グレーゾーンで繊細な子の傷ついた心。つよい心に育てるための自分の取説

 

グレーゾーン、繊細な子は傷つきやすく、不安になったり落ち込んだりしやすいですよね。心をつよく持ってほしいと願うママは少なくないのではないでしょうか。繊細な子は、自分が傷つくパターンを知ることでメンタルを回復させる力を身に着けていきます。
 

【目次】

 
 

1.グレーゾーンで繊細、傷つきやすい子どもは自覚することが大事

 
 
繊細で傷つきやすい子どもが、嫌なことがあるとすぐに落ち込んだりやる気がなくなったり、登校を渋ったりして困っていませんか?
 
 
繊細な子どもをつよい心に育てるためには「自分の心が傷つく状況やパターンを自覚させてあげる」ママのサポートが大事です。
 
 
 
 
自覚することで、
 
 
・メンタルの極端な落ち込みを防ぐことができます
 
・落ち込んだメンタルを回復させる手段を見つけ出します
 
 
そのために、ママのサポートが必要です。
 
 
今回はそんな繊細な子に自覚させてあげるママの声かけの方法をお伝えします。
 
 
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2.娘だけ泣いて帰宅した理由にはグレーゾーンの特性があった

 
 
私の中学1年生の娘が小学5年生の時、泣きながら帰宅したことがありました。
 
 
一緒に登下校している友達もしょんぼりしていたので、理由を聞いてみると、学校でのある出来事が原因でした。
 
 
クラスメートの男子のいじめ問題です。娘は他人の感情に影響されやすいという特性があり、クラスの男の子のいじめを自分事のように感じていたのです。
 
 
支援学級の男の子に向けてクラスの元気な男子達のからかいが発端で少しずついじめがエスカレートしていました。
 
 
学年の各担任も娘のクラスに集まり話し合いがあったようでした。
 
 
娘は「男子のからかいを何度も止めようと思ったけど、できなかったから涙がでたんだ」と言いました。
 
 
話し合いでは、クラスの女子のほとんどが、娘と同じように止める勇気がなかったと話していたようです。
 
 
この問題はホームルームの時間に皆で考え、意見を出し合って対策がだされたようでした。
 
 
クラスで泣いていたのは娘だけだというのです。
 
 
では、なぜ娘だけこんなに泣いているの?
 
 
 
 
実は、その男の子は娘の隣の席だったのです。
 
 
その時私は、
 
 
「○○ちゃんが悪いんじゃないよ」「○○ちゃんが泣かなくてもいいんよ」
 
 
と慰めることばかり言っていました。
 
 
この頃、私はまだ娘の特性を理解していませんでした。
 
 
娘が自閉症スペクトラム障害(ASD)傾向であることを知るのは、まだ先の事です。
 
 
ASDには、他人の感情に影響されやすいという特性があり、当時の娘は、クラスの男の子のいじめを自分事のように心が傷ついていたんだと思います。
 
 
娘がグレーゾーンだと知ったのは翌年の6年生の夏です。
 
 
登校しぶりがきっかけで、私は発達科学コミュニケーション(以後、発コミュ)に出会い認識しました。
 
 
ASD傾向で繊細な娘の場合は、
 
 
・自分の気持ちをうまく言えない
・人が叱られているのに自分の事のように傷つく
・人混みが苦手
・音への感覚過敏
 
 
が考えられるということが分かりました。
 
 
そして、学びを進めるうちに娘のように自閉症スペクトラム障害(ASD)傾向の繊細な子どもへの対応方法が少しずつ分かってきました。
 
 

3.グレーゾーンかな?と疑う勇気が二次障害を防ぐ 

 
 
 二次障害とは、発達障害・グレーゾーンの特性に伴って発症する心理的な反応や行動問題など、二次的にあらわれる状態のことです。
 
 
例えば、過度な不安や睡眠障害などの精神的問題、癇癪や人を叩くなどの行動問題です。
 
 
二次障害を防ぐには、グレーゾーンの特性に対する周囲の正しい理解や適切な対応が必要です。
 
 
 
 
ASDの主な特性として
 
①ことばやコミュニケーションが苦手
②社会性の発達がゆっくり
③集団行動が苦手
④強いこだわりや感覚のかたより
 
 
という4つが挙げられますが、この特性の濃淡には個人差があります。
 
 
発達障害の診断基準には当てはまらず、特性が軽かったり少なかったりするのがグレーゾーンです。
 
 
社会や学校に適応できない程ではなく、個性だとも思える。
 
 
見た目からは判断が付きにくいため気づくのが遅れがちです。
 
 
いつも側にいるママだからこそ感じる、うちの子なんか周りの子とちょっと違う?
 
 
このように思ったら、グレーゾーンかもと疑ってみて下さい。
 
 
なぜなら、子どもの特性を知ることで適切な対応ができ、二次障害を防ぐことができるからです。
 
 
次章では、繊細な子や傷ついてしまった子への対応の一例をお伝えします。
 
 
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4.繊細な子の心をつよくするには自分の取説を見つけること

 
 
傷ついて過敏になっている子へは、余計な刺激はしないことが大切です。
 
 
子どもが自分の気持ちとの向き合えるように、ママが共感とホームカウンセリング(発コミュ基礎講座)の型で会話しながらサポートするといいです。
 
 
◆共感する
 
・傷ついてしまっている子へは気持ちを全て受け容れてあげることが大事です。
 
 
×:「頑張れ」「あなたのせいではないよ」などの励まし慰めはさける
○:「辛かったね」と共感して気持ちに寄り添う
 
 
◆ホームカウンセリング
 
・カウンセリングの話し方をすると本人がいろいろなことを理解してきます。
 
 
理解力が高まってくると気分障害は落ち着いてくることが多いです。
 
 
・「私はこういう場面で一緒に傷ついてしまうんだ」と気づかせてあげる
・「気持ちが落ち込んだ時はこういうふうにしよう」と自分の取説を見つける
 
 
後に娘は、気持ちが落ち込んだ時は好きなネット番組をみたり、イラストを描いたりすることで心が落ち着くのだとわかったようです。
 
 
※メタ認知(自分のことを客観的に理解する力)を高めてあげるとメンタル症状の落ち込みの予防になります。個人差はありますが、9~10歳から始めてあげるといいようです。
 
 
 
 
このように、子どもが自分の気持ちとの向き合い方に迷っているとき、親が少し方向を差し示してあげることは必要だと思います。
 
 
今、中学1年生になった娘は思春期です。
 
 
子どもから大人への過渡期でもあるこの時期、不安や動揺の中、心くじけるときもあるのでしょう。無心にイラストを描く姿を目にすると、今は、自分と向き合う時間なのだと見守ることができています。
 
 
私たち親が仲間と一緒に学ぶことの重要さを感じます。
 
 
同じような悩み、繊細なお子さんをお持ちのママの参考になれば幸いです。
 
 
 
 
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執筆者:瑞上 ようこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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