どもができていることを肯定する・褒める」 79.5%と多くの方がされた取り組みでした。
次に多いのは、「子どもの話を聞く・共感する」69.3%でした。
「子どもを否定しないように気をつける」55.3%
「子どもへの声のかけ方を変える」54.0%
と半数以上の多くの方が、お家でご自身でお子さんへの対応を変えることで取り組まれていることが伺えました。
多くの方がすでに取り組まれているように、お子さんの困りごとは、実は、お家でお母さんがコミュニケーションをとりながら対応していくことができます。
発達障害・グレーゾーンのお子さんにとっては、学校などの集団生活の中で不安・緊張を感じながら学ぶよりも、安心できるお母さんとの関係から学ぶ方がより効果的といえます。
困りごとに対して効果的な解決方法が分かる勉強会があれば、参加してみたいですか?
64.6%が「無料なら参加したい」、34.4%が「有料でも参加したい」、1.0%が「参加したくない」と回答されています。
つまり99%のお母さんたちのお子さんの困りごとのために学んでみたいという想いが伝わってきました。
そこで、今回、子どもの困りごとへの、お家でお母さんがコミュニケーションをしながらできる対応方法をNicotto!ライブでお伝えします!
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アンケートの概要
○調査期間:2024年9月16日から9月18日 (2日間)
○調査方法:インターネット調査
〇回答者数と内訳:217名
〇回答者属性
〇お子さんの性別
〇お子さんの発達タイプ
〇お子さんの学年
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執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)