発達障害の子どもに、片づけられない・忘れものが多いという悩みを持つ子が少なくありません。苦手なのはわかるけど片づけができるようになってほしい!と思っているママに、苦手を克服する対策法をご紹介しますね。
【目次】
1.発達障害の子が片づけられない・忘れものが多いのはなぜ?
2.探し物を減らす声のかけ方って?
3.苦手な片づけができるようになった!忘れものが減った!習慣化する方法
①「とりあえず」のボックスを作る
②「自分のために」片づけよう
③見えるところに置く
1.発達障害の子が片づけられない・忘れものが多いのはなぜ?
注意欠陥多動性症障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害がある人は、片づけが苦手だったり忘れものが多かったりします。
苦手ですが、ちょっとした工夫や声かけを続けることで、片づけができるようになったり、忘れものを減らすことができます!
片づけられない・忘れものが多いという共通した困りごとですが、それぞれ原因が違うので、ここではADHDの困りごとにフォーカスしますね。
ADHDの子どもが片づけが苦手だったり忘れものが多い原因として、
・ワーキングメモリの容量が少ない
・興味のないことに集中できない
・目先の誘惑に弱い
・先の見通しを立てるのが苦手
・苦手なことは後回しにしてしまう
といった特性があります。
片づけられないから、物をなくしてしまうし、物を探せなくて忘れものが増えてしまうということになってしまうのです。
お気に入りの物以外は、どこに置いたか忘れてしまうため、宿題のプリントや学校からのお知らせをよくなくしたり、学校にお箸や水筒などの持ち物を忘れてくることも多いのです。
先の見通しを立てることも苦手で、目先の誘惑に弱いため、「片づけなければ怒られる」「忘れものをしたら怒られる」ことよりも、「マンガを読みたい」「ゲームをしたい」「遊びに行きたい」という気持ちが勝ってしまうんですね。
さらに、片づけられない・忘れものについて注意されることが多いため、片づけをすることや持ち物を管理することに対して苦手意識が強くなってしまいます。
発達障害の子どもはネガティブな記憶が脳に残りやすいこともあり、注意されたこと=苦手なことになってしまうことも。
苦手なことを後回しにしてしまう特性もあるため、苦手意識が脳に定着してしまう前に、いやなイメージをなくしてあげることが大切です。
2.探し物を減らす声のかけ方って?
わたしの息子はADHDで不注意の特性が強く、片づけが苦手で忘れものが多いです。
不注意の特性が強いので、耳からの情報を処理する能力も低いのですが、 声のかけ方を変えることで探し物を減らすことができました。
ある晩のこと。
おやすみなさいをした後で、息子が何やら探し物をしていたのです。
寝る直前になって、何か大事な持ち物を思い出したのかな?と思い様子をうかがっていたのですが、30分たっても探し続けていました。
「何を探しているの?」と声をかけたところ、息子が涙目で「ぬいぐるみがひとついないの…」と答えました。
息子はお布団の周りにぬいぐるみを並べて寝ているのですが、そのぬいぐるみがひとつ行方不明になってしまい、泣きながら探していたのです。
手のひらに乗るくらいの小さなぬいぐるみなので、布団に紛れているんじゃないか?と一枚ずつめくっていったところ、敷布団の下にありました。
この日、部屋を片づけずに空いているスペースにお布団を敷いていたため、置いてあったぬいぐるみを巻き込んで紛失していたのです。
「部屋を片づけないからこういうことになるんだよ」「片づけをしてからお布団敷こうね」と伝えたましたが、その後同じことを2回やらかしてくれました。
この時のわたしの声かけは息子に届いていなかったのです。
なぜかというと、
「部屋を片づけないからこういうことになるんだよ」
→「怒られた・注意された」ことが脳に強く残る
「片付けをしてからお布団敷こうね」
→何をどういう風に片づければいいのかがわからない
ということなんです。
ですから、
「ぬいぐるみをこの箱に入れてからお布団敷こう」
「○○は△△にしまおう」
など、具体的な声かけに変えたところ、息子の探し物が減ったんです!
声のかけ方ひとつ変えるだけで、子どもの行動が変わるのです。
3.苦手な片づけができるようになった!忘れものが減った!習慣化する方法
発達障害の子どもでも、声かけやその子にあった工夫をすることで、片づけられるようになります!
片づけができるようになると、忘れものも減りますよ。
大事なのは「習慣化」するまで、根気よく続けることです。
ここでは、わたしの息子に効果的だった工夫や声かけをご紹介しますね。
◆①「とりあえず」のボックスを作る
片づけが苦手な子は、どこに何を片づければいいか?がわかりません。
物を分別して片づけることが難しいんですね。
我が家では「ぬいぐるみ」「硬いおもちゃ」など、おおまかに分類したボックスのほか、とりあえずの箱」を置いています。
これは、片づけの際分類に困ったものを入れるボックスで、何を入れてもOKなボックスです。
物の分類に困ったら「とりあえずの箱」にポイポイ。
たまにお菓子の袋や靴下が混ざっていますが、それでOK!
時間のある時に息子と一緒に「とりあえずの箱」の中身を整理しながら、これはここにしまおうか?これは使ってないから捨ててしまおう、といった具合に片づけていきます。
」があることで、片づけのハードルがぐんと下がるし、定期的に箱の中身を整理することで、物の分類を覚えていきます。
これを繰り返すことで、「とりあえずの箱」という行動が身に付きますよ。
◆②「自分のために」片づけよう
先にお話ししたように、息子は寝る直前にぬいぐるみを紛失して泣いたことがあります。
自分のミスで大事なものをなくして泣くのは悲しいよね?
寝る直前に悲しい思いをしないよう、「自分のために」片づけをしないかい?
と息子に伝えたところ、片づけをするようになりました。
このお話をした日から、ぬいぐるみはなくしていません。
◆③見えるところに置く
息子のおもちゃや持ち物すべて、できる限り見えるようにしています。
たとえばおもちゃなら、透明のボックスを利用して、あまり使っていないものを奥の方にしまいます。
マンガなら、あまり読んでいないものを奥の方へ。
学校の持ち物は本棚の下のスペースに、その他学校で使うであろう空き箱などは玄関前のスペースに、宿題や提出物はリビングの棚の上にあるカゴにまとめて置いています。
そう、見えないところにあるものは忘れてしまうからです。
見えるところに置くようにしてからは、忘れものが減りました。
さらに嬉しいことに、工作で使うであろう空き箱やラップの芯などを取っておくため、ゴミの分別を進んでしてくれるようになりました。
見えるところに置いてあるため、準備もひとりでするように。
ひとりでできることが増えたことで、片づけや道具の準備に対して、 苦手意識が和らいだように感じます。
ここでご紹介した方法は、わたしの息子に効果的だったことです。
片づけや持ち物の準備に苦手意識を持っていた息子ですが、 声のかけ方や片づけ方を工夫することで、苦手を減らすことができました。
苦手なことを「できた」に変えることで、成功体験となります。
成功体験を積み重ねることが習慣化への近道です。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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執筆者:村上 惠子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)