暴言を吐く小学生の兄弟喧嘩ばかりにうんざりしていませんか?暴言を吐くのには小学生の不安を抱えやすい環境の影響があります。兄弟喧嘩に疲れた…を解消する親の対応法をお伝えします。
【目次】
1.兄弟喧嘩ばかりにうんざり!
2.暴言を吐く小学生が感じている不安
3.兄弟喧嘩ばかりを解消する親の3つの対応
①共感し受け止める
②好きなことの会話を増やす
③仲良くしているところを褒める
1.兄弟喧嘩ばかりにうんざり!
暴言を吐いて、相手に突っかかっていく小学生が、兄弟喧嘩ばかりになって疲れてしまう…親としてどう対応するのが正解?なんて思ってしまいますよね。
暴言を吐く小学生が兄弟喧嘩まで発展させてしまうとき、暴言が出てきたり、兄弟喧嘩を始めたときに親として対応をしなくては!と思いがちですが、実は暴言が出てくる前の対応が大切になってきます。
私も兄弟喧嘩ばかりで、うんざりしていた親の1人です。
仲良く遊んでいると思っていたのに、
「うるせー‼どっかいけっ‼」
いきなり大声で暴言と言い争いが始まり、取っ組み合いの激しい喧嘩に発展。
注意しても暴言は止まらない、喧嘩を止めようと間に入っても身体が大きくなってくると体力的に負けてしまい、毎回あざだらけ。
どうして仲良くできないの?と、発達障害の子どもの兄弟喧嘩ばかりでうんざり!これが、わが家の日常でした。
私には、発達障害の注意欠陥多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム(ASD)と診断を受けている4人の息子たちがいます。
長男が小6になったころ、暴言が多くなり兄弟喧嘩が増えていきました。
長男がゲームをしていると、そばで兄弟がおしゃべり、音を出すと暴言が出てきて、追いかけまわし喧嘩に発展。
しまいには相手を泣かせるまで止まらないという毎日でした。
私は長男が暴言を吐くたびに、
「いい加減にしなさい‼」
「何度言ったらわかるの‼」
と叱ってばかりで、いつもイライラしていました。
いくら叱っても状況がよくなるどころか、ひどくなるばかりで 暴言を聞くたびに「また始まった…」と憂うつな気持ちで、どうしていいか悩むばかりでした。
このように、いくら叱っても暴言を吐くことが止まらない小学生には、脳の特性と高学年という不安が起こりがちな環境の影響が関係しているのです。
2.暴言を吐く小学生が感じている不安
暴言を吐く小学生が兄弟喧嘩ばかりになってしまうのはなぜでしょうか?
それは、不安を抱えやすくうまく言葉にできないという脳の特性と、役割が増える高学年という環境から、ストレスを受けやすいことが関係していることがあります。
発達障害の子どもは、
・不安やストレスを感じやすく、ため込みやすい
・感覚過敏
・言葉でうまく伝えられない
などの特性があります。
気持ちを言葉で表現することに苦手さを感じている子どもは、感じたことを言葉にする時間が長くなりがちです。
言葉を考えている時間に、怒りにつながる気持ちが溢れ出し暴言を吐く行動に変わってしまっているのです。
小学校高学年になると、運動会での進行役を務めるなどの行事での役割が増えたり、学年特有の行事、宿泊学習や修学旅行などの行事も多くなりますよね。
行事での環境の変化に対応しなければならず、いつの間にか脳が限界を超えて疲れをため込んでしまうこともあります。
・初めての役割
・わからないことを言葉でうまく伝えられない
・周りに合わせて動かなくちゃと頑張る
・情報を多く受け取りすぎてしまう
そんな不安な気持ちが溜まっていき、気づかないうちにストレスや疲れになっていきます。
学校で頑張ってきたから、家に帰ったら好きなことをしていたいのは、学校でのストレスから解放されたいと思ってることの現れなのです。
それなのに、兄弟の声が不快に思い、邪魔されたと感じてしまう。
さらに、ママに注意をされて否定されたという思いがあふれ爆発してしまう。
というように、気持ちを切り替えたくてもできない、さらにイライラして暴言になってしまうことがあるのです。
そうとは知らず、学校での様子が知りたいために、いろいろ質問をしてしまいがちです。
マシンガンのように質問が飛んでくると、気持ちを言葉で伝えるのを難しく感じている子どもは話したくなくなってしまうのです。
3.兄弟喧嘩を解消する親の3つの対応
暴言を吐く小学生を叱ってみても、暴言が止まらない。
兄弟喧嘩ばかりで、暴力が出てくるため力ずくで親が引き離すことをしてみても、喧嘩してる2人が離れることがなく、うまくいかない。
他の兄弟も喧嘩に巻き込まれてしまう…
このような状況では、1人だけを対応をするのが難しいという場面も出てきます。
兄弟喧嘩が起こる前に、兄弟揃って共感と好きなことの会話を増やしていくことで、どちらか一方の対応をすることなく、暴言を吐く小学生の兄弟喧嘩ばかりになることを防ぐことができるのです。
まずはいろいろと聞きたいと思う気持ちを抑え、質問するのをストップしましょう。
具体的な対応をお伝えしていきますね。
◆①共感し受け止める
暴言や兄弟喧嘩になったときに、早く止めたいため、つい注意したり、こうしたらいいよとアドバイスをしてしまいがちです。
注意もアドバイスも否定に聞こえてしまい、ママの声が届きにくいということがあります。
そのため、暴言などが出てきたときは 共感し、そのまま受け止めて気持ちを代弁してあげてください。
例えば 「うるせー‼どっかいけっ‼」 「邪魔するな‼」 などと出てきたら、
「うるさいと思ったんだね」
「邪魔だと思ったんだね」
「イライラしちゃったんだね」
「怒りたい気持ちになったんだね」
ママが代弁してあげることで、子どもは今自分がどんな気持ちになっているのか気づくことができるようになります。
兄弟喧嘩の相手になった子どもにも同じように声掛けをしていくことで、兄弟も自分ばかり我慢している、と感じさせることがなくなります。
こうすると、ママが気持ちを受け止めてくれたという安心感がうまれます。
ストレスをため込む前に少しずつ気持ちを話す会話が増え、溜め込んでしまって爆発するということが起きなくなりますよ。
◆②好きなことの会話を増やす
人は好きなことをしているとドーパミンやオキシトシンなどのホルモンが出ます。
どちらも楽しいと感じた時に出て、ストレスを和らげているといわれています。
子どもの好きなことの会話をすることで、不安を和らげ心を落ち着かせることが出来るようになります。
長男の場合だと、ゲームをしているところで
「今どこまで進んだの?」
「この武器、すごくかっこいいよね」
などと話していくと、子どもからどんどん話をしてくれるようになります。
その場に兄弟が一緒にいるときは、
「今の技、すごかったね」
「難しそうだけど、簡単にやってたね」
と兄弟を巻き込み、肯定の声掛けをしてみてください。
どんどん、会話の幅が広がっていき子ども同士での好きなことの会話が続いていきますよ。
◆③仲良くしているところを褒める
兄弟が一緒に遊んでいるところを注目して
「今のすごいよ!2人だから勝てたんだね!」
「ナイス!チームワークだね!」
などの、協力しているところや、教えあっているところなどを肯定していくと兄弟で遊ぶことが楽しいと感じ、一緒にいる場面が増えていきます。
このように続けていった結果、学校から帰ってきたら毎日のように暴言を吐く小学校高学年の息子は、穏やかな口調に戻ることができました。
また、兄弟喧嘩ばかりでうんざりしていた私も、イライラしながら兄弟のやることを見ることがなくなりました。
暴言を吐く小学生の息子に怯え、他兄弟がビクビクしながら過ごすこともなくなり、家の中の雰囲気が一気に明るく、一緒に遊べる時間が増え楽しくなりましたよ。
ぜひ皆さんも穏やかな時間を手に入れてくださいね。
子どもの癇癪に困り果てているママ!対応策をご紹介しています!
執筆者:かねた愛
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)