HSC「人一倍敏感な子ども」は感受性が高いため些細なことでも心が傷ついてしまい心配…と思ったことはありませんか?敏感な子の心をつよくするには、まず本人が自分のトリセツを見つけることです。この記事では子どもが自分のトリセツを見つけるためのホームカウンセリングをご紹介しています。
【目次】
1.人一倍敏感な子の心が傷ついて涙がでた理由
元気がなかったり落ち込んでいる子どもを見て、なにかあったのかな?と理由を聞いても、原因が見当たらない…という経験はないでしょうか。
HSC(Highly Sensitive Child)と呼ばれる「人一倍敏感な子」は、感受性が高く些細なことにも刺激を受けやすく周囲の人からみると理解するのが難しいかもしれません。
敏感で傷つきやすい子には、自分のトリセツを見つけてあげるといいです。
ママがカウンセリング型の会話をしてあげることで、子どもは自分のトリセツを見つけることができますよ。

私にはHSCで敏感な中学1年生の娘がいます。娘が小学5年生の時、泣きながら帰宅したことがありました。
一緒に登下校している友達もしょんぼりしていたので、理由を聞いてみると、クラスの男の子たちの間でいじめ行為があり、クラスで話し合いの時間がもたれたということでした。
娘は直接かかわってはいないけれども、「男の子たちのからかいを何度も止めようと思ったけどできなかったから涙がでたんだ」と言いました。クラスの女の子のほとんどが、娘と同じように止める勇気がなかったと話していたようです。
しかし、クラスで泣いていたのは娘だけだというのです。
なぜ、娘だけこんなに泣いているのか、お友達に聞いても「わからない」との返答でした。
その時私は、「○○ちゃんが悪いんじゃないよ」「○○ちゃんが泣かなくてもいいんよ」
と、慰めることばかり言っていました。
この頃、私はまだ娘の特性を理解していませんでした。
私がHSCという言葉を知ったのはその翌年のことでした。娘の登校しぶりがきっかけで、私は発達科学コミュニケーション(以後、発コミュ)に出会いました。
そして、学びを進めるうちに娘のようにHSC「人一倍敏感なの子ども」の接し方が少しずつ分かってきました。
2.HSC「人一倍敏感な子ども」の4つの性質
HSC(Highly Sensitive Child)はアメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン氏が提唱した言葉で「感覚や人の気持ちに敏感で傷つきやすい子ども」と定義されています(2021年)
HSC「人一倍敏感な子」の主な性質として
①深く考える
・物事を深く考える
・物事に慎重で行動するのに時間がかかる
・「失敗したらどうしよう」と不安になりがち
②過剰に刺激を受けやすい
・大きな音が苦手
・暑さや寒さ、痛さに敏感
・皮膚感覚が敏感でちくちくした服や濡れた服を嫌がる
・人混みや集団が苦手ですぐに疲れる
③全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い
・人の心の動きに敏感
・他人が怒られている場面を見て、自分が怒られているような気持になって傷つく
・不公平なこと残酷なことに動揺しやすい
④些細な刺激を察知する
・小さな音やかすかなにおいが気になったりする
という4つが挙げられますが、この性質の濃淡は個人差があります。

娘の場合、クラスのいじめ行為の問題で、教室で他の生徒が先生に怒られている声や張り詰めた空気、自分は止めることができなかった罪悪感、いじめ行為を受けた子の気持ちなど、精神的に大きなダメージを受けたのも涙の理由の一つだったのではないかと思いました。
では、感情の反応が強く共感力の高い子が外部の刺激で傷ついてしまった時、どのような声かけがいいのでしょうか。
大人になってもHSCの敏感な性質は基本的に変わりません。自分のトリセツを知って自分のことを客観的に理解する力をつけることができたら心強いですよね。
次章では、人一倍敏感な子や傷つきやすい子への対応の一例と自分のトリセツの見つけ方をお伝えします。
3.敏感な子が自分のトリセツを見つけたママのホームカウンセリング
人一倍敏感な子が傷ついて過敏になっている時は余計な刺激はしないことです。 共感とホームカウンセリング(発コミュ基礎講座)の型で会話をしてあげると効果的です。
◆① 共感する
まず、傷ついてしまった子へは気持ちを全て受け容れてあげることが大事です。
声のかけ方にも注意が必要です。
×:「頑張れ」「あなたのせいではないよ」などの励まし慰めはさける
○:「辛かったね」「大変だったね」と共感して気持ちに寄り添う
いつも以上に小さなことにも共感した言葉をかけてあげましょう。わかってもらえた満足感や安心感を得ると子どもは心を落ち着かせていきます。
◆② ホームカウンセリング(発コミュ基礎講座)
本人が話したいことがあれば、カウンセリングの型で会話をしてあげるといいです。笑顔で優しくゆっくりとポジティブな言葉で話すことがポイントです。
「そっかー」「そう思うんだね」
「へー!どうしてそう思うの?教えて」
「うんうん、他には?」など
合いの手を入れてあげると子どもは話しやすいのではないでしょうか。
カウンセリングの話し方をすると本人がいろいろなことを理解してきます。理解力が高まってくると気分障害は落ち着いてくることが多いのです。
「私はこういう場面で傷ついてしまうんだ」「不安になりやすいんだ」と気づかせてあげる。気づくことで意識して少しずつ自分で回避できるようになっていきます。
また、「もうこれ以上は頑張れない…」と疲れや限界を感じているときは「こういう状況の時はあなたにとってしんどいんだね」「じゃ、こういう風にしようか」と提案してあげます。

子どもはママとの会話の中から自分の苦手な場面や不安になることに気づき、「じゃ、その時どうする?」「どうやって気分を立て直していく?」を一緒に話してみるのもいいですね。
そして、自分トリセツを見つけていきます。
気づくことで事前に自分で回避できるようになったり、予測してダメージを少なくすることができます。また、自分が傷つくパターンを知ることでメンタルを回復させる力を身に着けていきます。
このように、子どもが自分の気持ちとの向き合い方が分からない時や迷っているとき、親が少し方向を差し示してあげるといいです。
娘の場合は、気持ちが落ち込んだ時は推しのYouTubeをみたり、イラストを描いたりすることで心が落ち着くのだとわかったようです。
無心にイラストを描く娘の姿を目にすると、今は、自分と向き合う時間なのかなと見守ることができています。
いかがでしたか? ホームカウンセリングで大事なのは、「笑顔で優しくゆっくりと」「ポジティブな言葉を使う」です。
人一倍敏感な子をお持ちのママの参考になれば幸いです。
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♡小冊子のご感想
癇癪や暴力を起こす息子に、「なんでそんなことするの」と思っていましたが、原因がわかったことで、子どもを見る目が変わりました。これからは冷静に対応できそうです。
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執筆者:瑞上 ようこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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