嫌なことがあるとすぐ癇癪、キレやすい子どもの正体は、言葉で伝えること知らない子。本当は怒りたいわけでも、困らせたいわけでもありません。癇癪は放置すればいいと言われますが、その対応の効果が発揮されるには2つの大事な関わり方があるんです。
【目次】
1.癇癪はゼロにできるの?癇癪に怯え叱り飛ばしていた過去
2.キレやすい子どもの正体は?
3.癇癪は放置するだけでなくなるのか?
4.癇癪を放置する前にしてほしい2つのこと
①肯定が響く関わり
②気持ちを言葉で表現する関わり
1.癇癪はゼロにできるの?癇癪に怯え叱り飛ばしていた過去
いま、お子さんのいつ始まるのか分からない癇癪に怯え、いつ終わるのか分からない癇癪に限界を感じているお母さん達に、声を大にして伝えたいことがあります。
親が正しい関わりをすれば癇癪は必ずゼロにできます!
癇癪はお母さんを嫌な気持ちにさせたくてワザと「激しく泣き叫んでいる」わけじゃないんです。
子どもにとって思い通りにならない出来事があって、そこに大人が間違った介入をすることでその失望を怒りで表しているんです。
今はこうして「癇癪はゼロにできる」と自信を持って言える私ですが、数年前までは、一度スイッチが入ったら1時間は止まらない息子の癇癪に怯え、必死に耐える毎日を送っていました。
癇癪が始まったらどうしようもなくて、つらくてしんどくて、最終的にはどうしたら良いかわからず、息子をきつく叱って息子は家を飛び出すという状況でした。
癇癪って、子どもも親もメンタルがやられてしまうんですよね。
ある夜、息子が布団の中で祈っていました。
「明日は癇癪が起こりませんように」
そして、ある時は私にこう言いました。
「ノートにこう書いて。もしこれから、怒ったり、嫌になったり、どうすればいいか分からなくなった時、ママには『落ち着こっか』って言ってほしい」
癇癪でつらい思いをしているのは私だけじゃなくて、本当につらい思いをしているのは息子なんだとやるせない気持ちになりました。
だからこそ、知って欲しい!キレやすい子どもは、親の関わり方次第で穏やかで素直な本来の姿を取り戻せることを。
この記事では、癇癪が止まらないキレやすい子どもの正体と、癇癪を放置する前にやってほしいお家での対応についてお話していきます。
2.キレやすい子どもの正体は?
どうして気に入らないこと、思い通りにならないことがあるとすぐに癇癪を起すのでしょうか?キレやすい子どもの正体は?
決してその子はキレやすい子どもではなく、自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手なだけなんです。
これまでの人との関り、特に親との関りの中で、言葉で冷静に気持ちを伝えることを学んでこなかったからなんです。
今までこんなことはありませんでしたか?
激しい癇癪に耐え切れず、要求を通してしまったこと。
これでは、泣き叫べば希望が叶うと子どもは誤学習をし、言葉で冷静に気持ちを伝えることを学ばなくなります。
癇癪を起したら、その良くない行動に注目をして叱ってしまったこと。
実はこれが癇癪がなくならないそもそもの原因。癇癪行動への注目は子どもへのご褒美となってその行動をエスカレートさせてしまいます。
キレやすい子どもをさらにキレやすくしていたのは、私達親の関わり方が原因なんです。
ですので、癇癪を起したとしても毅然とした態度で注目せずに見て見ぬふりをすることが、癇癪を減らすためには必要です。
3.癇癪は放置するだけでなくなるのか?
では、本当に泣き叫ぶ子どもを見て見ぬふりをすれば癇癪はゼロになるのでしょうか?
答えは「NO!」癇癪は放置するだけではなくなりません。
なぜならば、癇癪のスイッチが入りやすくなってさらにキレやすい子になるからです。
癇癪の放置は、子どもの時期に発達させておきたい、集中力や問題解決能力、感情のコントロールに関わる脳の部分(前頭葉)の発達を停滞させてしまいます。
そうすると、脳の中で「不安・怒り」を感じる脳の回路が太くなり、その活動が習慣化されて癖になります。
癖になるとちょっとした刺激にも敏感になるため、残念なことにさらに癇癪のスイッチが入りやすく、キレやすい子になってしまいます。
そのうち成長したらよくなると放置するのも同様に危険です。
脳の発達に苦手を抱える、発達障害・グレーゾーンの子どもならなおさら、放置ではなく、親のサポートが必要となります。
4.癇癪を放置する前にしてほしい2つのこと
子どもの癇癪に親が反応をすると癇癪行動がなくならないため、癇癪を放置する対応は有効です。
けれども、この癇癪を放置する対応が効果を発揮するのは、癇癪が起きていない時の親子の関わり方が影響しています。
癇癪を放置する前にやっておいて欲しい、2つの親子の関わり方について解説していきます。
◆①肯定が響く関わり
癇癪を見て見ぬふり、子どもの好ましくない行動をスルーするなど、放置する対応が効果的に働くのは、前提に子どもへの肯定が響く関わりができているからこそです。
普段からしっかり子どもを肯定していて、その肯定は子どもの心に深く届いていますか?
親の肯定の言葉を怒らずに素直に受け入れてくれますか?
肯定が響く関わりができているかどうかは、良い親子関係(愛着形成)ができているかのバロメーターです。
子どもへの肯定の量が足りていなかったり、肯定の仕方が間違っていたりすると癇癪を放置したところで「ママは僕のこと関心ないんだ」と余計に荒れて癇癪がエスカレートしていきます。
◆②気持ちを言葉で表現する関わり
キレやすい子どもの正体でもお伝えしたように、癇癪や暴力行為は、言葉で気持ちが伝えられない代わりの表現方法です。
子どもが最後まで気持ちを話し終わる前に、親が察して会話をしたり、先回り行動をしていませんか?
これでは、言わなくてもやってもらえるので子どもは自分の思いや気持ちを言葉で伝えることを覚えません。
「リモコン!」と言われたら、リモコンを渡すのではなく「リモコンがどうしたの?」
気持ちが伝えられずに叩いてきたら「叩かずに、『嫌だった』って言葉で伝えてくれると嬉しいな」
など、子どもが最後まで伝えられる会話、伝えて欲しいことをアイメッセージで伝える会話を心掛けてみてください。
決して、癇癪は親を困らせるつもりで起しているんじゃありません。
ママが正しい関わりをすれば、必ず癇癪はゼロにできます。
今日から、肯定が響く関わり、気持ちを言葉で表現する関わり、始めてみてくださいね。
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執筆者:山本みつき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)